「自己肯定感」が、教育・子育て、心理学の分野で大切だと言われて久しくなりました。
自己肯定感の高い子は、失敗をおそれずチャレンジするとか、自分への自信をもつので、積極的に学校生活を過ごすことができるとか、対人関係でも良好で、豊かな人間関係を広げることができる。
これは各調査の結果からも真実です。
しかし、私たちが自己肯定感のとらえ方を誤っているように、私が感じることがあります。
そもそも、自己肯定感とは、良い点もよくない点もすべてひっくるめて私であると思う感情です。
よくない点も自分であるとして、ありのままの自分を引き受けて、そのような自分が好きだと思えると、意欲が生まれるのです。
ただし、ここに「落とし穴」があります。
ありのままの自分でいいというのは、よくない点をそのままにしておいていいということではないのです。
たとえば、私は粘り強い方だと自分で思っていますが、一方で物事をするときのタイミングを逸することがあると、自分では思っています。
粘り強いという強みとタイミングをのがすことがあるという短所をふくめて、自己を肯定しますが、ありのままの自分でいいからといって、なにも努力しなくていいとはならないのです。
タイミングを逃さないように自己を改めなければなりません。
「もともと特別なオンリーワン」だからといって、なにもしなくていいというのではないのです。
つまり、良くない点を改め、克服しようとすることを担保しながら、ありのままの自分を受け入れることが、自己肯定感を高めるということです。
子育てでも、わが子のよい点も悪い点もひっくるめて、そのままのわが子が好きだと思えるとき、私たちはわが子の自己肯定感を育むことができます。
ただし、悪い点をみとめ、よくしていこうという子どもの努力を認め、子どもを愛するのです。
そのように愛された子は、ほぼ例外なく高い意欲をもち、日常生活、学校生活に臨みます。
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