普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

原爆投下と日韓併合に関する首相談話

2010-08-09 15:28:50 | 菅内閣

[物事を真っ直ぐ見つめよう]
 私が参加している英字新聞輪読会で私の英文の読解力の減退に愕然として、いい年をしてまた英語の勉強を始めました。 (ヒアリングなどは最初からさっぱりですが。)
 その中で最近見た例文です。
All's fair in love and war is another way of saying that the end justifies the means .("恋愛と戦争は手段を選ばない"とは,”結果が手段を正当化する"の別の言い方である.)
  私がこのことを実感したのは広島の原爆死没者慰霊碑
が建立された時、その碑文に「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」と刻まれていることを知ったときです。
  これは普通の読解力を持つ日本人なら、「原子爆弾と言う天罰を受けたことに対して天に謝っている」としか読めないからです。
  然し現実は日本は戦争の責任を問われて、国際法にも基づいていない戦勝者による極東国際軍事裁判
が行われ(一部の人を除いて)国内法・国際法に違反したことのない多くの人が戦争犯罪者として投獄、処刑された一方、この裁判では原子爆弾の使用など連合国軍の行為は対象とされませんでした。
 正にthe end justifies the means.がそのまま行われました。
  然し日本は降服文書やボッダム宣言を受諾した以上その結果を全て受け入れるしかありませんでした。
 これは日本として仕方ないことですが、一番の問題はこのことから日本人の一部の人達(特に左かかった人達が)ものごとを真っ直ぐに見る習慣が無くなったことです。
 軍事裁判の判事を勤めて唯一日本側に有利な判決をしたインド人法学者のラダ・ビノード・パールさんは、碑文について「原爆を落としたのは日本人ではない。落としたアメリカ人の手は、まだ清められていない」と、日本人が日本人に謝罪していると解釈し非難した。
  日本人の私は天に向かって謝罪していると読みましたが、ハルさんの解釈もごく常識的なものです。 (碑文については日本語の特徴で主語も補語、目的語もないことが論議を産打のですが。)
  原爆投下の米国の責任は極く最近の慰霊祭で触れられ初めましたが、完全な独立国になってから今までも日米同盟の名の事実上の軍事保護国であった日本、日本の経済発展を支えてきた米国への遠慮からこのことを口に出せませんでした。
  米国のやったことは明らかな戦争犯罪と言う人達は今でも右翼というレッテルを貼られる傾向が強いようです。
  然し事実であっても言えないことはあっても、事実は事実として知って置かねばならねば、大きな間違いを起こすことになります。
 また一部の人達は自分の主張にそぐわない事実には眼を瞑ってしまう傾向があるようです。
 それでは物事の本質的な解決にならぬのは当然です。

[国として言えないこと言わねばならないこと]
 言論が自由の現代ですので、一定の限度で何を言っても自由ですが、ことが国としての発言になると、言って良いこと、言わねばならぬこと、言ってはいけないまたは言わない方が良いことがあると思います。
 今回の広島の平和記念式典に、始めて原爆を投下したアメリカの代表としてルース駐日大使が参列して人々に大きな転換点を迎えたのを感じさせませた。
 参列した彼の本心は判りませんが、彼は表向きには米国の原爆投下は正当だっと言う立場を取っているそうです。
 日本人としては釈然としませんが、”the end justifies the means.”の世界の常識に従って、自国の利益を護るためには、こう言うしかないのでしょう。
 日本も目前の29日の日韓併合100年に関する首相談話の発表に就いて問題になっています。
 また仙谷由人官房長官が新たに個人補償を検討する考えを表明したことには「昭和40年締結の日韓基本条約とそれに伴う合意で解決された問題のはずだ。それを不用意に蒸し返すことは間違っている」と言う批判もあります。
 日本としては「結果が手段を正当化する」とは逆という厳しい立場で、日韓友好のためには日本側に有利な主張があっても、国として言えないこともあるかも知れません。
 然し事実は事実として、しっかりした認識が無ければ、河野さんの慰安婦発言のように後々尾を引くことになります。
 日本は米国の原爆投下のように白を黒と言う必要もないと思いますが、米国大使のように自国の利益のためには、少なくとも韓国の人達の心情ばかり考えて、余計な発言をしないようにして貰いたいものですし、個人保障の問題も既に決着が就いている事実はしっかり押さえて置くべきだと思います。
  日本人なら「相手がこれだけへりくだっているのだからこちらも譲らなければ」と思うでしょうが、外国人、特に反日に凝り固まっている多くの韓国人は、それを言質にとって韓国の立場をより優位にしようとするのは、「慰安婦発言」のあとの韓国の反応を見れば良く判ることです。
 本来ならば自民党が主張するように余計な発言をしない方が良いと思いますが、今となっては引っ込みがつかないでしょう。
 どうか発言しても日本の不利益にならないような、先日書いたNHKの放送の様に相手国の立場や感情ばかり考えずに、事実を踏まえたしっかりとした、少なくとも日本にとって不利にならないような発言をして貰いたいものです。

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