札幌市 漢方相談薬局(有)中村薬局~地域医療・医薬品・漢方・サプリ・調剤・AGE測定~

札幌市白石区南郷通7丁目北5-1 ℡011-861-2808
    地下鉄(東西線) 南郷7丁目駅3番出口すぐ横

サプリメントの正確な情報とアドバイス

2004年09月30日 | アート・文化
Cimg0361

サプリメントを取り囲む環境は、企業の経済活動が優先され、マスコミを使ってのイメージ戦略や有名教授を使っての捏造データー(研究論文)まで飛び出してます。それらの情報は、専門家が見れば、大体はウソか本当かの判断がつきます。
 また、その情報と専門知識から、最適なサプリメントの選択と使用方法(飲み方や使い方)のアドバイスが可能です。

是非、サプリメントの専門家にアドバイスを求めてくださいね。
サプリメントのほとんどの原料は、天然の植物が多いです。ですから、同じ天然物を使って治療をする漢方薬と鑑別、使い方など共通する部分が多いです。
 私は、漢方の専門でサプリメントにも詳しいのは、このような理由があります。


コエンザイムQ10

2004年09月28日 | サプリメント
coq10

←コエンザイムだけをソフトカプセルにしたサプリメントを多く見かけるが、CoQ10単体では、酸化を受けやすく、直射日光などで簡単に針状結晶になり、溶解・吸収されなくなる。つまり、CoQ10だけのソフトカプセルだと店頭に並び消費者が飲む時にはほとんどが吸収されない状態になってる。そこで、酸化を受けないように、ビタミンE等を一緒に添加した製品があるわけである。


1957年にアメリカの研究者たちによってCoQ10がはじめて発見され、翌年から本格的な研究が始まった。その研究のために、大量のCoQ10が必要となり、その要望にこたえて世界初の量産化に成功したのは日本の会社だ。それが、日清製粉株式会社の医薬部門(現在の日清ファルマ)だった。製粉会社と医療品原料、ちょっと遠いようだが、実は同社の創業者が健康増進に強い関心を持ち、ビタミンの研究を続けていたのだとか。またエーザイ株式会社との共同研究を重ねた結果、世界初のうっ血性心不全の医療用医薬品を発売。
このように、CoQ10の研究と開発には日本の企業が深く関わっていたのだ。

以下の体内での代謝から考えても、コレステロールを下げる薬(HMG-CoA還元酵素)を使用してる人は、コエンザイムQ10不足を起こし副作用の横紋筋融解症を起こす原因としても考えられてる。 コレステロールは、悪役のイメージだが、体にとっては必要なものである。 


アセチルCoA
  ↓
HMG-CoA
  ↓     ←HMG-CoA還元酵素
メバロン酸
  ↓
ファルネシル2リン酸¬
↓         スクアレン
↓            ↓
CoQ10      コレステロール


コエンザイムQ10の危険性が報告されました。


紅豆杉とタキソールの正しい情報

2004年09月19日 | まち歩き
 タキソールが、紅豆杉から発見された歴史をもっともらしく書かれてる、専門家研究家、HPなどを見かけますが、耳で聞いたマタ聴きか勘違いをそのままに掲載されてる危険性があります。
 これは、植物の成分から発見され、世界中の有機化学者が合成を競った有名なものです。
紅豆杉の有効性を云々するつもりはありませんが、間違った情報を提供することで、間違った判断をしかねないので、そこを、専門家として訂正していきたいと思います。
 
 まずは、 タイヘイヨウイチイTaxus brevifoliaからタキソールが単離・発見されて、ヨーロッパイチイ Taxus baccataから取れるバッカチンから、工業的にタキソールが合成される、というわけです。
 セイヨウイチイ、ヨーロッパイチイ、タイヘイヨウイチイという和名と学名は、けっこう混乱しています。
タキソールの全合成法は、1994年にアメリカ化学会誌に最初に発表された。この成果は、複雑な構造を持つ化合物が合成可能であることを示した研究として注目された。
しかし、有機合成化学の最先端の研究室で、10ミリグラム程度を合成することがようやく可能になったレベルであり、コストがかかりすぎることから、全合成法も医薬品製造方法としては問題があった。その後、ヨーロッパイチイ(学名Taxus baccata)という潅木の葉から比較的大量に取れる中間原料(バッカチン)をもとに、有機合成により数工程で生産する技術が開発され、現在タキソールはこの技術で生産されている。

 さらに、タキソールの全合成法の一部を改変することにより、タキソールよりも優れた抗がん剤となる「新タキソール」ともいうべき化合物が合成され、現在臨床試験中である。この化合物は今のところ、バッカチンを原料として合成することができない。このように、たとえ植物などの自然界に存在する化合物であっても、有機合成方法を確立することは、その後の医薬化学研究等にとって極めて重要である。


Taxus baccataから取れるのは、タキソールそのものではなく、タキソールを合成するために使用できる前駆体のバッカチンです。
このバッカチンは、Taxus属の植物にはけっこう分布しているようです。

 この輝かしい歴史の経過は、何冊の本にもなってます。

 では、なぜ、以上のような間違いが、どうどうと研究者も巻き込んで行われるかと言いますと、植物学と生薬学とは違いますし、元の論文などをしっかり調べない事による勘違いがほとんどです。そして、その情報が、ネット上で、コピーが繰り返され、もっともらしい情報になっていきます。

 私が確認したところでは、上記の間違いを指摘してるHPなどは、皆無でした。



免疫と紫外線

2004年09月14日 | 健康・病気
    細菌・ウイルス
    アレルギー物質                   
表 「     ↓                   
皮 |     異物←-正常な       
  |(異物の情報  ランゲスハンス細胞 
  L をキャッチ)      |
                |リンパ節へ
                 ↓情報の伝達
            免疫システム発動 



         紫外線
  「      ↓
表| ダメージを受けた
皮|  ランゲルハンス細胞
  L      ↓
   異物をキャッチ出来ない為
  リンパ節への情報伝達ができない
         ↓     
   免疫システムが発動しない
     (免疫力の低下)


紫外線は肌以外にもダメージを与えてる   
紫外線はシミを増やすだけでなく、NK細胞やランゲルハンス細胞の活性を抑制させることが知られています。
 特にランゲルハンス細胞は皮膚の表面にあるため、非常に紫外線の影響を受けやすい状態にあります。このランゲルハンス細胞は免疫システムにおいて重要な役割を担っています。
 ランゲルハンス細胞は異物が侵入した情報をキャッチし、その情報をリンパ球に伝えて異物をやっつけてもらう仲介役なのです。しかし、ランゲルハンス細胞が紫外線によってダメージを受けてしまうと、異物の情報をキャッチできなくなり、リンパ球に情報が伝わらず、その結果免疫細胞はウイルスや細菌を攻撃できなくなってしまいます。つまり、紫外線を浴びた後は、体の抵抗力は低下した状態になってます。
 
 



アトピー性皮膚炎と免疫②

2004年09月11日 | 健康・病気
    アレルゲン     ブドウ球菌
       ↓           ↓
角質層   ↓           ↓←スーパー抗原
表皮    ↓           ↓
真皮    ↓           ↓
     マスト細胞       T細胞
       ↓化学伝達物質  ↓白血球を呼び集める
       ↓放出       白血球
       ↓           ↓
     炎症反応       炎症反応

T細胞では
 抗原A→分解→MHCクラス→スーパー抗原→抗原Bに対するT細胞→活性化
              

アトピー性皮膚炎の発症メカニズム

アトピー性皮膚炎の患者さんは角質層が損なわれているため、かさかさと乾燥しており、異物の侵入を防ぐバリア機能が低下してます。そのため、ダニやハウスダストなどのアレルゲンが侵入しやすくなり、アレルゲンは角質層を通って容易に真皮にまで入り込んできます。すでに特定のアレルゲンに対する免疫ができている人の場合は、そこにIgE抗体が結合したマスト細胞が待ち構えており、アレルゲンはIgE抗体によって捕らえられ、Ⅰ型アレルギーを起こします。
 まら、皮膚のバリア機能の低下は、ブドウ球菌が出す毒素「スーパー抗原」の組織への侵入も許してしまいます。通常、抗原提示細胞に取り込まれた抗原はペプチドに分解され、MHCクラスⅡ分子に結合しT細胞やB細胞に抗原が提示されますが、スーパー抗原はこの過程抜きでT細胞を活性化します。
 スーパー抗原はMHCクラスⅡ分子とT細胞の抗原レセプターとを橋渡しするように結合し、T細胞を活性化します。つまり、提示された抗原と抗原レセプターが正しく結合するかどうかは関係なく、本来、活性化するはずのないT細胞までも活性化してしまいます。その結果、多量のサイトカインが産生され、好中球や好酸球などの白血球の働きによって激しい炎症反応が起こるのです。