6月17日の新聞投書欄に、作家の森村誠一さんの投書があった。
「開いた口が塞がらないとは、このことでしょう。3人の憲法学者が衆院憲法審査会に呼ばれて、安全保障関連法案を『違憲』としたのに対し、政府は『行政府による憲法解釈として裁量の範囲内』と反論しました。学者は黙れと言わんばかりです」。投書の一部ですが、森村さんに仰る通りと納得するのは私だけでしょうか。
集団的自衛権行使について、総理は、“国の存立と国民の権利にかかわる明白な危険があるときは・・・”といわれるが、そのことについての十分な説明が行われていないことにお気づきだろうか。また、国会答弁でリスクと言う言葉を多様されたが、どこに、どのようなリスクがあるかも総理からの具体的な説明は聞こえてこない。リスクとはなにか、素人でよくは分からないが単純に考えると「危険」ということだろう。
25日に自民党本部で開かれた安倍総理に近い自民党議員による勉強会に、講師として参加された作家の百田さんや党の役職にある議員の一連の発言をニュースで見て、森村さんではないが開いた口が塞がらなくなってしまった。
「沖縄の2つの新聞社は絶対につぶさなあかん」、「沖縄を懲らしめるために島の1つも外国にやるとよい」、「マスコミを懲らしめるためには広告収入がなくなるのが一番。経団連などに働きかけては」、「テレビのスポンサーにならないことが一番こたえることがわかった」等々。
安倍政権では、たびたびメディアを名指しした批判が問題になってきた。報道の自由の根っこにあるのは少数意見の尊重。反対の声を力で抑え込もうとする総理の姿勢が見え見えになったのが、勉強会のこれらの言葉ではあるまいか。
大多数の国民は戦後70年続いてきた平和の継続を強く望んでいる。そのために戦争にノーをつきつける。集団的自衛権の行使は戦争にも繋がりかねない、国の存亡にも関わりかねない重大なリスクといえる。
「国の存立と国民の権利にかかわる明白な危険(リスク)とは何か。それは一番偉い最高責任者である。」、森村さんの投書は最後をこう結んでいる。