学校の保健室は、けがをしたり、病気の症状をもつ児童生徒がやってくるところです。
保健室には、「保健の先生」(養護教諭等)が常駐しています。
また、春には法に定められた児童生徒の健康診断が立て続けにあり、検査を受ける子で混雑します。
しかし、保健室の役割はそれだけではありません。
学校に登校しにくく、教室に入りづらい児童生徒の心の「居場所」になっています。
起立性調節障害(OD)で、おもに午前中に血圧が上がりにくい子が体を休める場でもあります。
また、LGBTQ関係の相談に来る子もいます。さらには友だち関係や異性とのつきあいの相談に来る場合もあります。
実際、話を聞いてもらったり、少し休んだら、「教室へ行く」といって戻っていく子もたくさんいます。
また、新型コロナウイルス感染が拡大したここ数年は、不安を抱える児童生徒が訪れてくる子の相談相手に養護教諭がなったりと、大忙しです。
また、保健室を訪れてくる子の話し相手になっていると、なかには学級でのいじめや家庭でのが兆候が透けて見えてくることもあります。
そのような場合も含めて、養護教諭と学級担任、または生徒指導担当や教育相談担当の教員、スクールカウンセラーさらには校長・教頭等の管理職との連携が欠かせないのです。
必要に応じて学校外の専門機関につなぐ必要のあるケースにも、養護教諭は対応し、コーデネーターの役割をすることもあるのが現状です。
ふつう養護教諭(養護助教諭)になるには、大学の教育学部とか看護学部の中の専門養成課程を卒業し、教員免許を取ります。
そして、自治体、私立学校の教員採用試験に合格すると、学校に勤務することになります。
その業務の多さと、たいへんさをみると複数人数の配置が望ましい職だと思いますが、大規模校を除いて多くの学校が一人の養護教諭(養護助教諭)の配置になっているのが現状です。
「養護教諭になることは、難しい、大変だ」
と。
一方、
看護師(親戚)によると、
看護師にとって、養護教諭と保育園は(経済的)魅力の乏しい役職である、
と聞いた覚え。
(名古屋市のように)スクールカウンセラー常駐で養護教諭の業務負荷を下げる、という方策も必要でしょう。
いま、SCは1校で週1回程度しか勤務がないので、他の学校やほかの臨床心理の仕事をかけもちすることが多いようです。
1校勤務で、勤務日数をふやしかけもちしなくて済むほどの手当がつけばいいのですが。学校もありがたいですし。