前回の地滑り現場をみてから2週間が経ち、ハザードマップを持って地形を巡る市民教室の二回目は糸魚川静岡構造線と中央構造線が交差する諏訪地方に5/28㈰にやってきた。もともと中央構造線があった上に、糸静線が横ずれを起こし、地面にぽっかり数百メートルの穴が開き、そこに周辺の土砂が流れ込んでできたのが諏訪盆地/諏訪湖、これを横ずれ堆積盆というのだそうだ。
最初に訪れたのは上諏訪駅から数百mしか離れていないのに、辿り着くのにグルグル回ってようやく着いた茶臼山の段丘上。すぐ下に上諏訪の駅があるのだが、糸静線に断崖絶壁の上だ。
断層崖を徒歩で斜めに下り、いかに断層崖が急か思い知る。
急な崖から今度は真っ平な諏訪湖の湖畔へ。ここは数十年前に埋め立てられた湿地帯で葦の原が広がっている。長い年月をかけて断層の切れ目に数百mもの土砂が貯まっているので、水分を含んだ土砂の為、超軟弱地盤で地震時には液状化が起こり、揺れも激しいのだそうだ。
で、参加者が付近に不思議な赤い看板を発見。
立ち入り禁止、火気厳禁、連絡先スワガス????
堆積した地盤に溜まったメタンガスを地下水と共に汲上げ、水とガスを分離していたガス田の跡。今は使われていないが、高度成長期までは諏訪地方のガスはこの辺りから採れていたらしい。そう言えば、諏訪湖の湖面に時々ガスの泡が浮いてくるのを見たことがあるような気がする。
平らな所から、今度は茅野側の断層崖へ。2001年に断層崖と直交する下馬沢の上流で地滑りが起き、その下流の扇状地が被害を受けた場所。諏訪神社上社のすぐ近くである。今は河川改修が終わっているが、この沢全体を土石流が流れてきたことを想像すると、空恐ろしい。
さらに沢の横には、小袋石(おふくろいし)の案内板が
沢横をしばし登ると、ミニ御柱を立てた洞の向こうに大石が見える。
こんな大きな石が斜面の途中に止まっている。かって2001年の土石流を何倍も上回る土石流で流れ着いたものなのだろうか?
岩の種類は泥岩。かって海底に流された砂礫が圧縮され固まった岩が、山の上から転がってきたわけだ。
こんな物が地響きとともに転がってきたら、、、、ひょっとして、諏訪大社ができたのは、このような自然災害とも関係しているのだろうか??
帰り道、扇状地の端を通ると、林間に見たことのある建築物、藤森照信の高過庵がチラ見えした。水害でも水からは逃げられそうだが、あんな大石が流れてきたらアウトだね。
と午前中の見学はこれで終わり、昼食後の記事はまた明日UPで。
見学した地点は下図をダブルクリックで。