普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

劉暁波氏のノーベル平和賞受賞と中国

2010-10-09 09:55:22 | 外交・安全保障

中国政府、ノルウェー大使呼び出し抗議
 民主活動家・劉暁波氏のノーベル平和賞受賞について、中国外務省の馬朝旭報道局長は8日夜、「劉暁波は中国の法律を犯して懲役刑を言い渡された罪人だ。そのあらゆる行為は、ノーベル平和賞の趣旨に背くものだ」とする談話を発表し、強く反発した。
  言論を抑圧する中国の法律こそ「ノーベル平和賞の趣旨に背く」ものです。
 ロイター通信によると、中国政府は同日、ノルウェーの駐中国大使を呼び出し、抗議した。
 
これには書いてありませんがノルウェー中国大使は「ノーベル賞委員会は政府とは完全に独立した組織だ」と、中国の抗議を無視したそうです。
 また別の報道では、中国の外務次官がノルウェーを訪れ、劉氏に平和賞を授けないよう、ノーベル賞委員会の事務長に政治的圧力をかけていたそうですが、何でこんなことまで外務次官がノルウェーまで出かけねばならぬのでしょうね。
 同日午後、(何時ものように中国に都合の悪い)受賞の模様を伝える外国テレビ放送の放映が中断され、テレビ画像が真っ黒になった。

「大国にひるまず」全会一致…ノーベル賞委員長 
 ノルウェー・ノーベル賞委会の委員長は8日、ノーベル平和賞を中国の民主活動家・劉暁波氏に授与することは、同氏の有罪判決が確定した段階で「不可避の状況になっていた」と述べた。さらに、委員会が全会一致で劉氏への授与を決めたことを明らかにした。
 委員長は「相手が大国だから、委員会がひるんだと見られることは許されなかった」と述べた。また、「中国は大国となった。米国がそうであるように、大国は議論と批判の対象になることを知るべきだ」と注文をつけた。
 民主活動家が平和賞を受賞すると、当該国の政府がかえって抑圧を強める「負の影響」も指摘されるが、「そのことはいつも考えている。だが、平和賞があるからこそ、(活動家が)守られている側面もある」と訴え、賞の意義を強調した。

・中国はまた非暴力を訴えるチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマさんのノーベル賞受賞にも反対して来ました。
・中国の専制政治に対する批判はマスコミやネット上に多くされていますし、私もほぼ同意見なので省略します。
・然し委員長の言う「相手が大国だから、委員会がひるんだと見られることは許されなかった」と言う言葉は尖閣諸島問題に直面している日本人としては(情勢が全く違いますが、政府が全て責任を検察におしつけるなど民主党政権に比べると)何となく心に引っ掛かる言葉ですね。
・ノーベル平和賞は今まで政治的な要素が強すぎるようですが、委員会の主張が何らかの形で世界の民主化や言論の自由の推進に可なりの影響を与えているのは間違いないと思います。
・私は中国の独裁政府は、元、明、清に続く専制政治の(君主が世襲でない)王朝のようだと何度か書いて来ました。
 この様な王朝は北朝鮮と同様に、今のグローバル化したネット世界でどれだけ続くのでしょうか。
 北朝鮮は余り長続きしないような気がしますが、共産党王朝が元、明、清のように百年単位で続くのか、あるいはもっと短命で終わるのか短くなるのかどうでしょう。
・日本は小沢さんのように一方的な参勤交代染みた大訪中団の引率(中国と対等な外交を求めるなら、同じ性質を持つ同数の訪日団の派遣を中国に要請すべきです)、鳩山さんのような博愛の海、東アジア共同体など理想ばかり考えた外交、菅さんのように謝れば、譲れば済むと言う外交でなく、政府の思うままに人民をコントロールしている専制国家相手、しかも菅さんの言うように少なくとも経済では互恵関係を保たねばならぬ相手にどうすれば良いかもっと真剣に考えるべきだと思います。
 素人目で見ても少なくとも一本芯の通った虚々実々の粘り強い外交が必要なような気がするのですが。
 心配性の私が心配するように中国の独裁政府が今後百年単位で続くかも知れないのですから。

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