箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「感情」への配慮をもとめる

2022年02月24日 08時50分00秒 | 教育・子育てあれこれ

沖縄が5月15日で本土に復帰してから今年で50年になります。

1972年5月15日のことでした。私が中学2年生の時でした。

担任の先生が教室の黒板の右端に縦書きで、黙っておもむろに「沖縄が日本に返還されましま」と書きました。

当時の私には、意味がわかりませんでしたが、大きな意味のあることなんだろうと感じました。

その後、教職に就くことになり、途中で沖縄修学旅行を大阪府箕面市の中学校で初めて始めることになり、沖縄へ行き始めたのが1996年のことでした。

一から、沖縄戦のことや基地問題を知り、海、文化、遺跡などを巡り、沖縄の人たちと出会ってきました。

沖縄の人たちから、教えてもらったことはたくさんありました。


さて、稲嶺恵一もと沖縄県知事が、沖縄本土復帰50年に寄せて以下のように語っておられます。

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本土側(=政府)は沖縄の基地問題を「国際情勢」という視点で考えます。

しかし、沖縄側は「線」で考えます。つまり、過去からのつながりや歴史を理解して基地問題を見るのです。

「線」として基地問題を見るのと、国際情勢や日本が置かれた環境だけから見るのとでは全然違うのです。

本土側は物事が一度決まると、法的に正しいかという「理性」で進めようとします。

しかし、人間には「理性」と同じだけの「感情」があります。

沖縄戦で軍隊が沖縄に来たから攻撃されたと沖縄の人たちが考える感情の問題があるのを忘れてはならないのです。

普天間飛行場の名護市辺野古への県内移設など基地問題が好転しないのは、(本土から沖縄への)配慮が足らないからです。

日本政府は27年間の米国統治下で築き上げられた状態のまま、沖縄に基地を押しつけようと考えているのではないか。

県民感情を大事にしながらギリギリまで頑張り。落としどころを見つけること。ベストではなく、ベターを模索する姿勢が必要だ。

      (2022年1月19日『毎日新聞』より引用)
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私もよく考えることがあります。

人間の行動は理性や論理で説明されることが多いです。

たしかに、AとBは同じ。またBとCも同じ。だから、Bが出たから、AをするかわりにCをした。

筋が通っています。これで人の行動は説明できます。

でも実際の場合、人には感情が起こります。A.B.Cより、わたしはとにかくDが好きだから、Dをした。とにかくDが好きやねん。

このように、人は理性や論理、または科学的であるより、感情や直感で行動すること多いのです。

だから、大事なことは、人の行動について判断したり、評価したりするとき、その人の感情を推し測り、その気持ちに共感を寄せることが必要なのだと思います。


3 コメント

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Unknown (さくらもち)
2022-02-24 09:01:43
⇒人は理性や論理、または科学的であるより、感情や直感で行動すること多いのです。
まさに新型コロナに対する行動がそれですね!何の理論も科学もありませんから。
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Unknown (mi3chu-kocho)
2022-02-24 22:12:51
感情で行動するのは必ずしもよくないこととは限らないですが、うつるとイヤ、ウイルスが怖いのような感情だけで行動するのは好ましくないと思います。
返信する
疑問? (アリス)
2022-02-26 11:48:49
拝読して良く解らないのは次の事です。ご説明頂くと有難い。

>沖縄戦で軍隊が沖縄に来たから~~考える感情の問題がある
 のを忘れてはならないのです???

この「感情」の問題というのが良く理解できません。
そもそも戦争とは、非常のもので「正義」なんてものは皆無です。

従って、戦争の被害者は勝者ではなく「敗者」です。
敗者とは何か?沖縄だけが被害者ではなく日本全国、広島・長崎を
含めて悲惨な状況になったのが現実的です。

そこで、沖縄への「配慮」とは何かです。具体的にどうなのか?

❶沖縄は、本土と比べると歴史上から言って独立した「琉球国」
 として認めるべきでしょうか?沖縄独立が妥当か?

❷日本の一部として国防を堅持するのが正しいか?
 では、どう防衛すると安全か?日本で決定できる問題ですか?
 できるとすれば、米国との「安保を放棄し離脱する」のが妥当か?

❸どちらでもないから沖縄に米軍があるから迷惑かけて本土の
 防戦地域として認識したく無いか?

整理すると上記の様に考えると思います。では、どうすると日本
及び沖縄が安全で平和となるより具体的な方法は何か?
貴方の文章で「感情」という意味をより正確に「現実を直視すべき」です。

❶米国軍隊を追い出して「日本独自で防衛強化」をするのか?
 方法はどうするか?簡単言えば、北朝鮮と同様に「核保有する」
 と安全なのか?それ以外に方法はあるか?

❷やはり米軍を頼りに日本の「統治権を委譲する」のが正解なのか?
 であれば、沖縄及び日本が米軍に逆らえない他力本願で生き
 延びるなら沖縄に米軍があることに、日本が積極的に抗議する
 権利は全く皆無というべきでしょうか?植民地状態で反抗できる
 立場ではありませんよね?

❸沖縄は元々は「琉球王国」ですから日本から離脱し独立を果たして
 本土の関与を否定するのが正解か?歴史上からは限りなく
「中国の属国」として存続していませんでしたか?

 では、中国の属国になるのが妥当なのか?この点を明確にしない
 と先には進めません?

現実を直視するには「ウクライナ問題」です。この戦争はなぜ
起こったのか?

簡単言えば、独立国家として「自国内の紛争」を自国で終結する
だけの政府トップの決断が無かったからではありませんか?

では、日本と沖縄を分離した場合にその実行力と防衛が、沖縄に
あるのか?だろうと思います。現状では不可能です。

もしも、ないとすれば「中国の属国」なのか?「ロシアの属国」と
して生き残るか?選択肢は限られます。或いは「米国統治下か?」

ここで、何を表現したいかと言えば、自国で独立国として自国で
防衛をしない限り、ウクライナの様に世界から無視されて
一方的なロシアの攻撃に遭い、「無残にも殺害されても抵抗でき
ない状態」は異常です。世界はアテにもならないですね?

そこで、改めて「同情的な感情」ではなくより現実的な意見を
述べないと民族は滅亡するまでに追い込まれるという事です。

ここで、是非ともお読み頂きたいのが下記です。
2080 歴史から学ぶ
https://blog.goo.ne.jp/daxy_2011/e/92cc6df80464006de8ff53acbca6c3a7
この記事でどうお考えになるのか?これがキーポイントです。
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