ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

ちび庭とでか森~ちび庭の夜

2005年09月11日 | 京都
ご飯を食べたあと、猛烈に眠くなってテレビを見ながらくうくう居眠り。起きてみると、雨も上がったらしくすっかり涼しく虫の声がしています。ひよ、ひよ、ひよ、ぴるるるる、きり、きり、きり、ぴるるるる、じい、じい、じい、ぴるるるる。いったいいくつの声がきこえているのでしょう。思い思いのリズムで、いくつもの鈴を振るように、庭の向こうから聞こえてきます。つい、ブルーベリーとバーベナの鉢のたもとからも声がする。ピョコンと出てきたのはコオロギ。どこからか鈴虫のような声もする。

夜の虫は、たくさんの声がして賑やかだけど、ひとつひとつはどれも静かに密やかに鳴いていますね。昼の蝉の泣き声とは大違い。いったい、誰に「静かに鳴くように」といわれたのでしょうか。面白いものです。まあ、夜も蝉のように大鳴きされたら、うるさくてたまりませんが。そういえば、初夏にはあんなに鳴いていた蛙の声もすっかり静まりましたね。

こういうとき、ちょっともどかしいのは、どんな虫の声かがわからないこと。暗闇の草をかき分けても、そう簡単には出てこないし、最近はネットで虫の声を聞かせてくれるサイトもありますが、いくつか聞いている内にどんな声だったかわからなくなってきたり。う~ん、覚えが悪くなったかな。

それは鳥の声も同じことで、「ぴぃぴぃ」と一声鳴いて、見上げたときにはもう飛び去っている。う~ん、そんな時手元に図鑑はないし、一瞬のことで大きさやしっぽが長いか短いかくらいしかわからない。泣き声を記憶するって、結構難しいなあ。

でも、夜露にぬれた草むらからやわらかな声が聞こえてくると、ほんとに心がなごみますね。

そう考えて、ふと気がつきました。最近は、ほんとに「原っぱ」がなくなったなあ。子供の頃は、家のすぐ前は大きな原っぱで、サクラの樹が植えられ、春にはタンポポや野草が咲き、秋にはススキが風にそよぐ場所でした。たまにはヘビもいましたが、野うさぎもいたり、イタチもいたり、そんな中をよくみんなで歩き回って遊んでいました。どこまでも林の中を探検したり、小川までセリやザリガニを取りに行ったり、「勝手に入れる」場所がどこまでも広がっていたと思うのですが。

まあ、ほんとに田舎だったわけですが、今はもうどこも林がつぶされたり、柵が設けられたり、グラウンドや宅地、道に変わったりと、すっかり「ヒトのトチ」になってしまい、安易に散歩することもできなくなってしまいました。ほんとに、子供達が自分の力で動く場所がなくなってしまいましたねえ。

そう言えば、ちび庭の向かいの畑のその向こうは、また住宅があって、袋小路になっています。休日は子供達の元気な声がよく響くのですが、先日、こんな会話が聞こえてきました。「あかんでぇ、そんなとこで野球せんと公園行ってき。ひとがとおらはるやろ!」と、家の中からお母さんの怒る声。すかさず、玄関前の袋小路から子供達の反撃。「そんなんゆうたかて、公園で野球すなゆうて看板たったるでえ。おれら好きでこんなとこでしてるんちゃうもん!どこでせえっちゅうねん!」あはははは。たしかに。そおかあ。学校の運動場も閉まってるしなあ。野球の練習するとこさえないのかあ。そらなんぎやなあ。

う~ん、ちょっと前の新聞に出ていましたが、「フットパス」というのが日本でも一般的になるといいですね。お散歩好きのイギリスの人は、人の土地でもお散歩できるように、と、土地の一部を公共の通路に解放しており、庭や農場の中の道を誰でも歩いていけるようになっているのだそうです。

そう言えば、昨年イギリス研修に行った時も、バスの中で先生がどこまでもうっそうと茂る森林を指差して、誇らしげに「コモンズ」の説明をしてくれました。地域住民の共有の森で、ハイキングしてもいいしピクニックでもよい、誰が入ってもよい場所。(森林だけでなく原っぱや牧草地も指すようですが。)みんなでこの森を守っているんだよ、と。その先生もその森林を管理する仕事をしているとのことでした。いいなあ、みんなの森。いつか私もどこかにそんな森を作れるといいなあ。(そしてやっぱりでっかい樹を植えたい私だった。)

☆今日のちび庭気温 22~34℃ 晴→曇り→雨 いやあ、昨日は造園やのお仕事最中に、いきなりすごい集中豪雨でした。おかげで落葉のお掃除が元の木阿弥。今日も来るか?来るか?といった感じの迫力のある空でしたが、そんなには降らなかったな。(^^;)