札幌市 漢方相談薬局(有)中村薬局~地域医療・医薬品・漢方・サプリ・調剤・AGE測定~

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漢方の想いで~その2~

2008年04月16日 | 漢方
武士に学ぶ健康法―質素に,強く,たくましく (1977年)
価格:¥ 662(税込)
発売日:1977-01

 私の漢方の師匠である並木靖先生。その先生の晩年、私が最後の弟子となりました。先生の著作の中で、好きな本です。そんなお話を先生にしますと、嬉しそうににっこりと笑われ、見開きに筆で私の名前と、先生の署名、そして押印され、頂きました。私の宝物です。

 その本の書き出しが、

人の運命は食にあり

 「命は食に在り」と言う説は、水野南北という有名な観相家のとなへた説である。「夫れ、人は食を本とす。たとへ良薬を用いるといえども、食なさざれば性命を保つ事能わず。故に人の良薬は食なり。」これは南北の言葉である。・・・・・・

 東洋医学の大家であった先生は、一貫して、食の大切さと、生きていくうえでの心のあり方をいつも話されていました。先生とお会いして30年近くなり、先生とお別れいたし10年・・・・。私の東洋医学の原点がここにあるように思います。冒頭で紹介した本は、既に絶版になっています。再版の予定はありませんが、今の医療関係者に必読の書に感じております。

 


漢方の想い出

2008年04月15日 | 漢方

 私が本格的に漢方の道に入りましたのが、昭和62年。薬屋2代目の私が家に戻ったときからでした。漢方の本は難解で、本を開いた瞬間に眠気が生じるくらいです。そんな時に出会った漢方の師匠が船橋市の並木靖先生で、剣の家元(鹿島神伝直心影流第十八代宗家)でもあります。私は剣道の竹刀を触った事もありませんでしたが、先生から剣の道の極意をお聴きし、人生の生き方、人としてのあるべき姿等、毎回勉強になりました。

 その先生のお仲間とも親しくさせていただき、日本全国の漢方の大家ともご縁をいただきました。そのお一人に岡山県の下山由美子先生がいます。昨夜、下山先生と二人で会食をしましたが、その時に並木先生の思い出話に華が咲き、ついつい遅くまで・・・・。

 並木先生は浅田宗伯先生の漢方の流れを汲み、下山先生は吉益東洞先生の漢方の流れを汲んでおります。その関係で、並木先生から吉益東洞の話を思い出しました。

 池大雅の河豚の絵に吉益東洞が賛を書いた掛け軸の話です。

以下は、並木先生の著書「探りあてた健康法」からです。

 毒は毒に毒して

 ある処で、池大雅が描いた河豚(ふぐ)の画を見せられました。一見、岩のように見える河豚が描かれてありました。その河豚の画の上に書かれた賛は、これまた判読しにくい字でしたが、画の持ち主は、古書画鑑定の大家で、これを判読して下さったので、それを左に紹介します。

 獣名而魚

 毒之何神

 毒毒耳毒

 不毒於人

書いた人は当時日本一の名医と言われた漢方の大家・吉益東洞です。「獣名(ジュウメイ)ニシテ魚。毒ノ何ゾ神ナル。毒ハ毒耳(ニ)毒シテ、人ニ毒サズ」と読みます。意味を解読しますと、フグは河豚と書きますから、豚と言う獣(けもの)の名前を使いますが魚です。毒は人間の考えも及ばない猛毒です。しかし毒はそこに毒があるから毒として働くのであって、本来清らかな人間に対しては、毒としての働きはないという意味です。・・・・・


薬草見学会のお誘い

2008年04月11日 | まち歩き

 当薬局恒例になりました「薬草見学会」の御案内です。札幌市の隣になります当別町にある北海道医療大学の薬草園(自然に近い状態で薬草が見学できます裏山が会場になります)が会場になります。

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   北海道医療大学で開催されます「生涯学習事業」に連動しております。

 今年度の日程です。

4月27日(日)9:30~11:00 講演 増毛山地の自然環境を見る、知る、歩く   11:00~13:00 観察会

5月25日(日)9:30~11:00 講演 ハーブで生活を楽しむ  11:00~13:00 観察会

6月22日(日)10:00~12:00 講演 四季折々の花を楽しむ 13:00~15:00 観察会 (当日は大学祭が同時に行なわれています)

平成21年2月1日(日)13:00~15:40 (会場/札幌サテライトキャンパス) 講演 冷えに対する漢方薬と養生法  春を待つ北海道医療大学北方系生態観察園の植物達        


すずしろの花(ダイコン葉エキス入りセッケン)

2008年04月11日 | コスメ・ファッション

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        「すずしろの花」

 
  北海道医療大学准教授 堀田清

                が開発したセッケンです!

                        食べられるのに捨てられているダイコンの葉。
                 「もったいない」という想いからセッケンにしてみました。
                       ダイコンの葉を煮だした汁は、農家では昔から
               ひびやあかぎれ、ねんざなどの治療に使われてきたといいます。

植物を愛する気持ちから生まれたセッケンです。ぜひ使ってみてください!

                              1000円

  すずしろの花は、北海道医療大学で研究として、3年以上にわたり、皮ふのトラブルで病院に通っている患者さんやお肌の悩みのある女性や子供さんの使っていただきアンケートをとっています。
         研究に協力してくださった方の熱烈な支持に押されて販売することになりました。


漢方薬にはジェネリックはありません。

2008年04月09日 | 健康・病気

016  今話題のジェネリック。病院で使っています同じ成分で薬の特許が切れたものを安く提供できるのがジェネリックと言います。

 ですが、漢方薬の場合、同じ名前の漢方薬でも、生薬の配合比率や生薬の量がそれぞれ違います。ですから、漢方薬の場合、普通の薬みたいにジェネリックと言うものがありません。同じ名前の漢方薬でも、ひとつひとつ使い方が微妙に違いますし、効き目も違いがあります。昔から言われる“サジ加減”の語源になったくらいです。

 同じ名前の漢方薬であれば、どれでも同じと思われがちですが、漢方薬にだけはジェネリックが無いと言う事実を見ても、同じ漢方薬の名前であっても、まったく違う漢方薬と考えるべきでしょうね。(これを知らない医療関係者が多いのも事実で、いつも困惑する部分です)