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久しぶりに考えさせられた本

2005年08月31日 | アート・文化
 興味やご縁のある本を乱読してますが、久しぶりに考えさせられる本と出会いました。

「幸せはガンがくれた」~心が治した12人の記録~  川竹文夫著

 以前にテレビで見たNHKの番組があります。興味があり、直ぐに録画し、いまでも何度も見てますビデオテープ。

“心がガンを治した”

です。そのテレビ番組を作成した人が、今、手にしている本の著者でした。
奇跡に近いご縁にびっくりしてます。

私が臨床で色々と経験してきた事がそこには書かれていました。
そして、その本の中に登場する医師の言葉に、どっきりしました。



「私は、医者が勝手に病気を治さない方がいいとおもうんですよ。だから何もしないんです。
私が病気を勝手に治さないというのは、なぜかと言いいますと、勝手に医者が手を加えて治してしまうと、患者さんが気がつかないからなんです。
なんで、自分が病気になったかということに、気がつかない。そうすると、また病気をする。例えば、ある人が胃潰瘍をやったとします。いまは、潰瘍治療剤というものがあって、それを与えると、胃潰瘍が治るんです、一応ね。でも、その人がストレスを溜め込んだ結果、潰瘍を作ってきたと言う状況は何も変わっていない。ストレスを溜め込むようなライフスタイルは、少しも変わっていない。だからまた、いずれまた同じように潰瘍をやりますでしょう。そうすると当然だんだん治りにくくなる。潰瘍どころか、そのうちに肝臓まできて、肝硬変だとか、肝がんだとか、そういうもっと重大なものまで作ってくる状況を引き起こすわけです。
 そうするとね、僕達が潰瘍治療剤で治したと言う事は、その時はそれで辻褄があっています。でも、そのために、その患者さんが病気の原因となったライフスタイルを変えていないとすれば、僕が勝手に治した為に、その人が何年か後で肝がんになる要因を作ったと言えるわけです。もし最初の時に治して差し上げなかったら、苦労して自分で治させたら、新しい病気を作ることはない。でも不用意に医者が治したから、新しい病気に発展させてやってくる。
 だからどうしても、ライフスタイルの間違いに気づかせて、さらに、その間違ったライフスタイルを作らせた心のあり方も、自分で治させなければいけないと思うのです。
 だからね、僕は無茶苦茶不親切ですよ、患者に対してね。自分が作った病気なんやから自分で治せって。自分の命なんやから、どうぞ、あんたの好きなようにと言います。それこそ、本当の親切だと思って言うんですけどね。
 私は、初めての患者さんにも、ガンは自分が作ったんだから自分で治しなさいと言うんですが、分かって欲しいのは、そこなんです。『遠いところから来たのに、説教なんか聞きとうない』と言って怒りだす患者さんもいます。患者さんは、ガンという病気以外に、自分は悪いとは一切思わないという始末の悪い病気を持って、やってくるんです。だから口論にも喧嘩にもなります。最初はね。でもね、自分を変えていくことができれば、病気を治すのに、ガンを治すのに、何も特別のことをする必要はない、というのが私の考えです。あとは、自然治癒力が治していってくれる。病気が勝手に消えていってくれる。それがホメオスタシスと言うものです。私にできるのは、その手伝いをさせていただくことだけです。
 でも、私は患者さんを一人ひとり、一生懸命観察してるという自信があります。必要な養生をさせたうえで、観察しているのと、ただ放っておくというのとでは、全く意味が違う。
 本当言うと、私自身、とても辛い時があります。もう一週間このまま見てようか、手術を勧めた方がいいか、瀬戸際になると自分の胃に穴が開きそうになりますよ。もしね、通常の西洋医学的な治療法だけなら、こんなに楽なことはないんです。
 パターン化されていますから。手術、抗ガン剤。放射線、どれをとってもね、パターンができあがってる。そういう意味では患者を徹底的に、個別に、観察しなくてもすむわけです。
 それともう一つ。
 病気と言うものは、必ず悪いことばかりでない。心や生活の誤りに気づかせてくれる警告なんです。ありがたいものなんです。病気を通じて、人間的に完成に近づいて、ワンランク上がっていく、自己実現ができてゆく、そういうチャンスなんです。それを先ほどの繰り返しになりますが、医者が不用意に手を出してそういう機会を殺してしまうのは、どうでしょう。
 ところが医者は、最善を尽くしましたという、医者の言い訳の為に、いろいろと手をさして、抗ガン剤で身体を痛めつけて、患者にその苦痛を耐えさせているでしょう。
 耐えるのは、われわれ。医者が絶えればいいんです。そういうつもりで私はいつも黙って患者さんを見てるんです」