箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

しつけに暴力を使わない

2022年01月30日 08時06分00秒 | 教育・子育てあれこれ


子どもの言動を親が諫めるときに、「そういうことをしちゃダメでしょう」と言葉で伝えることと、たたく(なぐる)こととでは、意味がまったく違います。

たたくということは、腕力のある強いものが弱いものを従わせるための暴力です。

子どもは納得していないのに、暴力による屈辱を感じながらしたがわなければならないのです。

こんなしつけをされても、子どもには自分で自分を律するという自律性は育ちません。それどころか、自尊感情を傷つけられ、自己肯定感を失わせる行為になります。

傷つけられた自尊感情を回復するのは、なかなか困難なことです。学校では、自尊感情を下げた子どもは、集団になかなかなじみにくいものです。

親が子どもに「ダメだよ」と言うのはいいのです。でもたたくのはいけません。たたきたくなったときほど、親は自制しなければなりません。

今の時代、たたくことで子どもがいい方向に変わることはけっしてないのだと、知っておく必要があります。

親の言うことを強く押しつけられ、自分の願いはあまり聞き届けてもらえないことが続きますと、子どもはやがては反抗的な言動が増えてくることが多いと思います。

子どもをたたかずに育てている親は、自分の意に沿わない行動があっても、受け入れる力をもっているということです。

逆に、たたかずにいられない親は、人を受け入れることができないのです。

以上のことは、親と子の関係だけでなく、学校の教師と児童生徒の関係にも、そのまま当てはまります。

体罰をせずにいられない教師は、児童生徒を受け入れることができないのです。

昔はけっこういましたが、今の時代でも「先生、息子が悪いことをしたときには、殴ってもらってもかまいませんよ」という保護者が時としています。

今の時代の子育て・教育で、暴力が入り込む余地はまったくありません。


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