新型コロナウイルスの集団感染を防止するためには、「3密」を避けることが不可欠であるという見解が専門家グループから示されています。
それを行政のトップやメディアが取り上げることで、大々的に私たちも知るところになりました。
換気がよくない密閉された空間、多くの人々が集まる密集する空間、間近で会話や声を出す密接した空間という3つの条件がそろう空間が集団感染の危険度が高くなるという見解でした。
ただし、集団感染を防ぐために、
「不要不急の外出は自粛してください」
という要請もほぼ同時に出されたのでした。
その結果、繁華街の人通りはなくなり、閑散とした様子がテレビ等で映し出されているのが、この緊急事態宣言発出下の状況です。
たとえばJR大阪駅と阪急大阪梅田駅を結ぶ通路には、数人しか歩いていない様子がテレビに出ました。
あれほどにぎわっていた道頓堀、戎橋も閑散としていました。
一方、地域に目を向けると、公園で子どもたちが、または親子が遊んでいる光景が目につきます。
それを見たおとなが疑問を呈するとか、非難したりします。
「外へ出るな。外出をしたらダメだと言われているやろ。親は何をしてるんや!」と顔をしかめます。
でも、学校関係者のわたしとしては、「そこまで追いつめたら、子どもには酷ですよ。親もたいへんなんだから」と思うのです。
「3密」の場所へ行くのは避けなければなりません。その通りです?
でも、「3密」の場所にさえ行かなければ、外出しても感染するリスクは低いはずなのです。
たしかに、子どもが公園で遊ぶことは絶対に必要かと問われれば、必要でないし、急を要することでもありません。
また、「3密」でない場所なら外出してもいいとなると、人びとが多く出歩き、収拾がつかなくなることを予想して、あえて「外出を控えてください」というメッセージを出しているとも考えられます。
でも、相手は子どもです。「じっと家の中にいなさい」と言われても、外で遊びたいのが子どもです。それが子どもなのです。
こんなふうに、外で遊んでいる子どもをみて、「危険だ」という人が現れるのは、「3密を避ける」という警告と「不要不急の外出をやめなさい」という要請がタイミングを重ねて出されたために、「外を出歩くだけで危険なのだ」という誤解を人びとに与えてしまったのです。
客観的にみて、子どもが公園で遊ぶのは、専門家グループが言う「3密」には当たりませんから、感染リスクは低いはずです。
それよりも、子どもの健康のためには、かえって近所の広い公園での外遊びは勧めてもいいことだと思います。
そうでなくとも、運動部に入っている中学2・3年生にすれば、今まで部活で身につけてきた体力や体の動きは、この休校の間にすっかりなくなってしまっています。
このままでは、学校が再開して部活動を始めると、まったく体力が続かず、素早い体の動きができないので、けがをする心配もしなければなりません。
まして、多くの3年の生徒にとって、夏休み前か夏休み中に始まる府大会は、基本的に3年間で1度出場できる大会ですが、実施そのものが危ぶまれます。
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