行ってきました。大阪、十三で公開中の「妖怪ハンター ヒルコ」
こちら⇒第七藝術劇場で、公開中です。
すでに数回見ているので、わざわざ大阪まで行かなくてもいいかと、少し前まで思っていました。ところが先日の「キネマの神様」で豊中に行ったとき、阪急沿線の十三が、うちからは意外と遠くないと知りました。実際、 十三には最寄りの駅から、20分ちょっとで着いてしまいました。
十三の駅で降りたのは生涯で初めて。駅前は広場も無く狭苦しく、胡散臭そうな老人が所在無げにたむろしていて、近寄らんとこ(^^; 駅からすぐの細い路地にズラーっと沢山並んでいる、怪しげな飲み屋街に、これが噂に聞く大阪の十三。昔々の藤田まことの歌う「十三のねえちゃん」という歌を思い出しました(^^; 兵庫県民が上品と信じている阪急沿線にも、色々あるのねと知りました。
めざす映画館の第七藝術劇場は、大阪梅田の高層ビル街が遠くに見える方角にあって、こっちはどちらかというと飲み屋街よりも都会的な雰囲気。方向音痴の私は、スマホの地図を見ながら映画館を捜してウロウロ・・
上映時間前に辿り着けて、あ~良かった。駅から近いので助かります。映画館は、ビルの6階にありました。
気に入らないわ~ ポスターが。
ジュリー中心の91年版のポスターは売り切れてます。映画館にはジュリーファンらしき年代の女性の姿が多いので当然です。まさお君が中心のポスターは売れないと思うわ!
「鉄男」の絵コンテ本を買う人は、監督のファンですね。
壁に、リマスター版を記念した「映画秘宝」の記事が貼ってありました。
ホラー、しかもスプラッターホラーって、ジュリーが主演じゃなければ見に行っていないと思いますが、楽しめました(^^; 91年に公開した時は、さほど観客は入りませんでしたが、30年もたって新たにレストア&リマスターされるなんて、幸せな作品です。
映画は元町映画館で観て以来、5年ぶりくらいに見ましたが、始めて見るような気持ちで見られました。見やすい4時10分からの上映は今週金曜日までです。それ以降は時間が変わるかもね。
「ヒルコ妖怪ハンター」は、塚本監督の脚本です。今まで、何回も見たけど、映画館で観てきて思ったのは、脚本が良く出来ている、面白い!それまで見た時には、こういう感想はもっていなかったな(^^)
次々に予想外の登場をして、ジュリー演じる稗田を恐怖に陥れるヒルコ。スピード感溢れる登場に、撃退しても撃退しても、あの手この手でどこからか突然に登場し、ジュリーをヒィッ~~!!ギャ~!!と追い詰めます。応戦する稗田の攻防が、手作り感満載のポンコツ新兵器で、それが怖いエグイ血みどろ状態の中で、思わず笑っちゃうのよね・・・(^^ゞ
恐怖の真っただ中でクスリと笑わせ、ひと時の恐怖の間のお休みを作り出す。その緩急をつけた匙加減が絶妙で、怖い怖いだけじゃない面白さ。今までに何回も見ていたのに、初めて脚本が面白い!という感想をもちました。21世紀にリメークしたら、もっと簡単に黄泉の国や恐怖は演出できると思うけれど、手作り感がある恐怖が良く出来ていて、逆に真に迫ってきました。
え~っとこれは、スプラッター・モンスター・コメディ ホラーか(^^;
舞台挨拶でリモート出演した塚本監督によると、高名な映画評論家に当時、酷評されたそうだけど、何と言われたのか知りたいわ。「太陽を盗んだ男」のように、この作品も年月を経て再評価されていくのだろうか。
この映画を見ていて感じたのは、30年前の古さがあまり感じられない。現代の必須アイテムのスマホは無く公衆電話の時代だけど、舞台が閉ざされた田舎の小学校で、他には余計な情報が有りません。塚本監督自身の国際的な人気もあるのだろうけれど、純粋にホラーとして楽しめるエンタメ作品なので、30年後にレストア・リマスターされたのは、頷けるところがありました。
そして主演のジュリー。1991年の公開で初めて見た時、40を過ぎたジュリーは緊張感の無い人のよさそうな温かい笑顔で、嬉しそうにニマーっと微笑む(^^)。そこには残忍で冷たい四郎さま、酷薄な良ちゃんの面影はどこにもなくて、歌謡番組の短い3分間の舞台に、洗練された衣装を身に纏い、研ぎ澄ましたような緊張感に満ちた、計算され尽くした美貌のジュリーはどこに? 1991年の私は、まだ そんなジュリーを追い求め、忘れられないという現実があったの。
スクリーンの42か43歳のジュリーは、尖ったところが年齢なりに丸くなり、柔らかく温かい笑顔が魅力的で、丸い眼もと~っても可愛い❤ こう思えるようになるのに、時間がかった(^^;
ずーーっと10代のジュリーから見続けていたせいで、40過ぎたらジュリーも歳をとった感じてしまった。あんなに素敵だったのに。TVには次々に新しい顔が出てきて、お茶の間で鮮度が薄れるということもあり、ジュリーがTVという媒体から姿を消しリセットしたいと思うのも無理からぬことだと思います。