今回、ハスカップの研究を行っていますが、そのまとめを兼ねて、ハスカップの論文の骨子を含めて
*ハスカップ Lonicera caerulea l.の実のアントシアニンAnthocyanins from the Berries of Haskaap, Lonicera caerulea L. 日本家政学会誌 44(3), 197-201, 1993-03-15
抄録 :ハスカップ(Lonicera caerulea L.)の実から抽出された5つのアントシアニンの構造决定をHPLC分析,分解実験および分光学的方法などにより行った.その結果,2つの主要な色素はそれぞれシアニジン3-グルコシドと3,5-ジグルコシドであることが判明した.また,マイナーな2つの色素はそれぞれシアニジン3-ルチノシドと3-ゲンチオビオシドであることがわかった.しかし,残り1つの色素の構造は不明であった.
*アントシアニン高含有アロニアおよびハスカップ果実抽出物は臭素酸カリウム誘導腎酸化障害を低減する 日本食品科学工学会誌 62(5), 235-241, 2015
抄録 :アロニア(Aronia melanocarpa E.)およびハスカップ(Lonicera caerulea L.)の果実には,アントシアニンが豊富に含まれている.これらの果実は,強い抗酸化性を有することが報告されており,活性酸素が関与する種々の病態に対して保護効果をもつ可能性がある.本研究では,アロニアおよびハスカップから調製したアントシアニン高含有抽出物(アロニアおよびハスカップ抽出物)の臭素酸カリウム誘発腎障害抑制効果を調べた.臭素酸カリウム投与後のラットの臓器重量を測定した結果,アロニアおよびハスカップ抽出物を摂取させたラットでは,腎組織重量が対照群と比べて有意な低値を示した.また,腹部大動脈血清成分分析においてもアロニア抽出物投与群では,対照と比較して腎障害マーカーのBUNとクレアチニン値が有意な低値を示し,肝障害マーカーのAST (GOT)とALT (GPT)も有意な低下を示した.アロニアおよびハスカップ抽出物は,血清および腎組織中の臭素酸カリウム投与によるORAC値の低下および腎組織中のTBARSの増加を軽減した.これらの結果から,アロニアおよびハスカップ抽出物は,臭素酸カリウム誘発腎障害·肝障害に対して抑制効果を示し,この抑制効果はアロニアおよびハスカップ抽出物が生体内で強い抗酸化性を発揮したことによることが示唆された.
*ハスカップ抽出物の肥満細胞における脱顆粒抑制作用に関する研究 八戸工業大学エネルギー環境システム研究所紀要
ハスカップ抽出物の抗アレルギー作用についてラット肥満細胞(RBL-2H3)の脱顆粒抑制作用により検討した。ハスカップ抽出物をHPLC 分析した結果,成分のほとんどはcyanidin-3-O-β-D-glucoside (C3G)であることが示唆された。ハスカップ抽出物は抗アレルギー作用を示したが,抽出物中のC3G は消化過程でシアニジンやその分解物に代謝物されることが知られている。ハスカップ由来のどのような成分が抗アレルギー作用を示すかを知る目的から,C3G の粗精製試料とシアニジンが生成されているその加水分解試料の脱顆粒抑制作用を測定し比較した。加水分解試料の方がC3G の粗精製試料と比べ,より高い脱顆粒抑制作用を示し,これらの結果よりハスカップを摂取した際に抗アレルギー作用を発揮する成分はシアニジンである可能性が示唆された。
*ハスカップを用いたがん治療に伴う重篤な副作用、口内炎の治療法 http://www.noastec.jp/kinouindex/data2009/pdf/01/S06.pdf
北海道を象徴する作物の一つに、ハスカップがある。ハスカップにはアントシアニンなどのポリフェノールが豊富に含まれており、抗酸化作用をはじめとして、様々な生理作用を示す。口内炎はがん治療において最も発症頻度の高い副作用であるが、その治療法には科学的根拠に乏しいものが多く、より有用な治療法の開発・実用化が切望されている。口内炎発症要因の一つに酸化障害がある。本研究ではハスカップポリフェノールの抗酸化作用に着目し、高い科学的根拠を有する口内炎治療法の確立に取り組む。
*アロニアおよびハスカップ果実に含まれるアントシアニンの抗酸化能に関わる諸要因の解析 http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/60926/1/Azusa_Takahashi.pdf
第1 章 アロニアおよびハスカップ果実に含まれる色素成分の特徴
第2 章 果実内アントシアニン含量および組成に影響を及ぼす諸要因
第1 節 アロニアの果実発育に伴うアントシアニン含量および組成の変化
第2 節 野生ハスカップ果実アントシアニン含量の遺伝的多様性と栽培化に伴う変化
1) 果実の外部形質および含水率
2) アントシアニン含量
第3 節 ハスカップアントシアニン含量の年次間変動
第4 節 第2 章の考察
第3 章 果実のアントシアニン含量と総ポリフェノール含量および各種抗酸化能との関連
第1 節 ハスカップ果実の総ポリフェノール含量および各種抗酸化能の遺伝的多様性
1. 総ポリフェノール
2. 抗酸化能
1) DPPH ラジカル捕捉活性値
2) ORAC 値
3) ESR スピントラップ法によるヒドロキシラジカル補足活性値
第2 節 果実の総アントシアニン含量と総ポリフェノール含量および各種抗酸化能との相関
第4 章 ラット消化管におけるアントシアニン吸収動態の解明
第1 節 アントシアニン組成の違いが吸収量に及ぼす影響
第2 節 腸管におけるアントシアニン吸収量の経時的変化
第3 節 アントシアニン吸収に及ぼすカプサイシンの影響
第5 章 ラットの肥満および脂質代謝に及ぼすアントシアニン給餌の影響
第1 節 肥満したラットに対する果実抽出色素給餌の効果
第2 節 高脂肪飼料に添加した果実抽出色素によるラットの肥満予防効果
第3 節 脂質の消化・吸収に及ぼす果実抽出色素の影響
第6 章 果実抽出色素給餌がラットの血糖値および腎機能に及ぼす影響
第1 節 血糖値
第2 節 臭素酸カリウム誘発腎障害の改善
☆薬学的なハスカップの研究についての☆
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