普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

今の経済状況から抜け出すために(2)超円高・大震災・膨大な国債

2011-08-23 16:42:59 | 外交・安全保障
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 前回は表記のタイトルで、「非正規社員の今と昔」に就いて書きました。
 今日はいよいよ本格的な対策なので、素人の手に負えませんので、経済金融の評論家の意見を元に考えてみました。
 その内容の内、筆者の考える対策と、それに対する私の意見を付け加えました。
 何しろ素人が書くのですから、間違いも多いと思いますので、忌憚のないご意見をお待ちしております。
[学者・識者の意見
・楽天証券経済研究所客員研究員山崎 元さんの流動性の罠」とどう付き合うべきなのかの結論です。(*注記)
「穴を掘って埋める」公共事業ではなく、社会的再分配を需要拡大及びインフレ誘導に利用する方法だ。
 たとえば、国民全てに現金を配る方法(ベーシック・インカム)や減税、あるいは「負の所得税」に、中央銀行の金融緩和を組み合わせるなら、民間支出の拡大と共にインフレ期待の醸成が望めるのではないか。

 その期待がインセンティヴになって国民が金を溜めずに使うというのです。
ばら蒔き4Kの民主党の喜びそうな意見ですが、実際的に考えると、一人1万円程度では定額給付金や子ども手当てのように効果は殆ど無いので、10万として全国民に総て渡すと13兆円、5万円として6.5兆円、これに5年で19兆以上の復興国債、従来からの50兆円近くの赤字国債、毎年1兆円を越える福祉関係の費用を考えると膨大な国債を発行しなければなりません。
 それにスタグフレーションと言われている今でも物価の上昇な悩まされているのに、今度は本格的にインフレーションになれば、ばら蒔きの効果はかなり減って来ると思います。
・池田信夫さんは財政政策で円安にできるかで.
・国債の発行、その日銀の引き受け、100兆円程度ではでは円高は止まらない、
・同じ金を使うのなら、為替介入をし、得たドルを運用すれば良い。
・国の財政の破綻に起因する悪政のインフレになれば、金利上昇では収まりが就かなくなるだろうと言っています。山崎さんの言う人為的なインフレを人の手でどの程度に上手く押さえられるかと言う難しい問題に遭遇するかも知れません。
・ノーベル賞経済学者のアマル・ビデさん
 ギリシャ債務危機にたいして、各国政府が国際信用市場で無責任な借金を重ねるとしたら、相手方として、無責任な貸し手がいるはずだ。銀行規制機関は、すでに監督下にある金融機関に対して、そういう融資をするなと言えばいいのだ。と言っています。
私もリーマンショックの時に日銀の金融緩和も良いが、彼の言うように緩和政策の効率化を図るために金融機関へのフォローを何故しないのかと素人考えを書いたことがあります。
 それに震災以後の日本にも当てはまると思うのですが、これが出来ないのは素人では判らない何らかの障害があるのでしょう。
 次は週刊朝日の今週号でみた意見です。
・堺屋太一さん:規制緩和、農業、漁業などの分野にも誰でも入れるようにしろ、TPP参加、官僚がやることの反対をすれば良い
・竹中平蔵さん:積極財政、増税に財政債権の中間の政策を取るべき、規制緩和すべき
・大田弘子さん:大震災をデフレから脱却、経済復活のチャンスにしよう。そしてその徴候が見えたとして、資金需要を引き締めて逆戻りしないこと
 上記の文章を読んで先ず気づくことは、有識者や学者の文章では現状の分析が紙面の大半を占め、その具体策はごく本の数行か、紙面のごく一部を埋めていないことから、現状を脱却するのがいかに難しいかわかります。
「私の感想]
 今後の難しい健在環境を乗り切って行くには、私のような素人でも考えられる大小の対策を確実に一つづつ進めることしかないと思います。
・復興対策に就いては大田さんの言うように、思い切って一度に大量の国債を発行し、復興に向けて大量の金をつぎ込むこと(極端に言えば流出した漁船の製造費用の補助や無利子の貸し付けなど)
・そしてそれに伴う景気動向、他国やヘッジファンドなどの大金融資本、株価、円の動向などを見極めてて今後の方向決定の参考にする
・勿論、復興に当たっては地もとの企業や日本の大企業の使用を優先する(他国の安い労働力や製品の利用を制限する。)
・農業・林業・漁業、流通業などの生産性向上に努める、そのための規制緩和による大企業の参加、逆に第一次産業の人達の工業、流通業への参入できるように支援する
・一般企業に比して大きく遅れている国会・官庁・地方自治体・大学などの公共機関の合理化を徹底的に進める。
 事業仕分けなど見てくれよりも地道に、例えば動作研究や書類の流れ調査など地道かつ確実に合理化を進める。
・国の会計制度を変えて、人件費、固定資産費などが国民の眼に触れるようにし、官僚の原価意識やモラルを高めるようにする。
 そして今まで一部から悪の根源のように言われている財務省を一般企業の経理部門のように合理化運動の中心にする。
・企業の競争力を減じるようなやり方、例えばムードに流された原発の削減→電力不足→企業の海外移転など避け、TPP・FTAなどに参加により少しでも競争力をあげる。 (そのために前述のように一次産業の生産性を上げる方向に投資する。)
・社会福祉政策も前向きなものにする。例えば成人病予防、癌の早期発展などのために思い切って予算を増やし、強制的に実施することにより、健康保険、介護保険の公的負担を減らす。 
 上記対策で未だ体力、能力とも十分にある(年金見合いで安い給料で採用できる)高齢者の有効活用を図る。
 出産・育児のしやすい環境を整えて人口を増やし、人的資源しかない日本の国力の低下を防ぎ、国内消費を増加する。
・経済活動も前向きに進める。
 かっての通産省中心で前向きに進めて来た「日本株式会社政策」を取り戻し、今までの防御から攻勢に転じる。
・韓国や今なお10数%の経済成長を遂げているシンガポールなどの国のやり方の良い所を(大国のプライドを捨てて)謙虚に学ぶ。
・人的資源のほかに日本を今まで支えてきた技術の進行をはかり、技術立国を目指す。
・一番の問題は、今や1000兆に近い国債残高、しかも減少どころか拡大の方向にすすむ日本では、時期は別として、次回の選挙落選や政権陥落をおそれずに思い切って増税をする。
 その本音を隠して、かっても自民党政権、今の民主党のようにいずれ景気回復したらなど言っておれば、国債の残高がいま以上に増加することになるでしょうが果たして?
 結局は占領軍による農地開放のように、財政再建のための増税は日本の政治家の手では永久にできないのでしょうかね。

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*注記:流動性の罠とは

 「金利が極めて低い状態に達し、消費者や企業、投資家にとって資金を現金で保有しようが、利付き投資で保有しようがコストに違いのない状態」を意味する。この状態に陥ると、中央銀行が市中銀行に通貨を供給しても、金利はこれ以上下がらないし、利子を生まない銀行準備預金が増えるだけで、新たな融資や投資には資金が殆ど回らなくなる。