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塚本監督と「ヒルコ 妖怪ハンター」

2021年07月15日 | 映画

 


缶コーヒーのBOSSの新しいCMを見ていたら

出演者が多いな~

その中に

塚本監督が、CMにも登場していました。もう、れっきとした俳優で間違いないですね。今、TVから求められている、この年代の中では新鮮な顏なのかもしれない。次の作品を撮る資金集めも有るのかも?新作にはジュリーも呼んでください。

ヒルコ妖怪ハンター」は、監督の脚本でもあります。今まで、何回も見てきたけど、火曜日に映画館で観てきて思ったのは、脚本が良く出来ている、面白い!それまで見た時には、こういう感想はもっていなかったな(^^)

次々に予想外の登場をして、ジュリー演じる稗田を恐怖に陥れるヒルコ。スピード感溢れる登場に、撃退しても撃退しても、あの手この手でどこからか突然に登場し、ジュリーをヒィッ~~!!ギャ~!!と追い詰めます。応戦する稗田の攻防が、手作り感満載のポンコツ新兵器で、それが怖いエグイ血みどろ状態の中で、思わず笑っちゃうのよね・・・(^^ゞ

恐怖の真っただ中でクスリと笑わせ、ひと時の恐怖の間のお休みを作り出す。その緩急をつけた匙加減が絶妙で、怖い怖いだけじゃない面白さ。今までに何回も見ていたのに、初めて脚本が面白い!という感想をもちました。21世紀にリメークしたら、もっと簡単に黄泉の国や恐怖は演出できると思うけれど、手作り感がある恐怖が良く出来ていて、逆に真に迫ってきました。

え~っとこれは、スプラッター・モンスター・コメディ ホラーか(^^; 

舞台挨拶でリモート出演した塚本監督によると、高名な映画評論家に当時、酷評されたそうだけど、何と言われたのか知りたいわ。「太陽を盗んだ男」のように、この作品も年月を経て再評価されていくのだろうか。

この映画を見ていて感じたのは、30年前の古さがあまり感じられない。現代の必須アイテムのスマホは無く公衆電話の時代だけど、舞台が閉ざされた田舎の小学校で、他には余計な情報が有りません。塚本監督自身の国際的な人気もあるのだろうけれど、純粋にホラーとして楽しめるエンタメ作品なので、30年後にレストア・リマスターされたのは、頷けるところがありました。

そして主演のジュリー。1991年の公開で初めて見た時、40を過ぎたジュリーは緊張感の無い人のよさそうな温かい笑顔で、嬉しそうにニマーっと微笑む(^^)。そこには残忍で冷たい四郎さま、酷薄な良ちゃんの面影はどこにもなくて、歌謡番組の短い3分間の舞台に、洗練された衣装を身に纏い、研ぎ澄ましたような緊張感に満ちた、計算され尽くした美貌のジュリーはどこに? 1991年の私は、まだ そんなジュリーを追い求め、忘れられないという現実があったの。

スクリーンの42か43歳のジュリーは、尖ったところが年齢なりに丸くなり、柔らかく温かい笑顔が魅力的で、丸い眼もと~っても可愛い❤ こう思えるようになるのに、時間がかった(^^; 

ずーーーっと10代のジュリーから見続けていたせいで、40過ぎたらジュリーも歳をとった感じてしまったの。あんなに素敵だったのに。(-_-;) TVには次々に新しい顔が出てきて、お茶の間で鮮度が薄れるということもあり、ジュリーがTVという媒体から姿を消そうと思うのも無理からぬことだと思います。

そして、ポスターではジュリーより前に写っている、政男君役の工藤正貴さん。なかなか、いいです。役柄的にはジュリーのバディ、相棒の役で、ジュリーと同じくらい出ずっぱりの、ほぼ主役です。ポスターを作ったヤツは、ジュリーがどれくらいBIGな俳優か知らないで、若者向きにしようとしたのかも。でも買うのはジュリーファンだわ。カンヌ映画祭でも売るそうなので、海外向きのポスターだろうか??

そんな文句は別にして、当時はまだ少年であどけない表情の工藤さんは、ジュリーに負けないほどの体当たりの演技と、少年のナイーブさがあって可愛いです。この映画以外の工藤さんを知らないのだけれど、オファーはいっぱいあったのでは?と思わされるのに、1993年には引退したのが、ほんとに不思議に思うくらいです。


(※追記しました。)まさお君役の工藤正貴さんについて、今もお元気ですと、コメントを頂きました。

7月10日付の塚本監督のツイッターより
   ↓
『テアトル新宿『ヒルコ妖怪ハンター』初日、舞台挨拶に上野めぐみさん、特殊造形の織田さんが。上映前に、まさお役工藤くんも駆けつけてくれました!皆とってもステキな大人に。・・・』

90年代のポスターは売り切れました。

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