普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

 女子マラソン優勝の原選手とゼッケン No.83の男子選手

2010-08-31 06:41:55 | ちょっと良い話

 一昨日の北海道女子マラソンで原裕美子選手か優勝しました。
 32キロ手前で並走していた宮内宏子選手を振り切って、原さんの独走状態になりました。
 いや正確に言えば原選手についている選手がいました。
 平行して行われていた男子マラソンの選手です。
 ゼッケン No.83。
 北海道大学構内に入る手前で原さんはサングラスを捨てました。
 苦しそうな顔、マイクに入って来る激しい息づかい、多分もう一杯一杯になっていたのでしょう。
 まだ余裕のありそうな男子選手は原さんと就かず離れず走り、彼女が給水を取りやすいように、カーブでは彼女が最短距離を走れるようにその位置を変えていました。
 原さんの勝利がはっきりして、私の興味は原さんがゴールした後の二人がどうするかに移っていました。
 二人は並走の状態でゴール。
 そして二人の握手、原さんの「有り難うございました」の言葉。
 それから原さんの涙のインタビュー。
 レース中の解説によると、名古屋国際を初マラソンで制し、世界選手権にも2大会連続で出場の栄光の時代→京セラを退社→栃木の実家に戻る→有名なマラソンの小出義雄さんのクラブに加入とう波瀾の選手生活を送ったそうです。
 そのような彼女にとって、苦しいレース中の男子選手の並走はどれだけ心強かったか、有り難かったかも良く判ります。
 男子選手がトップを走る女子選手と並走することは、男女同時に走るマラソンで良く見かける光景です。
  然し男子選手のゴールまでの並走は私の記憶では始めてです。
 その時の男子選手の気持ちは推測するしかないし、レース後にその男子選手が同輩達から(テレビで長く映って良かったななど)揶揄されるかも知れませんが、それを承知で、自己記録更新の希望を捨てて女子選手のにサポートに廻った男子選手には、程度はともかくとして何らかの善意が働いているのは間違いないと思います。
 たまたま同じ日に日本テレビ恒例のチャリティー番組「24時間テレ 愛は地球を救う」を放送していました。
 何でも「有り難う」がテーマらしくてタレントが各地で「有り難うと言いたい人は誰か」と訊いて廻っていました。
  勿論この企画は日本テレビの善意から出ているもので、評価すべきでしょうが、最初から企画され方針で一般の人に「有り難う」と言わせるタレント、取って付けたような「有り難う」の連発、視聴者そこのけで盛り上がる出演者など見ていると、つい引いてしまって直ぐスイッチを切り替えました。。
  私が見た北海道女子マラソンの場合は、大会関係者が意図しないところで起こったハプニングでした。 (勿論私が勝手にそう思っただけかも知れませんが。)
  とにかく原選手の優勝へ向けての頑張り、彼女を支えるゼッケン83番の男子選手、二人の握手、そして原さんの彼への心からの「有り難うございます」の言葉。
 原選手優勝おめでとう。
 久しぶりに心温まる爽やかなシーンを見せてくれた83番の男子選手ありがとう。

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