梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

小津作品と「深夜食堂」の話

2020-03-02 09:22:30 | 映画
アマゾンプライムで小津安二郎の「東京慕情」を見た、
ずいぶん前に見たのは何だったか?同じような名前の「東京物語」だったか
原節子と宮城千賀子の出ていたものだった気がする
「東京慕情」では不良とまでいかない妹が妊娠してしまい親に内緒で堕胎してその帰りに電車にひかれて無くなってしまうというストーリーでこの監督の演出と単色の暗い雰囲気がやるせなくなる様なエンディングが小津監督の作品らしい映画だった、
好きだったイタリア映画もこんなエンディングが多くそれがよく見られていたというのは時代背景が違ったせいか、あるいはこの年齢になるとそれが心にかなり負担になるせいか、
何しろもともと涙腺がゆるいかったのが60代から更にゆるくなってきた、
それでも1時間もののドラマなんかでは一過性みたいなものだがこんな風に1時間以上かけて追い詰められた後の涙は心を重くしてしまう、
その後「深夜食堂」と言うドラマをオンデマンドを見たがこのドラマも中々涙ものがあったがそこで気になったのは小津監督時代の役者と現代の役者の演技だった、
これは私の感覚だが芝居の自然さと言う事を見るとあの時代の演技はかなりぎこちない感じがする、
人気では永遠の乙女と言われた原節子だが私の見た2本ではかなりせりふ回しが固い感じがする、
その直後に見たせいもあるし映像の仕上がりやセットのクオリティもあるが小林薫も客の演技も本当に自然な雰囲気を出している、無論全員ではないがそれも明らかに演出だろう、
「深夜食堂」はビッグコミックの漫画が原作だが私は好きでずっと見ている、
最初にドラマ化されたときは深夜放送なので見なかったがオンデマンドで出ていたので見たが最初見たときは違和感が有ってすぐ消してしまったが再度見てみたら別の意味で面白い、
考えたら漫画のほうは深夜食堂は完全にこの店以外が出て来ないのだ、
マスターと客との会話、色んな客同士の会話と再度来店しその前後の話題でストーリーが進み、完結する、
さすがにドラマではそうはいかないのだろう、結構膨らめてドラマ化しているのだがこれはこれでうまくできている
しかし、あの状況をドラマで完全に再現できればそれはそれで素晴らしいんじゃないかと思う、
「ゴドーを待ちながら」ほどではあるまいがあれじゃあ難解でドラマにはならないか、
あくまでテレビドラマなんだし、原作者もそこまでは望んでいないんだろうがちょっと興味がある気がする