昨日の読売新聞(web版)の、西鉄、バス事業をリストラへ…高速割引が打撃 では概略次のように報じています。
国内最大のバス会社、西日本鉄道(福岡市)が、2010年度に過去最大のバス事業のリストラに踏み切る方針を固めたことが17日、明らかになった。
計画によると、運行を維持できないほどの赤字が出ている40~50路線の減便か一部区間を廃止が中心となる。高速バスについても全33路線を30程度に減らす。
これに伴い、毎年延べ約300人採用していた運転手の募集を近く停止する。09年度の採用人数は150人程度に半減し、10年度は募集しない方向だ。
西鉄のバス事業は、高速バスで収益を上げ、路線バスの赤字を穴埋めする構造。大規模な合理化に踏み切るのは、高速道路の自動料金収受システム(ETC)割引で高速バスの収支が急速に悪化し、路線バスの赤字を補えなくなったためだ。
西鉄バスの運行地域に住んでいる私も同会社への批判もたびたび聞いていますし、車を持たない私にも同社のやり方に不満な所ももあります。
しかしその西鉄は恐らく他のバス会社と同様に、記事の中にあるように「運行を維持できないほどの赤字が出ている路線」でも運行を続けているのは、企業の儲け中心の批判を避けることもありますが、公共事業を行う会社として地域への配慮もある様です。
然し読売が指摘するように休日に限った、高速道路の千円乗り放題がバス会社に大きな損害を与えていること、そしてその結果、車を持たない高齢者が高いタクシー利用を余儀なくされるなど大きな影響を与えているのです。
鳩山さんの友愛精神から言えば高速道路無料化で地域の高齢者をイジメルなど考えられないことです。
しかも、それに伴う300人の運転手募集の停止は、鳩山政権の緊急対策の雇用増加の方針とも反することになります。
前政権での休日1000円乗り放題でもこれだけの打撃ですから、政権の言う正月前後を除く一年中の高速道路無料化がなればバス会社の打撃は図りしれないと思います。
バス以外の大量輸送機関の被害も大きいようです。
JR各社は「無料化されれば年間約750億円の減収になり、廃止される路線も出てくる」と言い、フェリー業界でも、ETC割引の導入後、瀬戸内海の5航路が休止や廃止に追い込まれているそうです。
私の地域で言えば、北九州市と阪神地区を結ぶ長距離フェリーを運航している阪九フェリーが、保有する大型フェリー2隻の売却を検討しているそうです。
それに鳩山さんの言う温室効果ガス25%削減のためには、列車やバスやフェリーなどの大量輸送機関の有効活用が遥かに有効なとことは誰にでも判ります。
このようなことが分かりきっているのに、財政が苦しい中で6000億円も投じるなど少しピントが外れているような気がします。
私は財政が苦しいのなら、高速道路無料化は(少なくとも取り敢えず)バスとトラックに限れば良いと度々書いてきました。
然し今日の朝日新聞を見ると、国土交通省の政務三役は、来年度実施する高速道路無料化の試行区間から、東名高速と名神高速、本州四国連絡橋を外す方針を固めた。(最も)国交省が要求している来年度の社会実験予算6千億円は削減される見通しで、ほかの多くの区間も無料化の対象外となる可能性がある。と書いていますが。
[ボロが出始めたか鳩山政権]
昨日のテレビをぼんやり見て居ましたが。
・暫定予算廃止と環境税設置の期間設定に関して、こんなことしていたら民主党のマニフェストの目玉政策が皆無くなってしまうとの民主党の政務三役の一人の発言
・藤井財務大臣がの子ども手当ての所得制限容認とも取れる発言に対して鳩山さんが公約遵守として否定
・蓮舫さんが出演しているところで、事業仕分けでのスーパーコンピューター開発やGXロケット中止などの批判、彼女は上部機関で政治決断をする筈と苦しい答弁。
・民主党寄りと見られているテレ朝の「報道ステーション」で日本の株価だけが何故あがらないかに就いて、外国の投資家が鳩山政権が明らかな経済政策を示さないからだの解説。
高速道路に関して書いたような様な常識的なことが出来ないことや、無料化に基づく公共交通機関への手当に就いて何も報道されていないことなどを考えると、選挙目当てのばら蒔き政策のぼろが出始めているのかも知れません。
それにしても最近の鳩山さんの発言は首を捻ることばかりですね。
普天間基地の問題でも、鳩山さんの発言と違った方向に進んでいるようです、子ども手当ての問題もどうも藤井さんの言う方向に進みそうだし、鳩山さんの言う事より政務三役の話の方が正しく信用できるような気がするのですが。
こんなことで鳩山さんはリーダーシップを発揮出来るのですかね。
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