箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

新型コロナウイルスを

2020年09月02日 08時27分00秒 | 教育・子育てあれこれ
2020年7月8日、ツイッター上にこんな書き込みがありました。

母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」の声に驚いて振り向くと、惣菜コーナーで高齢の男性と幼児連れの女性(がいました)。

男性はサッサと立ち去ったけど、女性は惣菜パックを手にしてうつむいたまま。

私は咄嗟に娘を連れて、女性の目の前でポテトサラダ買った。2パックも買った。大丈夫ですよと念じながら。」




この書き込みには、大きな反響がありました。

この高齢の男性の発言は、今も性別役割分担の意識が、根強く残っていることを象徴しています。

ご飯を手づくりで作るのは女性で、男性は「食べる人」という固定観念にとらわれたことばだと感じます。

新型コロナウイルス感染防止のために、全国一斉に学校が臨時休校になり、子どもが家に2か月ほどいることになりました。

中学生にとなると、一人で家におれますが、子どもがまだ小さい場合は、親が仕事を休まざるをえなかったという事情があったのです。

子どもの面倒をみるために休んだ親は、母親が父親の7倍になっていたという報告があります。

これは、昔からの習慣で、家事や子育てをおもに担う人は女性になっていることの現れでしょう。


いま、日本では、働く女性の半分以上が非正規の雇用になっています。

その状況にくわえ、女性が家事や子育てを担っている家庭が多いのです。

世界で見ても、日本の男性は勤務時間が長く、外で働くものという意識が強く出ています。


新型コロナウイルスは、今回、性別役割分担が根強く残っているという日本社会の現実を浮き彫りにしました。

とはいうものの、一方では、テレワークによる在宅勤務ができる会社が現れたという点で、仕事をしながらも家で子育てや家事をできる条件が可能になったことも新しい動きです。

今回のテレワークを、今後男性が子育てや家事を担う割合を増やすチャンスにしていくことで、男女間の役割を考え直すことができます。

そして、あわせて、男女間の給与格差も是正して、同一賃金であり、家庭では家事、子育ての分担を進めていくことが求められます。



運命の糸

2020年09月01日 08時17分00秒 | エッセイ
先日、映画『糸』を観ました。

新型コロナウイルス感染防止のため、公開が伸びていましたが、8月21日にロードショーとなりました。

映画のなかに、印象的なセリフがありました。


「運命の糸ってあると思う。たまにほつれて、切れることもある。でもまた、何かにつながる。生きていれば必ず何かにつながる……」。



この作品のテーマとも言えるセリフでした。

中学生時代に、思いを寄せ合った葵と蓮でしたが、事情があり、離ればなれになります。

しかし、運命の糸はつながっており、10年以上たって再会します。

再会してからも、糸はほつれて紆余曲折がありますが、最後に二人はやはりつながるのでした。

この映画のストーリーそのものを、言い表した榮倉奈々が絞り出すセリフにリアル感が詰まっていました。



そういえば、

映画『君の名は』にも、似たセリフがありました。

糸を繋げることもムスビ

人を繋げることもムスビ

時間が流れることもムスビ

ぜんぶ同じ言葉を使う




運命の糸は、ほつれても、もつれても、その先ではつながるのでしょう。

「縁」が二人をつなげるのです。

生きることの意味を教えてくれます。





下のURLを長押しすると視聴できます。
4年前の合唱『糸』