minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

深夜のクラブはニートで一杯?!

2012年06月04日 | ライブとミュージシャンたち
Martinのお誘いで昨夜は「Makena」というクラブへ。それにしても11時集合、って本当に遅くて体が辛い。Rioもかなりお疲れモードで「今日は俺は行かなくてもいいんじゃね?」と言い出した。

いつも通訳代わりにいろいろとRioに任せてきた事がかなりのストレスにもなっているようで、出かける寸前にストを起こしたのだ。今日のMartinは英語もしゃべれるから、彼に通訳を任せて俺は家で休んでいたい。一人になりたい。と。

しかもジャムセッションのようなもの、と聴くと大抵はジャズのスタンダードをやるようなものなので、スタンダードを少ししかしらないRioにとってはすごく不安な事なのだと思う。私もだけどw。

若干19歳の息子に頼りっぱなしのダメな親。でも言葉に関してはどうしようもない・・・情けないけれど、少しでもRioに負担をかけないようにするから、となだめ説得し、TReSでクラブへ向かった。やはり3人で演奏する事に意味がある。


行ってみるまでどんな事になるのかさっぱり、というMartinのお誘い。先週のNiceto Clubから1ブロック離れた場所に「Makena」はあった。日曜の深夜だから、Nicetoも閉まっていて、道路に人が一人もいない。こんな時間にクラブに人はいるのだろうか?

11時より少し前に着いた私たちをMartinが出迎えてくれた。お客様はちらほら。Nicetoほどは広く無いが、下から2階にあるステージを見上げる形になっている。ソファーがあって、オールスタンディングでもなく、適度に快適。



「俺がここに来たのは昨年デニス・ボーベルを連れて来た以来だけど、このクラブにリチャード・ボナーも遊びに来て演奏して行ったんだよ。」ひえ~~~!聴きたかったなw。

さらにMartinは「サックスのスタンドはマネジャーが持っているんだけど、彼は今ツアーに行ってしまって来週もどってくるんだ。」えええ、それじゃスタンド、今日はなし?困ったな・・・・すべてが思い通りにはいかない、これがまさしくアルゼンチン(苦笑)。

DJのお兄ちゃんに紹介され、1階のDJブースに通された。12時過ぎにショーバンドがディスコミュージックを演奏開始。トランペット、テナー,アルト、ギター、ベース、ドラムの編成。そこにボーカルが入れ替わり立ち代わり。お客が次第に集まり出して、1階のフロアが満員になっている。恐るべし、ブエノスアイレスのクラブシーン。


photo by Martin

途中でDJと切り替わり、またしばらくしてから演奏。沢山のミュージシャンたちが遊びに来ていて誰が誰だかさっぱりわからないまま、「そろそろ君たちも演奏する番だからね。」とMartinに言われ2階に移動する。ドラマーとキーボードが来ているから一緒に演奏してね。


photo by Martin


どんなピアニストか、ドラマーか、など全くわからない。そう簡単にセッションができるかな~、と不安も募りつつも「なんとかなるさ」精神で切り抜けよう、と2階に行く。ピアニストと軽い打ち合わせをステージで行う。サウンドチェックもない。それでもマイクチェックで少しだけ音を出すと下にいた観客たちがみんなイエ~イ!と喜んで見上げている。こういう環境だと自然に『よっしゃ、今日もがんばろ!』って気分になれるのはミュージシャンの性か。

この場の雰囲気を見つつ、「Simone's Ska」とスティービーの「Isn't She Lovely」をたっぷり演奏。


Rioも堂々たるもんだ。 photo by Martin

しかし、あとどのくらい演奏するのか?何をやればいいかな?と思っていたら「OK,Thank you、、、、」と進行係?の入れ墨ベーシストの格好いいお兄ちゃんが出て来て、とりあえずTReSの演奏は終了。10分くらいの持ち時間だった。

このあとも、ジャムだから入って来ていいよ。とステージ横で言われて、また他のミュージシャンたちが入り乱れジャムセッションとなった。でもどういうところで入ればいいのだろうか???と控えていると、突然、私がステージに喚ばれ、わからないままソロをとったり、トシキが入ったり、最後はRioと全員で「SuperStation」を演奏。会場も大盛り上がりで、ステージから降りて客席にもどるとみんなが一斉に「Bueno!」などと声かけてくれる。この瞬間がミュージシャン冥利に尽きる。またまたDeepな一夜だった。


「Martin、日曜の深夜なのになぜあんなに人が来るの?」
「あそこにいた奴らはみんな仕事がない奴らだからさw。」

そっか、ニートのたまり場なんだ(苦笑)。Martinが自家用車で家まで送ってくれ無事帰宅。朝4時をまわっていた。次はまた何が起こるんだろう。Martin恐るべし。