ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

つかの間のタイムスリップ

2006年05月19日 | 京都
ひと泳ぎしました、って感じのずぶ濡れ具合。今日は天気予報どおり、なかなかの雨ですね。

金閣寺方面からの仕事帰り、だんだんひどくなってくる雨。よし、妙心寺境内をつっきりだ!
「ごめんなさい、おじゃましま~す。」とつぶやいて、自転車で北門から入り、塔頭の並ぶ石畳を抜けて行く。

もう大分見なれた、どこまでも続く土塀と石畳。前を歩くお坊さんの姿も雨に煙っている。ときおりすれ違う、高校生や子連れのお母さん達、買い物袋を持った近所の人々。どうも、境内を仕事着で通り抜けるのは気が引けるのですが、ここって、ほとんど、生活道路よね???(あ、違う?スミマセン…)

濡れそぼる、杉の大木。いくつも並んだ、端正な佇まいの塔頭の門。入口からちらりと覗く、手入れの行き届いた庭を、今日は横目で流しながら、目に入る雨をしばたいて走る。風景だけ見ていると、どの時代にいるのか分からなくなりそうな感じ。

ほんとに、このお寺だけで、ひとつの街ですね~。要塞っていうか。お坊さんの社会。今でこそ、いくらでも通り抜けてしまうけれど、昔は、こんなに自由に庶民が出入りなんて、できなかったんじゃないのかな?それとも、お寺だし信徒さんもいるし、そんなこともないか???なんとなく、門をくぐると、襟を正さなくちゃいけないような緊張感があるのですよね。

つい2年前まで憧れだった場所が、今はすっかり生活環境の一部となっていることの不思議。実に、ありがたいことです。(でも、きっと消化しきれてない…)あとから、きっとこの重みが分かるんだわ。ただただ、見つめているばかり。

白く霞む大きな伽藍の横をくぐり抜け、人けのない退蔵院の案内版を後に、南の門が見えてくる。
おっ、閉まってる?…よかった、横の扉が開いてた。そおか、もっと遅かったら閉まってたのかも。あぶないあぶない。

門の外は、にぎやかな花園駅前へ続く道。過去と現在が共存している街ですね。


話は変わって、ここんとこハマっていた本。話題のダビンチコードもなかなかですが、カレル・チャペックの「園芸家12ヶ月」が、こんなにウィットに富んだ面白い本だったとは知りませんでした。しかも、人生まで語っていて、なかなか深い。園芸好きにとって、どれも思い当たることばかり。

人間って、100年前も同じようなことしてたのね。ジャーナリストでもあり、いろんなジャンルの作品を書いていたという、多才な顔を持つカレル。他の作品も読んでみたくなりました。まだ読んでない園芸好きのアナタ、オススメです!

☆今日のちび庭気温:11~21℃ 雨 
一昨日から、裏の畑でカエルが鳴き出しました。また季節が巡って来ましたね。もうちょっとすると私の好きな東林院(妙心寺)で、沙羅の樹(ナツツバキ Stewartia pseudo-camellia)が咲くんですよね~。行きたいなあ~。ああっ、ナツツバキ…。去年、せっかく種から芽が出たのに、夏に水切れして枯らしてしまった…。5Bまで育ってたのに…あ~ん!(思い出し泣き)(;_;)