多くの時間が過ぎ去ってしまった。しかし頭の中はまだ「画学生」でしかなく、人徳も身に着けていないから背広を着ても似合わない。このところ蒸し暑くなってできる限り薄着で過ごせるから有難い。
しかし先週の木曜、金曜日に東京の友達に誘われて広島でおいしいものを食べた。コロナのせいで久しぶりに会って「顔」をしっかり覗き込んだ。美術館時代から世話になり、励まされた二人の友人がまた思い出作りをしてくれる・・・・贅沢だろう。
浜田にはおいしい物がないから・・・おいしい刺身が食べたければ自分で釣りに行けと言われるし・・・山陰で境港と並ぶ有名な漁港とされるのに・・・・逆に広島からおいしい魚を食べに多くの観光客が出かけてくる・・・なんてことがない。
今回は広島で、また宮島に行って、お昼はアナゴ飯で有名な店に入らず、その隣のアナゴ飯の店に入ってアナゴ尽くしを食べた。隣の有名老舗は前回は味がさほどではなかったのに、店の前には大勢の行列で、ずいぶん時間がかかりそうであったので隣にしたのだ。アナゴは自分で釣ってきてさばいて絞り焼きにして、ウナギのかば焼きの味に負けないおいしいタレで食べてきたから自慢する。
それはともかくとして夕ご飯は「牡蠣ごはん」で、原爆ドームから近い太田川に浮かぶ水上レストラン・・・これがフルコースで品の良いカキの食べ方を教えられた。わたしは普段生ガキをレモン汁とコショウですすり込むのがベルギー時代に覚えた食べ方だが。調理の仕方では「広島名物カキの土手鍋」だが・・・・日頃から甘党で、味噌だれが甘いのは知っていたが・・・フランス人は嫌がるだろうな。
日頃から歩くのが減って、絶えず車で買い物などの用事を済ますので、今回はよく歩いた。ちょいとくたびれたね。ホテルの部屋では直ぐに浴槽に湯を張ってマッサージをすることにした。で、服を脱いで・・・浴室の鏡に「醜く腹部が垂れ下がったおっさん」が居るのにドキッとさせられ・・・・ゆっくり風呂に入るどころではなくなった。日頃家にいるときも鏡に映る自分は極力見てこなかったから・・・・そのショックは計り知れない。かかりつけ医の所では医師も看護師も気を使っているかあまりはっきり醜い腹のことを言わないから・・・やはり人生のパートナーはこういう時に毎日それとなく自覚さえるような言葉を・・・背中に冷たい水を差すような言葉を言い放つ人が必要だったのか・・・と思った。ねこは一杯いるけどねぇ。
今回の自覚は年齢も感じさせていやだなあ。