京都薬科大学病院薬学教室・助教授 大西憲明先生
日経メディカル、ファーマシーVol.35から要約
現在臨床使用されている薬剤の半分以上が、CYP3A4で代謝されるとの報告がなされてる。
したがって、CYP3A4を阻害したり、または誘導する作用のある健康食品がもっとも薬剤との相互作用を引き起こしやすい。CYPA4が阻害された場合、CYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度が上昇し、有害作用が起こる可能性が高くなる。逆にCYP3A4が誘導された場合、薬剤(プロドラッグを除く)の主作用は減弱してしまう。
CYP3A4は肝臓のみならず小腸にも存在し、CYPの代表格でもある。
CYPだけではなく、最近では薬物動態に大きな影響を及ぼす事が示されてる、P-糖蛋白質(MDR1:脳血液関門、肝臓、腎臓、小腸などに多く発現)などを初めとする多種多様な薬物輸送担体(トランスポータ)に対する阻害・誘導による薬物相互作用も問題視されるようになってきてる。
イチョウ葉
イチョウ葉エキス(以下GBE)は、小腸のCYP3A4を阻害する。
*健常者8名にカルシュウム拮抗剤ニフェジピン(CYP3A4の基質)とGBE(240mg)と単回同時投与したところ、2例のみにニフェジピンの最高血中濃度が2倍に上昇して、一過性の頭痛と平均脈拍数が増加傾向を示した。(相互作用発現の有無に顕著な個体差がある)
*健常者12名に経口投与後のアルプラゾラム(CYP3A4の基質)の体内動態の及ぼすGBE(240mg/日、分2)の2週間連続経口投与の影響を検討した報告では、臨床上問題となる薬物動態的相互作用は認められなかった。
*GBE(240mg/日)の4週間摂取はミダゾラム代謝(CYP3A4活性)にも影響しなかったとの報告がある。
*併用に伴いミダゾラムの血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増大するとの別の研究発表がある。
~GBEの薬力学的相互作用~
*イブプロフェン併用により脳内出血が起きた例
*アスピリン併用に伴う前房出血
*ワーファリン併用で出血傾向となった例
・・・・・・GBE中に含まれるギンコライドなどに由来する血小板活性化因子(PAF)の阻害作用に起因する。
~メカニズムは不明だが~
*クロルプロパミド併用による低血糖
*低用量のトラゾドン併用による昏睡の報告もある。
日経メディカル、ファーマシーVol.35から要約
現在臨床使用されている薬剤の半分以上が、CYP3A4で代謝されるとの報告がなされてる。
したがって、CYP3A4を阻害したり、または誘導する作用のある健康食品がもっとも薬剤との相互作用を引き起こしやすい。CYPA4が阻害された場合、CYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度が上昇し、有害作用が起こる可能性が高くなる。逆にCYP3A4が誘導された場合、薬剤(プロドラッグを除く)の主作用は減弱してしまう。
CYP3A4は肝臓のみならず小腸にも存在し、CYPの代表格でもある。
CYPだけではなく、最近では薬物動態に大きな影響を及ぼす事が示されてる、P-糖蛋白質(MDR1:脳血液関門、肝臓、腎臓、小腸などに多く発現)などを初めとする多種多様な薬物輸送担体(トランスポータ)に対する阻害・誘導による薬物相互作用も問題視されるようになってきてる。
イチョウ葉
イチョウ葉エキス(以下GBE)は、小腸のCYP3A4を阻害する。
*健常者8名にカルシュウム拮抗剤ニフェジピン(CYP3A4の基質)とGBE(240mg)と単回同時投与したところ、2例のみにニフェジピンの最高血中濃度が2倍に上昇して、一過性の頭痛と平均脈拍数が増加傾向を示した。(相互作用発現の有無に顕著な個体差がある)
*健常者12名に経口投与後のアルプラゾラム(CYP3A4の基質)の体内動態の及ぼすGBE(240mg/日、分2)の2週間連続経口投与の影響を検討した報告では、臨床上問題となる薬物動態的相互作用は認められなかった。
*GBE(240mg/日)の4週間摂取はミダゾラム代謝(CYP3A4活性)にも影響しなかったとの報告がある。
*併用に伴いミダゾラムの血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増大するとの別の研究発表がある。
~GBEの薬力学的相互作用~
*イブプロフェン併用により脳内出血が起きた例
*アスピリン併用に伴う前房出血
*ワーファリン併用で出血傾向となった例
・・・・・・GBE中に含まれるギンコライドなどに由来する血小板活性化因子(PAF)の阻害作用に起因する。
~メカニズムは不明だが~
*クロルプロパミド併用による低血糖
*低用量のトラゾドン併用による昏睡の報告もある。