ピポキシル基を有する薬剤
- フロモックス(塩酸セフカペンピポキシル)
- メイアクト(セフジトレンピポキシル)
- トミロン(セフテラムピポキシル)
- メリシン(塩酸ピブメシリナム)
フロモックスは、ピポキシル基を有するエステル型のプロドラッグで、消化器壁のエステラーゼにより分解され抗菌活性体となる。ピポキシル基はピバリン酸とホルムアルデヒドに分解されホルムアルデヒドは二酸化炭素に分解されて呼気から排泄される。ピバリン酸は、カルニチン抱合体(ピバロイルカルニチン)として尿中から排泄される。その為に血中カルニチン濃度が低下をしやすくなる。
カルニチンは、脂肪酸の分解(β酸化)を促進する作用があり、血中カルニチン濃度が低下すると脂肪酸のミトコンドリア内への輸送が低下しニコチン酸酵素(NADH2+)やATPなどの生成が滞る。その結果、これらの酵素などが不足する事で糖新生が妨げられ低血糖を起こすと考えられている。
通常、ピポキシル基を持つ薬剤を通常量で4~5日服用すると血清中のカルニチンは30~40%低下し、薬剤を中止して約2週間で正常値に戻ると言われてる。