昨日エントリーした「もし小沢さんが首相になったら」を書く前にネットで資料を探していたら、石原慎太郎さんが07年9月号のWILLに書いた「小沢総理なんてまっぴらゴメンだ」 と言う記事の一部の紹介記事を見つけました。
その記事の趣旨は小沢さんへの批判ですが、石原さんが自民党時代に自分の眼で見た、表記に関する内容を取り上げてみました。 (小沢さんへの批判の記事は上記をご参照下さい。)
・(田中角栄さんが)金権で倒れた後も、角さんの作った田中派、「経世会」は、自民党すなわち日本の政治を牛耳ってきた。そのもとで一番、勝手気ままなことをした金丸信という人の庇護の下で、30代で幹事長をつとめ、自民党を壟断してきたのが小沢一郎です。 (ご存知の方もおられると思いますが、若い小沢さんの所へ政治資金を貰いに来る派閥の領袖たちが列をなしていたショッキングな写真を今でもおぼえています。)
・日本とアメリカの関係の中で、日本をアメリカの経済奴隷にしたのは誰か。金丸・小沢じゃないですか。
大都市はともかく、地方都市の商店街はほとんど潰れてしまった。そして代わりに郊外に大店舗が出来た。私は自分の選挙区での体験から、こんなものを作ったら商店街は駄目になるとわかっていたし、多くの者が反対した。アメリカの圧力のままに、大店舗法なるものを改悪し、商店街を潰したのは金丸、小沢です。
それから、やっちゃいけない日本とアメリカの対の経済構造協議というのをやった。
アメリカは日本の経済に押されて具合が悪くなってきたので日本をとっちめてやろうと、安保条約で恩に着せて、自分達が軍備を使って日本を守ってやっているんだから言うことを聞けといって、バイラテラル(2国間)の経済構造協議をやることになった。
私達は大反対しました。案の定、アメリカは270項目の要望を突きつけてきた。
私はそれに反対して、140項目の反対案を作った。私が主宰している黎明の会という政策研究会のメンバーには、今は自民党を離れてしまった亀井静香くんや平沼赳夫くんがいました。
そして私達がそれを発表しようと思ったら、自民党の最高議決会の総務会が4回潰された。小沢幹事長が命じたんです。会期末だったので、そのまま国会は閉幕。
・それをいいことにアメリカが何をやってきたか。毎年、日本はアメリカから年次改革要望書というものを突きつけられている。ああしろ、こうしろといろいろなことを言ってくる。
金丸・小沢が牛耳っていた頃の自民党の歴代の大蔵大臣はたいした危惧も持たずに「ビッグバン」「ビッグバン」とはしゃいで金融の自由化をしました。
今どうなっているか。ヘッジファンドがどんどん出てきて、日本の会社を買い占めて売っている。ハゲタカファンドが日本で好きなことをして儲けている。こんなことを許したのは誰かといえば、小沢一郎じゃないですか。
・そして1991年に湾岸戦争が起きた。プレディというアメリカの財務長官が日本に圧力をかけに飛んできた。アメリカにはカネがないから、日本はカネを出せと言いに来た。
当時は傀儡政権の海部政権、これは金丸と小沢が作った内閣です。
ブレディは日本に4~5時間しかいなかったのに40億ドルせしめて帰ってきて、ワシントンで記者会見をした。 (それに小沢さんが関わっていたと言う裏話は省略)
その後、さらにアメリカは90億ドルを要求してきた。さすがにこれは内閣の一存では決まりませんから、9月に臨時国会を開いて、結局、合わせて130億ドルを出してアメリカの戦争を助けた。
(日本は米国の要求に従った貢献の評価は、アメリカを中心とした参戦国から金だけ出す姿勢を非難され、クウェートは戦後、参戦国などに対して感謝決議を出したが、日本はその対象に入らなかった、その理由は130億ドルの大半は米軍に廻ったためとされているそうです。そんな馬鹿な話しってあります。)
・小沢・金丸は何をやったんですか。アメリカに約束した8年間に430兆のカネを無駄遣いして日本の経済力を弱めた。
430兆のカネを使って何をやったか。沖縄の経済需要の全くない島に5万トンのコンテナ船が着くような港ができている。
北海道で熊や鹿しか出てこないようなところに道路を作った。その先に街なんかありゃしない。そういう馬鹿なことをやった。みんな国民の税金です。そのため国債も発行した。それで日本の財政はガタガタになってしまった。
いまだに670兆という厖大な国債がある。あっという間にイタリアの倍の国債依存率になってしまった。この体たらくを作ったのは誰なんですか。
[私の意見]
石原さんは、小沢さんは米国の言いなりになっていたと言っています。
然し公平に見て、この記事は07年9月に書かれたもので福田内閣の時代ですから、小沢さんが自民党を去ってから小沢さんの影響下にあると言われる、細川、羽田政権を除いて、彼の影響が全くない橋本、小淵、森、小泉、安倍の政権も、石原さんの指摘した問題に責任があると思います。
その最たるものが小泉・竹中ラインです。
小泉政権の高支持率を背景に、米国一辺倒、当時批判の多かった米国の年次改革要望書の丸呑み、米国流の市場中心主義・自由主義経済の受け入れ、米国のガセネタに乗ったイラクへの自衛隊派遣などなど強引に進めました。
私は安倍政権に小泉改革の推進ではなくて、少なくも見直しとすべきと書き投書もしました。
事実は小沢さんから改革の負の部分を突かれて、参院選大敗から政権交代になりました。
日本は石原さんが言うように、安全保障も米国頼み、経済も米国依存に慣れて、何でも米国の言う通り、政治家としては当然の、自分の頭で日本のことを最優先に考える習慣が薄れているような気がします。
民主党政権になっても変わらないのが、鳩山さんの普天間基地の発言が米国の当然の要求でころりと意見が変わったこと(こればかりは米国より日本側の責任)、韓国人の強い攻撃性など性情を考えない菅さんの韓国への不適切な謝罪談話です。
そして今回の戦後最大の円高に対して、野田財務相は24日の会見で、市場介入について「コメントしない」と述べるなど、介入について明言を避けてきた。しかし、市場に「政府は思い切った対策を取らない」との見方が強まり、逆に円高を加速させる結果となった。と言われています。
その無策の原因はテレビではドル安を容認している米国への遠慮があるのではないかと言う人までいます。
日本は中国など新興国の急激な発展に伴う、競争力の低下と国民の収入の低下など、今までと大きく変わった経済環境の中で、いつまでも止まらないデフレなど、国難とも言うべき未曽有の難しい時期に直面していると思います。
いまこそ日本の政治家、それに今や日本の政治に大きな影響力を持つマスコミも、他国への気配りはそこそこにして、先ず日本の利益優先を貫くように、そして自分たちの頭で考えるべき時代になっていると思うのですが。
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