14日、新潟滞在2日目。早朝は吹雪の中、福島潟を散策し、10時頃から 『ビュー福島潟』 のイベント会場に準備のために入った。
午後から『消しゴムで作ろう!福島潟版画教室』というタイトルで野鳥版画の個展と絡めて消しゴム版画のワークショップを行う。施設の外はこの週末に到来した寒波のため雪が降っている。担当者から「この雪で道路事情も良くないようです」と連絡があった。天候を気にかけながら会場をセッティングしていると、一人、二人と参加者が到着する。中には電車とバスを乗り継いで3時間以上もかけて来てくださった女性もいた。コートの雪を払いながら「この展覧会とワークショップに来たいと、とても楽しみにしていました」と言われた。「ありがたい」 人数が少なくても頑張ってみよう。
そうこうしているうちに、この悪天候の中20名定員のところ15名の方が出そろった。館長のオープニングの挨拶と僕の自己紹介を終えると、いつものように制作手順を説明し、実際に自分でも制作しながらワークショップとして進行していく。こうしたネイチャーセンターでの版画のレクチャーもいろいろな場所で開催してきたが、いつも熱心な参加者の方々に支えられて続けてきている。版画のモチーフはこれも毎度のことだが野鳥、昆虫、植物などの自然界の生物を対象としたもので、制作を通じて自然の大切さを感じてもらおうというもの。あらかじめ僕が用意した下絵を写しても良いし、自分で絵柄を考えても良いということにしている今回は冬鳥のシーズンなので下絵の方は冬に観察できる野鳥を多くしている。次に版をカッターや彫刻刀などいろんな用具を使用して彫っていき、インクを付けてハガキに摺るという手順。今回は大人の参加者が多く、みなさんかなり集中して黙々と制作していた。手のひらに乗る程度の小さな版だが2時間というタイムスケジュールは目いっぱいかかり、結局30分ほどオーバーして終了。机の上には力作がズラリと並んだ。最後に担当者のS氏が一人一人に感想を聞いたのだが「理屈抜きで楽しかった」「時間の経つのも忘れて夢中で作れた」など、楽しんでいただけたようだ。
新潟の参加者の熱意にすっかり寒さも忘れていたが、外は相変わらずシンシンと雪が降っている。施設のガラス越しに広がる眼下の干拓地には餌を採るためにたくさんのコハクチョウとオオヒシクイが集まっているのが肉眼でも見えた。担当者と参加者のみなさん全員に感謝します。画像はトップがワークショップ会場風景(窓の外は雪景色)。下は会場のようすと机の上の力作の数々。