昨日の衆議院予算委員会の質疑のテレビ中継を見ました。
鳩山政権の質疑への返答は政治家に限ったこと、自民党側が「質問取り」を拒否したこと、そして大島幹事長、加藤紘一元幹事長、町村元官房長官と言う大物に加えて若手随一と言われる後藤田正純さんを投入したこと、そして与野党逆転の始めての緊張感溢れる質疑で私も始めて午後1時から5時頃まの質疑の様子を見ました。(質疑の内容については一部読売、産経の記事(青字)を引用しました。)
・自民党の作戦
細かい政策論議は避け首相がこだわる「政治主導」「友愛」などのキャッチフレーズを挑発することで首相の足元をすくう作戦に出た。だが、首相は「我慢」と「守り」に徹した。
・大島さん
菅さんの「官僚は大バカ発言」、西松建設の違法献金事件を「国策捜査だ」発言の批判のほかは、党の公約について細かい質問はなく後で質問者に譲るのかと思いました。
・加藤さん
鳩山一郎さん以来の首相の在り方についての昔話を長々、そして「首相の責任は重い」と鳩山さんを追及したかったのでしょうが、鳩山さんは加藤さんの話しに感謝して終わり。
鳩山さんの「友愛」に就いてどう考えるかについて、各大臣を指名して考えを聞きました。
この質疑のやり方はユニークでしたが、結局、加藤さんが何故これを訊いたのか私にはその意味が判りませんでした。
加藤さんがこの各個人に質問形式をとるのだったら、憲法やアフガン問題を取り上げ、鳩山さん、 (右寄りと言われている)前原さんに加えて、 (社民党の)福島さんにどう考えるかを質問してその違いを明らかにすべきだったと思うのですが。
加藤さんの話しを聞いているとリベラル派と言われるだけあって、まるで民主党政権を応援しているのかと思われる発言が多いのに首を捻りました。 (毎日が同じような趣旨の社説)
私は、テレビに一番露出度の多い予算委員会の加藤さんを筆頭理事に選んだのはミスキャストと思うのですが。
・町村さん
米軍普天間飛行場の移設問題を「ブレがすごい。首相の一言一言も軽い。閣内が一致しているか考えたことあるか。沖縄県民が不安になる」と批判。外交とは国益と国益が激しくぶつかり合う場だ。 (友愛は良いが)ソフトクリームのように溶けてしまわないように」と皮肉。
それに対して鳩山さんは「国民に不安を与えたとすれば注意したい」と応じじました。
町村さんはさらに、普天間問題に就いては米国との関係がぎくしゃくしているので早く結論を出す必要がある、一方沖縄県民の意志を尊重すると言うなら、何時政府の方針を出して、それに対する県民の意見を聞くのかとしっこく聞いたのに、 (余りしつこく質問、鳩山さんが同じ返事を繰り返すのでついうとうとしてしまいましたが、目を覚まして後まで)鳩山さんは確答しませんでした。
読売でこの問題を社説で取り上げているので、町村さんはこれでポイントを稼いだことになるのでしょう。
・後藤田さん
彼の番になってやっと鳩山政権の各公約への質疑に入りました。
然し、残念だったのは各閣僚の返答がほぼ判っているのに、その突っ込みが足らなかったことです。
例えば構想道路の問題で、前原さんの輸送のスピードアップによる経済効果があるとの返答に、何故それなら無料化をトラックに限らないのか、その他にも無料化をバスなどの大量輸送機関に限れば、批判の多い無料化に伴う温暖化ガス増加の問題解決になるのではないかと前向きの発言をすれば、自民党のイメージも上がるし、民主党のばら蒔き作戦の本質を突くことになると思うのですが。
前日の質疑で自民党としてポイントを稼いだ点
・上記の普天間問題の追及(読売、日経が社説で取り上げ)
・首相が衆院代表質問で「あなた方に言われたくない」と言い放ったことを「首相のセリフではないかの質問での謝罪
・菅さんの「官僚は大バカ発言」への釈明
・小沢さんの西松建設での「国策捜査」発言の謝罪
・鳩山さんの政治資金収支報告書虚偽記載問題にたいして今まで通りの釈明(産経が社説で取り上げ)
だけです。
そして全体的の評価として産経の、
首相の堅い防御を破れず、加藤氏は「与党として用心するようになってきたね」とやや不満顔。一方、首相は2日夕、記者団に安堵の表情を浮かべた。
「初めてだったから緊張したが、自民党の先輩議員の思いを拝聴し、よい勉強になった。国会論戦がよみがえるのはよいことだ
の記事ように、自民党は大物を揃えた割に、鳩山政権にかすり疵?を負わせた程度で終わったようです。
私はやはり自民党は前記の高速道路無料化問題のように、民主党の公約をもっと勉強してその問題点の急所を突き、それへの対案を示す事が自民党再生への道に繋がると思うのですが。
それともう一つ気になったのが議場での質問者以外の自民党議員の姿が少しもテレビに写らないことです。
加藤さんは 「本会議場での機関銃のような拍手はなんだ。あれ以来民主党議員の顔がみな同じに見えるようになった。」と批判していました。
私も本会議場での所信表明、代表質問のときの民主党議員の拍手喝采の状況を見て、つい大昔のヒトラーの演説に歓声をあげる大衆の姿を連想しました。
然し、本来勢いの良いはずの攻撃側に廻る自民党からの拍手も彌次もまったく聞こえなかったのはどうしたのでしょう。
それが自民党の作戦なら良いのですが、私が心配しているように、今になっても衆院選大敗でまだ落ち込んでいるとしたら、今はその時ではないと思うのですが。
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