宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

いちご被災農家,苦渋の選択で北海道へ。

2011年07月01日 14時08分22秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援
亘理町の被災農家が,北海道の伊達市でいちごの作型開発等を行うこととなりました。
 これは,姉妹都市の伊達市からの申し入れにより,亘理町産業観光課がいちご被災農家とのマッチングを行い実現したものです。5月下旬に農家9名とJA担当者及び町職員が実際に現地を視察し,視察者を含め6戸の方々が応じることとなりました。
 現在,伊達市では1戸のいちご農家が生産を行っていますが,生産拡大に向け,品種や栽培方法などを最大2年間実証することとなりました。農家はこの間,市またはJAの臨時職員として施設整備後に,いちごの試験栽培を行うものです。栽培技術を確立した後は,いちごを販売し,収入を確保することも可能とのことです。
 本来は,地元での早期営農開始をしたいところですが,住宅や農地の被害を受け,早期営農再開が難しい状況であることから,亘理町を離れるという苦渋の決断したものです。
 住居も市で用意することとなり,7月上旬には第1陣の4戸が移住する予定です。単身赴任やご家族での移動となり,慣れない土地での生活や生産活動は何かと大変なことも多いかと思いますが,皆様のご健闘を期待するとともに,亘理町での早期営農再開を御祈念申し上げます。

連絡先:亘理農業改良普及センター 地域農業班  0223-34-1141

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(有)耕谷アグリサービス(名取市)除塩実証ほ設置

2011年07月01日 13時51分37秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援
名取市の(有)耕谷アグリサービスでは,農業機械メーカーの(株)クボタと亘理農業改良普及センター,農業・園芸総合研究所(以下農園研)と共同で水田における除塩実証ほを設置しました。(有)耕谷アグリサービスはこれまで同市内の農地を集積し,大規模に水稲,大豆,麦を生産していましたが,東北地方太平洋沖地震に伴う津波の浸水によりほとんどのほ場で農作物の作付ができない状況になりました。
名取市では農業用排水路や用排水機場の多くも甚大な被害を受け,農業用水による活用した除塩作業が難しい状況となっています。
このような中,雨水と農業機械を活用した営農的手法の組み合わせによる除塩効果を確認するため,6月6日に除塩実証ほを設置しました。
除塩方法は雨水を効率的に水田にしみこませ,これを暗きょによりほ場外に排出するという方法です。農業用水を使わずに自然の降雨を活用するため下流域への負担が少なく,条件が合えば多くのほ場の取り組みが期待される方法です。
今後,普及センターと農園研で継続的に土壌中EC等を計測し,施工方法による効果の検証をおこない,水田の除塩に向けた復興を支援していきます。

連絡先:亘理農業改良普及センター 先進技術班 0223-34-1141

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

栃木県から‘いちご苗’が無償提供されました

2011年07月01日 13時20分54秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援
平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震による津波により,東北最大の産地である亘理町,山元町のいちごは施設の約95%が倒壊・冠水するという壊滅的な被害を受けました。
 このような中,地域の生産者は何としても産地を復活させ,今年のクリスマスには出荷を間に合わせたいと現在も懸命に施設や農地の復旧作業にあたっています。
 しかし,今回の津波では栽培施設の被害のみならず,今年の秋に植え付けるの苗の親株も同時に被害を受け,いちごを栽培したくても苗がないという状況にありました。
 このため,JAみやぎ亘理では,関係機関の協力を得ながら県内及び県外に苗の提供を呼びかけたところ,日本一のいちご産地である栃木県から,‘とちおとめ’の苗100万本を無償提供していただけることになりました。
 これを受け,6月13日と15日の両日,JAみやぎ亘理のいちご生産者及び関係機関等約40名が栃木県に行き,収穫の終了したいちご栽培ほ場からランナーという状態で採苗を行ってきました。2日間での苗確保目標数は30万本でしたが,午前8時から午後6時までの長時間に及んでの熱心な作業により,ほぼ目標どおりの苗が確保できたようです。
 震災以後,久しぶりにいちごの作業にあたる生産者も多く,将来に対する不安な気持ちを抱えつつも,いちご栽培が再開できるとの希望を胸に懸命に汗を流していました。また,栃木県のいちご生産者からは復興に向けての激励が多く寄せられ,宮城県の生産者には大きな励みになったようです。
 今後,8月上旬にも2回目の採苗が栃木県で行われる予定です。

連絡先:亘理農業改良普及センター 先進技術班 0223-34-1141

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする