今回、厚真町からの依頼で、厚真産ハスカップの研究をさせていただきました。
その研究の中で色々と自然から教わった事があります。
まずは、植物は基本、人間や動物に食べられるために生きている訳でないと言う根本的な部分。
そしてその場所から簡単に動けない事実。
その植物たちは自分たちが生き延びて、子孫繁栄をする為に色々な智慧と工夫を行っています。
人間の必要とする5大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)がありますが、その補給源が、植物では3大穀物と言われています、米、小麦、コーンからと、野菜や果物が中心になります。これらは「1次代謝産物」と言われるものです。
ですが、今注目されています、「ファイトケミカル」(植物が作ります有用成分)ですが、ポリフェノール、カテキン、アルカロイドなどがこれになります。これらの成分は、特有な植物が作り出す成分で、「2次代謝産物」、「特異的代謝産物」と言われます。これらの成分は、漢方薬の生薬学から発展していった研究学問です。そして、これの成分は、植物が「よりよく生きる」選択をした時に作られます。それも環境に応じてです。ハーブのオイルもこれに入ります。
1次代謝生産物は、遺伝子組み換えで生産量が飛躍的に増えました。ですが、2次代謝生産物の場合は、遺伝子組み換えよりも環境の影響の方が強く反映される事が判りました。
要するに、遺伝子操作で、とある特性を出せる様にしていても、その遺伝子が発現する環境が無ければ、その遺伝子のスイッチが入ら無いと言う事です。
人間もそうなんだと思います。よりよく生きようとすると遺伝子のスイッチが入る。
そして、農学や栄養学ですと、土地のミネラルや成分だけが環境だと思っています。
違うんです。環境は、風の流れや日照(紫外線なども)、害虫や感染症も世話をしてくれる農家さんも含まれます。
人間も、苦労があり工夫と努力があって、その環境で先祖から脈々とつながっている智慧がつまった遺伝子のスイッチが入るのだと思いました。
仕事にしても「勤労」と「労務」の違いがありますし、勉強にしても「苦労」と「苦痛」の2面性があります。
そんなに早く人間の遺伝子のスイッチが入るのか?と思いますよね。
例えば、癌の治療の時、最初に使う抗がん剤は効きが良い事が多いです。ですが、再発して同じ抗がん剤を使うと効きが非常に悪くなります。それは、癌細胞が抗がん剤に対して耐性を持つからです。簡単に言いますと、抗がん剤が聞かない様にする遺伝子のスイッチを入れたり遺伝子を組み換えたりします。それは数か月でです。
効き目の良い薬ほど、長期間使う事はリスクが伴います。2次代謝産物、ファイトケミカル程度の成分を長期間使える知恵を人類は持ちました。植物がよりよく生きる事を選択したことで、人類と共存して生きていく事を選んだのだと思います。
写真は、苫小牧民報の記事です
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