箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

離島・山村の高校へ進学

2024年07月11日 07時10分00秒 | 教育・子育てあれこれ
わたしが校長在任中に、3年生の女子生徒が島根県の隠岐島の公立高校へ行きたいという、たっての願いで進学が実現した例がありました。2017年のことです。

その生徒は、自分で体験入学会に参加して、大阪では体験できない島の生活をして、高校生活を送りたいたいという意向を伝えに来ました。

その高校は、島の生活を共に送り、ふるさとを大切にし、地域の特性をいかし社会で活躍できる生徒の育成をめざして、県外からの生徒を積極的に受け入れる高校です。

ご両親も娘の意思を尊重し、3年間親元を離れることに同意し、応援されていました。

入試を受けて、無事合格し、隠岐島へ進学しました。

さて、15歳で地元を離れ、それまで何の関係も縁もなかった地方の公立高に進学する生徒が、いま全国的に増えています。


過疎地域を中心に受け入れ先の高校も増えており、進路の新たな選択肢の一つとして注目を集めています。


たとえば、長野県の白馬高校では近年生徒数の減少が止まらず県の高校再編の対象校となりました。


地元は高校存続の危機を、地域存続の危機として捉え、生徒数増を図り国際観光科を新設しました。


そして、全国からの入学ができるようにしました。


山岳学習やアウトドアスポーツのフィールドワーク、外国人入学後は地域住民の協力を得て飲食イベントを企画し、学習や部活だけでなく課外活動にも積極的に取り組めます。


何かアイデアを出せば、地域の人々が肯定的に受け止めてくれるのが励みになります。


都市部の高校では味わえない豊富な課外活動が人気を集め、今年度は新入生55人のうち、半数近い25人が県外から入学しました。


住み慣れた場所や若年で家族の元を離れるのは大きな決断と勇気がいるでしょう。


でも、都市部の中学生が都市部の高校に進学しても、中学校のときと同じ顔ぶれ、同じ雰囲気の集団が続きます。


そんなとき、入学後は地域住民の協力をもらいながら、勉強や部活だけでなく課外活動にも積極的に取り組む機会をもらえる。


そんな「留学」は魅力的に思う生徒がいるのです。


「地域のために」という思いで何かアイデアを出せば、地域の人々が受け止めてくれます。


「離島留学」や「山村留学」は、高校進学時の進路として、着実なあしどりを築いています。






2 コメント

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Unknown (cosmos)
2024-07-11 21:15:02
すばらしいお話ですね
私の父も教師で、最後は小学校の校長で終わりました。私も田舎育ちですのでこのような話を伺うととても嬉しいです
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Unknown (mi3chu-kocho )
2024-07-12 00:36:12
ありがとございます。その生徒はもう卒業してたぶんこちらに戻ってきていると思うのですが、いまどうしているのか気にはなっています。
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