石巻市では,令和2年12月に「河北せり」が地理的表示(GI)に登録され,地域の重点品目となっています。しかし,近年ニホンジカやカモによる鳥獣被害により河北せり産地が脅かされています。
そこで,令和3年6月14日に河北せり生産地域(皿貝地区・馬鞍地区・日影地区・中島地区)のせり生産者を対象に,合同会社東北野生動物保護管理センターの研究員を講師に鳥獣被害対策勉強会を開催し,ニホンジカとカモの生態を知り,その上で効果的な被害対策を学びました。また,約1か月間河北せり生産地域である皿貝地区の山際9か所にセンサーカメラを設置したところ,すべてにニホンジカやカモシカ,一部のカメラにはイノシシが確認され,近い将来イノシシによる被害対策も検討しなければならないことを目の当たりにしました。
生態と被害対策方法について学んだ後、参加者を地区毎に2グループに分けて,被害状況を地図に落とし込み,クリアファイルを防鳥ネット,毛糸を侵入防止柵に見立てて対策のシミュレーションを行いました。実際にカメラ映像で鳥獣が確認できたこともあり,意見が飛び交い活発なワークショップとなりました。
今回の勉強会が鳥獣被害対策の一助となり,「河北せり」産地のさらなる発展につながればと思います。