京阪神間では、すでに公立高校でも私立高校でも「商業科」のコースや「商業高校」は他のコースや他の学校として改編が進み、現在は数校のみが「○○商業高校」という名称で学校を運営しています。
商業高校の歴史は古く、明治時代の学制以降、日本経済の発展とともに各地で開校しました。
簿記や会計学を軸に事務職や販売職で働く人を輩出して、日本経済に貢献してきました。
しかし、いま全国的に見れば、少子化のもと高校の統廃合・再編が進み、普通科志向の高まりで、工業科、商業科、農業科などの専門学科は生徒を集めるのが難しくなっているのが現状です。
そのなかでもとくに商業科はここ50年で半分にまで減っています。
商業科や商業高校は、以前は資格や検定をとると就職に有利という理由でけっこう志願者が集まったという歴史があります。
でもいまは、簿記などはコンピュータがとってかわり、ビジネスに関する課題設定・解決策を見つける学習が「総合学科」でも行えるようになったりしました。
工業科や農業科の専門学科は、まだ一定程度専門の「強み」を発揮できていますが、商業科や商業高校は志願者からの人気が低迷しています。
1970年度には全国に全日制の学校のなかで商業科(商業高校)は、およそ17%を占めていましたが、2020年度には9%程度にまで減っています。
しかし、とくに地方では商業科(商業高校)は、卒業生の多くが地元で就職し、地域の産業を担ってきたという役割があり、このままでは地域産業の振興の先行きが不安になります。
そこで、自治体によっては、商業科(商業高校)を学年制から単位制に変更したり、履修科目の選択制を導入したり、講義型授業を減らしグループでのワーキング活動を多くして教育方法を工夫しています。
また、生徒の選択肢を多く設け、主体性をもとにマーケティングやプランニングなど、商業科でしかできない特色を出そうとしています。
さらには、地元の名物や地元産食料をオンラインで販売することを学習するなどして、新しい商業教育を始めています。
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