普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

厚労省の政務三役の指示への評価1%

2010-08-02 07:37:14 | 菅内閣

 長妻さんの肝いりで5月に発足した「若手プロジェクトチーム」の平均年齢33歳の職員34人が6チームに分かれて、業務効率化やサービス改善策について無記名のアンケート調査の結果が公表されて問題になっています。
 その詳細は判りませんが読売、朝日、毎日、産経の報道を纏めて見ました。
・長妻昭厚労相は省の目標で「おごりの一掃」の支持に関しておごりを感じる:政務三役48%、局長級6%、課長級6%
・「現実的なスケジュール感の観点から、納得のいく指示が示されている」という評価:政務三役1%、局長級以上29%、課長級38%
・「事実関係や政策的整合性の観点から納得のいく指示がある」;政務三役:2・9%
・「厚生労働行政に対する思いやビジョンが伝わってくる」:政務三役14.5%、局長以上31%、課長級29%
・読売、「速やかに相談できる」1・2%(目的語なし、多分政務三役)
結果を公表した若手職員のコメント
・「職員とリーダーとの信頼関係が構築されていない」と指摘。省内改革のため政務三役と職員のコミュニケーション向上や明確なビジョンの提示を求めた。
・同省のムダの多さを「メタボ状態」と指摘。タクシー券の使用が年間3万6000枚に及ぶこと、忙しい部署に人員が十分配置されていないために残業が生じ、その結果、券を使用する部署に偏りが生じていることなどを報告した。
[私の意見]
 厚労省の政務三役の長妻さん始め、細川律夫、長浜博行、山井和則、足立信也の各氏の経歴を見ますと、政治家、大学の教師、弁護士などなど、皆が見事と言って良い程に厚生労働の実務経験がなく、部下を持ったことがないか、極く少数の部下しか持ってない人ばかりです。
 そのように素人の人達が権力を持ち、いきなり多くの部下を持ったらどうなるかは、今回のアンケートが見事に示しています。 (元トヨタ自動車にいた直嶋正行さんが大臣。元建設省の松下忠洋さんが副大臣の経済産業省とは大違いです。)
 そして民主党政権が政治主導を唱えているのですから、彼らが官庁に入って張り切って何をやりだすのか、そんな上司を持った部下達が如何に悲惨なものか察するにあまります。
 彼らの上司としての未経験さは、長島さんの「局長以上を集めた朝礼で、今後の進む方向を申し上げている。所信表明も全職員にメールで配った」と戸惑い気味の発言になるのです。
 メールで所信表明を全員に送ればそれがそのまま部下に浸透することが出来れば話しは簡単ですが、そのような事がないのは部下を持っていれば判ることです。
 また報告会に同席していた長浜博行副大臣の「『おごっている』の意味が一体何を指しているのか。政治家は国民意識から離れている場合は選挙で負けるが、公務員にはそういった機能がない」と言う的外れの失言が出るのです。
 彼は上司として部下の言動を見ているのは当然ですが、部下が自分をどう見ているかを忘れていると言う、会社や官庁の常識ですら判っていない見たいです。
 まして「長妻厚労相、指示1000件超「細かすぎるの報道のようにに在任以来1年もならないのにこのような指示が出ていたら、煩すぎる母親の小言に不感症になり、反発を覚える子ども達が出るのは当然です。
 一方たまにしか叱らない父親の小言が子ども達に効き目があるし、たまの発言が子ども達の一生の教訓となることもあるのです。
 然し長妻さんにも良い所があります。
・一つは「ミスター検討中」と言われるほど慎重な進め方で、民主党の公約の大きな一つの後期高齢者医療制度について極く最近まで対策を発表しなかったこと。(その点では前原さんの就任早々の八ッ場ダム廃止に象徴される原則公共工事の一斉停止廃止のやり方と違います。)
・それと「若手プロジェクトチーム」の発足の様に省内の意見も取り上げようとする態度、そしてそのアンケートの結果が政務三役に対して明らかに不利で、マスコミの餌食になるが判っているのに公表したことです。
それで私の提案です。
・このアンケートが如何に頭に来てもじっと耐えて、貴重な教訓にすること
・アンケート中の提言は良ければ実行すること(提言の採用ほど職員の士気を高めるものはありません。部下から言われてやるのは癪だとか沽券に関わるなど考えるのは上司として完全に失格です。)
・政務三役の内数名は多くの部下の管理経験のある人を入れること
・今となっては遅すぎるが、先ず部下の意見を聞くこと(どこの企業でも新任の、しかもそれこそ全くの部外者が入っていきなり改革に取り組むなど聞いたことがありません。)
・改革はじっくり腰を据えてやること
・省内の職員のやる気を起こすこと(5名の政務三役が如何に力を持っていても、本省勤務の3200人の総合力に負けるのは当然で、それを活かさない手はないと思います。)
・職員のやる気をベースにして、一般企業でやっているように、自主的な改善活動を始めること
(それと舛添さんの時も言っていたのですが)民主党の売り物である社会福祉政策のベースとなる巨大な厚労省の政務三役に経験者の増員するか、厚労省自体を分割することも検討することが必要と思います。
 元々は国の安全保障政策に関心があり、(年金問題を除いては)社会保障に造詣が深いとはいえない長妻さんは、不得意分野については、その分野に精通する(実際は前記のように実務経験の全くない)副大臣や政務官とのチームプレーで乗り切る構えで、「大臣の権限を有効に使って霞が関の大掃除と再生に取り組む」と意欲を示した。だが、その手腕は未知数だ。産経新聞
より)と言われるように、まだあやふやの感が拭いきれませんが、その誠実さん期待して、なによりも先ず省内の職員のやる気を如何に発揮させるかが課題だと思うのですが。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治・人気ブログランキングへ