粘っこいコロナ禍が続く毎日。 自粛生活と言ってもエカキは制作の手を休めるわけにはいかない。何故ならばそれが我々の仕事だからである。
5月から野鳥版画、『日本の野鳥シリーズ』の大判木版画を引き続き制作している。それも水鳥、カモ科の雁類に限定して3点目である。先月から彫っているのは、ハクガン(白雁)。英語的には " Snow Goose " という。 北アメリカ、グリーンランドの北極圏、北東シベリアの1部で繁殖、北アメリカ東海岸及び西海岸で越冬する雁類である。日本には数少ない冬鳥として渡来するとされてきたが近年、北日本や日本海側の水辺環境で越冬数が毎年増えてきている。成鳥では黒い初列風切羽以外は全身が白い、一見するとハクチョウやアヒルのようにも見える野鳥である。何故、雁類に特化して木版画で制作しているのかということはここで述べると、とても長くなるので省略させてもらう。いずれ発表の時が近くなったらまたお知らせすることにしよう。
このハクガンの木版画を制作するにあたって、事前に冬の雪の風景を背景に彫ろうと決めていた。理由としてはハクガンが本来生息する環境を考慮したのと、英語名の「雪の雁」を造形化したいという欲求があったからである。白い冬鳥には雪の白さが響きあい、よく似合う。この木版画を彫っている時に珍しく同居している次女が「最近、どんな版画を制作しているの? 摺れたら見せてほしい」という。 雪を彫りこんだ2回目の試し摺りができた時、工房に呼んで見せてみた。作品は気に入ったようだが、そこで一言、「よくこの暑い最中に冬の景色と雪を彫れるね、 躊躇するってことはないの?」と尋ねられた。 その場では「あんまり、意識したことはないなぁ…」と、答えたが実際、第三者から見れば不自然な話であるのかも知れない。
毎日、夢中で版木を彫っているうちに、いつの間にか遅い梅雨明けも過ぎていた。現在、木版画は仕上げに近い3回目の彫りの仕上げ段階に入っている。 まぁ、全国的に30度を超える酷暑が続く中、冷房の効いた工房で雪景色を彫るというのも涼しさが増して良いのかも知れないと、開き直って木版画を彫る日々である。
※画像はトップがハクガンの木版画を彫る工房の風景。下が木版画を彫っている僕、木版画『ハクガン(仮)』の第1回試し摺りと第2回試し摺り(雪を彫り入れたもの)、彫りに使用した彫刻刀の1部、彫った版木の細かい削りカス。
5月から野鳥版画、『日本の野鳥シリーズ』の大判木版画を引き続き制作している。それも水鳥、カモ科の雁類に限定して3点目である。先月から彫っているのは、ハクガン(白雁)。英語的には " Snow Goose " という。 北アメリカ、グリーンランドの北極圏、北東シベリアの1部で繁殖、北アメリカ東海岸及び西海岸で越冬する雁類である。日本には数少ない冬鳥として渡来するとされてきたが近年、北日本や日本海側の水辺環境で越冬数が毎年増えてきている。成鳥では黒い初列風切羽以外は全身が白い、一見するとハクチョウやアヒルのようにも見える野鳥である。何故、雁類に特化して木版画で制作しているのかということはここで述べると、とても長くなるので省略させてもらう。いずれ発表の時が近くなったらまたお知らせすることにしよう。
このハクガンの木版画を制作するにあたって、事前に冬の雪の風景を背景に彫ろうと決めていた。理由としてはハクガンが本来生息する環境を考慮したのと、英語名の「雪の雁」を造形化したいという欲求があったからである。白い冬鳥には雪の白さが響きあい、よく似合う。この木版画を彫っている時に珍しく同居している次女が「最近、どんな版画を制作しているの? 摺れたら見せてほしい」という。 雪を彫りこんだ2回目の試し摺りができた時、工房に呼んで見せてみた。作品は気に入ったようだが、そこで一言、「よくこの暑い最中に冬の景色と雪を彫れるね、 躊躇するってことはないの?」と尋ねられた。 その場では「あんまり、意識したことはないなぁ…」と、答えたが実際、第三者から見れば不自然な話であるのかも知れない。
毎日、夢中で版木を彫っているうちに、いつの間にか遅い梅雨明けも過ぎていた。現在、木版画は仕上げに近い3回目の彫りの仕上げ段階に入っている。 まぁ、全国的に30度を超える酷暑が続く中、冷房の効いた工房で雪景色を彫るというのも涼しさが増して良いのかも知れないと、開き直って木版画を彫る日々である。
※画像はトップがハクガンの木版画を彫る工房の風景。下が木版画を彫っている僕、木版画『ハクガン(仮)』の第1回試し摺りと第2回試し摺り(雪を彫り入れたもの)、彫りに使用した彫刻刀の1部、彫った版木の細かい削りカス。