普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

菅政権の「政策コンテスト」の目的は?

2010-07-29 15:06:36 | 菅内閣

 テレビで特別枠について「政策コンテスト」を公開して行うと言う放送を見て首を捻っていたところ、早速新聞各紙が社説でこの問題を取り上げていました。
 その中で、国民に人気が高かった事業仕分けの予算編成版ともいえるが、政治的なパフォーマンスに終わる懸念もぬぐえない。と簡単に触れただ産経以外の新聞の社説の該当部分を拾って見ました。 下線部は私の賛成部分、黒字は私の付記です。)
毎日新聞:概算要求基準 これが政治主導なのか 

 問題があるのが特別枠だ。「元気な日本復活特別枠」が名称で「1兆円を相当程度超える規模」にするという。趣旨が抽象的なのでほとんど何でも要求できそうだ。
 特別枠の中身は「政策コンテスト」なるものを公開で行い、国民の意見も反映させながら決めるそうだ。事業仕分け方式である。確かに、有識者や国民の声を聴き、公開の場で取捨選択することに意義のある場合もあるが、予算編成はどうだろう。
 予算を作る仕事を託されたのが政権与党だ。公約の理念に従い、自らの責任で選択し、政府の予算案を仕上げるのが筋である。各役所から上がってきた要求に○×をつける前に、特別枠で何をしたいのか具体的に示すべきだろう。
 政策コンテストの対象は予算全体のほんの一部に過ぎない。そもそも国民の前で説明し議論する場ならすでにある。他ならぬ国会だ。何でもかんでも体育館で議論しインターネットで中継するのが政治主導だとはき違えてもらっては困る。
読売新聞:概算要求基準 予算編成を人気取りに使うな
 (概算要求)基準を復活させたのは妥当である。だが、農家の戸別所得補償や高速道路の一部無料化など、昨年の民主党の政権公約に基づく予算が削減の例外になるなど、バラマキ体質は残ったままだ (コンテストの対象外)
 医療・介護や環境など、成長分野に予算を重点配分するための特別枠を設けるが、公開の席で優劣を競う「政策コンテスト」で配分先を決めるという。
 政治的なパフォーマンスが目立った「事業仕分け」に似た手法といえる。菅内閣の支持率低下を挽回する狙いもあるのだろうが、そうした場で冷静な議論ができるとは思えない。予算編成を人気取りの手段にしてはなるまい

朝日新聞:来年度予算―政策の優先順位を明確に
 予算配分の作業で、公開型の「政策コンテスト」を導入するという。
 このさい、民主党が政権交代時に掲げたマニフェストの目玉政策も政策コンテストにかけてはどうか。高速道路無料化、子ども手当、農家の戸別所得補償などだ。兆円単位の歳出増が伴うこれらの政策を古い工程表通りに実現するには無理がある。 (大賛成ですが民主党が自党の目玉政策は取り上げることはないでしょう。)
 国民に事情を正直に告げ、コンテストで既存政策と比べ、優先度の高さを決めればいい。
(乏しい予算の中から優先度を決めるのはそれこそ政府しか出来ない、そして一番大きな役割だと思うのですが。)。
[私の意見]
 この報道を聞いて直ぐ思い出すのは、「たかじんのそこまで言って委員会」、「たけしのTVタックル」それと消えましたが田原さんの「サンデープロゼクト」です。
 そこで与野党の議論を聴いていると、この調子なら国会の審議も上手く行くだろうと思わせることが多くありました。
 その理由は
・与野党の議員ともゴールデンアワーに放送されるため多くの国民眼に晒されているのでうっかりしたことは言えず、つい正論を出してしまうこと
・共産、社民を除けば与野党の議員の考え方に大きな差はない(もっとも民主党の場合は党に帰ってその正論が消えることが多かったようですが。)
・普通与野党の議員以外に評論家が参加しているし司会の田原さんがいるので、変なことを言えば直ぐ突っ込みが入ること。 (それで黙り込んで仕舞えば政治家として完全にアウトになる。それとNHKの政治討論会がまったく面白くないのと与野党議員の言いっぱなしになること。)
・司会者が中立か否かは別にして少なくとも与野党の代表者ではないこと。
などが考えられます。

政策コンテストをもしも行われるときの提案
・録画でも良いから多くの国民が見られるようにゴールデンアワーに放送すること。  (特に公共放送のNHKは政治絡みの朝鮮問題を放送する時間があれば、この様な国民に役立つ放送に回すべきです。)
・審判となる司会者は政府関係者や与党の代表者でなくて中立の人を選ぶこと。
 コンテストの審判を政府や与党の人達がやれば公平な結果は出ないのは当然で、各紙が政治的パーフォーマンスと批判が出るのはは当然です。 (勿論コンテストの結果を採用する否かは政府、与党の責任と権限です。)
・コンテストの仕分けされる側は、少なくとも政策の基本的な考え方を説明出来る政務三役。仕分け側は政権の方針に賛成、反対の人を(例えばマスコミの推薦などで)同数選ぶこと
・政策は朝日の言うように子ども手当てとか、農家の戸別所得保障などの民主党の目玉政策も取り上げて欲しい(然しこのような問題のある項目は政府が始めから対象外にしています。)
 私の提案は理想論ですが多分その通りには行われないでしょう。
 何故なら新聞各紙が指摘しているよう、「政策コンテスト」は政権の支持率アップのため、「事業仕分け」の二匹目の泥鰌を狙った、新聞に指摘されるまでもなく見え見えの「政治的パーフォーマンス」だからです。
 その「事業仕分け」は「基本的な理念のないまま」科学技術予算などを大幅に削って大きな批判を浴びましたが、「政策コンテスト」もその二の舞にならぬようにすべきだと思うのですが。

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