平成25年3月8日に,栗原農業士会 栗原地域農業研究会が開催されました。(参加者10名)
水稲や大豆等の土地利用型作物を主体とする当管内の農業が,今後経営体質を強化するためには,水稲や大豆等と作型や収穫時期が競合せず,収益性の高い土地利用型園芸作物の導入が必要であると考えられます。今回の研修では,産地事例を情報収集し,知見を深めようと開催されました。
講師は加美よつば農業協同組合営農販売部園芸課課長 早坂多悦氏と小松史郎氏を迎え,加工・業務用野菜による産地づくりについて,これまでに実践支援してきた内容について講演いただきました。
加美よつば農協では,旧中新田農協時代に,加工・業務用野菜としてキムチ用白菜の出荷を開始しました。 平成11年の加美郡内4農協が広域合併後,地元に浅漬けを主体とする加工業者の進出を機に,地場産青果物を加工用原料として提案することで,年々取扱量を増やしてきました。現在,加工・業務用として,白菜,キャベツ,加工用トマト,玉ねぎ,大根,にんじんの生産が拡大傾向にあります。
また,生産者と実需,流通関係者との連携を常に図り,通いコンテナによる流通コスト低減や生産者の労働負荷軽減,規格の簡素化によるロス品の軽減などにつなげているほか,生産者毎の栽培管理表の作成,新たな商品開発,パッケージの工夫,商品の普及宣伝など,産地のブランド化と知名度向上にも大変力を注いでいます。
併せて,普及センターからは,プロジェクト課題「標高差を活かしたキャベツのリレー出荷体制の確立(H23~H24)」で行ったキャベツの出荷時期の多様化に向けた実証試験の成績を情報提供しました。
農業士会員からは,「非常に刺激を受けた,情熱を感じた」「当農協職員にも聞いて欲しかった。」「我々ももっと行動しなければ」などとの声が聞かれ,研修会後の講師を交えた懇親会においては,今後の栗原農業を考える話題で話が尽きないようでした。
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0228-22-9437
FAX:0228-22-5795・6144