札幌市 漢方相談薬局(有)中村薬局~地域医療・医薬品・漢方・サプリ・調剤・AGE測定~

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漢方薬

2013年10月22日 | インポート

 先週の土曜日に北海道大学で大学院生向けの講義をしてきました。

内容は、「臨床生薬学」です。この「生薬」(しょうやく)とは、漢方薬の中に使いっています素材、薬用に使います植物等の事を言います。ですから広い意味ではハーブも入りますし、サプリメントで使っています植物もここに入ります。

 

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 私の余市にあります薬草園の植物の1年の変化等をお見せしたりして、その生薬の特徴や良し悪しの鑑別などをお話をしました。

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 その中で今の医療を取り巻く問題点等を話を致しました。そして現場での矛盾や問題点も・・・・

  • 自分で風邪だと思い、風邪薬を服用したい。(きっと風邪薬を説明されて飲まれる事が多いかと思いますが、風邪に似た病気は沢山あり、それを区別する鑑別がポイントになります)
  • 薬が効いていないけど、継続して飲まれている(本当は違う病気であったり、薬の種類が合って無い)
  • 薬を飲んでいるけど、本当は飲まなくとも他の治療法や生活の改善で治る(例えば、糖尿病や高血圧、高尿酸・・・、これらは生活を改善をして薬物治療をしないと治りません)
  • 昔は感染症が多く抗生物質等が主役であった。しかし、今の時代は循環器疾患や免疫の病気が大半で、病院の薬物治療では限界がある。

医療も規制緩和で、薬は何時でも何処でも手に入りやすくなりました。そして、何処で何を買おうとも自己責任の時代にもなりました。 どのタイミングで、病院に行くのか、近所の薬屋で薬を購入するのか・・・・。そして、どの病院に、どのドクターに、そしてどの薬剤師に・・・・・。これも運や賭け、リスクコントロールの中に入ります。 年末ジャンボの宝くじを買うのにも似ていますね

 最後に学生さんにこんな話を致しました。

「皆さんの学費や生活費の大半は親御さんからの援助に思います。きっと社会人になり就職をしましたら、ご恩返しを考えていると思います。皆さんは、どんな方法を考えていますか? 初任給で食事に誘ったり、お財布や服などのプレゼントを考えたりします。その方法の一つに考えて欲しい物があります。折角、大学で医学・薬学の知識を勉強させていただきました。その知識を使って親御さんの健康管理をし、薬を使わなくとも良い健康な状態にし、もし治療をする事になっても必要最低限の量の薬と期間で治してください。大学に行かせていただいた知識を使っての親孝行です。自分も大切な家族もその知識で健康に出来ないのでしたら、他人の患者さんを治せません。」

 

 


余市の薬草園~コクワ~

2013年10月21日 | インポート

余市にあります薬草園も、今年最後の収穫になりました。

コクワと言いまして、サルナシ(猿梨)とも言われます。マタタビ科に属する果実です。味は、キイウィフルーツに似ていまして、甘みが先にあり若干の酸味が残ります。

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これからは来年に向けての手入れに入ります。枝の選定や蔓を雪に負けない様に地面に落としたりと雪が降る前の作業と、雪が降ってからの作業が待っています。

 健康管理もですが、普段のお手入れが重要だと判っていても難しいです。

秋から冬に掛けてのお手入れが来年の実りに直結します。と言う私も・・・


今月の予定

2013年10月08日 | 日記・エッセイ・コラム

 今月から、下期になり大学での授業も新しくなります。

今月は、母校(北海道大学)で大学院生向けの講義をします。

講義の内容は、「臨床生薬学特論」です。大学院講義で、少しハイレベルの現場での話、漢方治療の限界と得意分野などの勘所を話す予定でいます。

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 漢方の他に、実際の医療現場で行われています最新の治療や問題点なども一緒に問題提起を兼ねて行いたく思っています。


病気の治療は・・・・

2013年10月03日 | 日記・エッセイ・コラム
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 先日、口のまわりが、赤くただれて汁がでている患者さんを診ました。皮膚科の先生に診ていただいたそうですが、黄色ブドウ球菌の感染と診断され、抗生剤とビタミン剤が出て、担当医の言われるとおりに治療しましたが治りません。その先生はお手上げになり、他の皮膚科を何軒かまわりましたが、一向に良くなりません。

 

 そして、私の出番です。

今の医学は、「黄色ブドウ球菌」の感染で起きた病気だから、その菌を除菌すれば治る。と言う理屈です。でも、そうなんでしょうか?その菌が居るから病気になるのでしょうか? その点を明快に書かれている本が上記の本なんです。(神戸大学医学部の教授で、感染症のプロなんです)

 私は、その菌が減っても皮膚を再生する力と免疫力が低下しているからだと考え、漢方薬をお出ししました。

 結果。4日で治りました。半年以上も悩んで苦しんでいた皮膚病がです・・・。

病気の治療は、応急手当的な治療が多いです。これでは、次から次へと新しい病気が出てくるだけです。あくまでも、身体は食べ物で作られていて、薬は自然治癒力を手助けする物です。

 

 病気の本当の原因を見つけ出し、改善しませんと、いつまでたっても一時しのぎの応急手当的な治療になってしまう事に気づかせてくれました良い症例に思いました。