コロナで休んだ時期をはさみ、読書交流会『ほんのおつきあい』も45回目。素直に嬉しい。この種のコトは続くのが難しいのだが、「波風氏とママヨさんの読書感想茶飲み話」が基本のお気楽イベントだからだろう。2人が健康で、ケンカなく、難事無かったら「月末日曜日の午後2時開催」が続けられる。
MS 小説『博士の愛した数式』(小川洋子著:新潮文庫)、読書交流に参加していると職場の人に話したら勧められた本。家政婦親子と博士と博士の姉の相互の人間関係が相手を深く思いやる心に満ちていて感動★5
マンガ『疲れた夜に夜食を届ける出前店』(中山有香里作:KADOKAWA)、今の職場は身体は疲れるが心が疲れないので毎日が楽しい。このマンガは辛かった前の職場を辞めた時に読み慰められた。
【交流から】自分に馴染みのない数学と小説の関係を描いていて驚いた。数学が苦手だったが中学生に教える機会があって面白くなり数研3級合格した(HF)この本もそうだが、韓国映画『不思議の国の数学者』や米映画『グット・ウイル・ハンティング/旅立ち』は面白く印象に残っている。数学は不思議な魅力で人を惹きつける(波風)他の参加者全員が読んでいて映画も見ていた。
ママヨ 小説『あきない世傳 金と銀』全14巻(高田郁著:ハルキ文庫)、江戸時代の女性の9~60歳の人生、貸してくれた方の「ハンカチいっぱい用意して読んでね」が全くその通りだった(涙)、江戸と違い商家の主人になれず財産も持てない大阪で、困った時に知恵を発揮して生き抜く物語。商売は「買って嬉しい、売って嬉しい」を伝えてくれる。3ヶ月かかって読了★5
小説『沙林 偽りの王国』(帚木蓬生著:新潮社)、前からこの著者の本を読み医師だから書けた小説だと思った。薬の先生以外は実名で麻原の金の亡者ぶり描かれているところまで読書途中。オウムがなぜ大量殺人を犯したのかが明らかにされないのが(死刑)非常に疑問、サリン事件30年目の今年だが同じ時期の阪神神戸大地震は繰り返しマスコミが扱うがオウムは全く表に出ない。★未定
【交流から】確かにサリン事件やオウム真理教の犯罪は隠されている感じ。権力や巨大宗教団体に都合の悪いことが相当あるのだろう(波風)、上九一色村や麻原の情けない姿が今でも浮かび悪いと分かっていても宗教にのめり込む不思議がある(MS)、オウムに入信した医師が自責の念で自死したのが心に残っている(HF)
HF マンガ『娘がいじめをしていました』(しろやぎ秋吾作:KADOKAWA)、SNSにより思いもよらない事態になる家族。いじめの当事者(加害者と被害者)になった時の選択肢を考えさせられる。中学校で働いていて、校外のスマホによるトラブルを先生たちが扱うのは大変だと思いつつ、それ以外の解決方法は何かも考えさせられる★不明
コミックエセイ『人見知りの自分を許せたら生きるのが楽になりました』(わたなべぽん:KADOKAWA)、ドライアイのため好きな本が長時間読めず今まで手にしなかったコミックを読みました★不明
波風 小説『すべての、白いものたちの』(ハン・ガン著:河出文庫)、アジアの女性作家が初めてノーベル文学賞受賞した作家、散文詩みたいだと思いながら繊細な言葉と巧みな訳で最後まで読めた、3章の構成が独特で解説を読んで「そういう小説なのか」と驚く、今までに無い読後感★5。歌文集『豆腐屋の四季 ある青春の記録』(松下竜一著:リプリオ出版)、著者の豆腐屋以後の文学者になってからの仕事に様々な意見があるようだが、60年代末の空気を思い出しながら本作を感動的に読んだ★5
こんな割合に丁寧な記録掲載も久しぶり。【交流から】は沢山あるが話に夢中で記録できなかった。波風氏から質問の「いき」と「センスいい」と「カッコいい」のうち言われて一番嬉しい言葉は?の回答は面白かった。それぞれの人の語意が微妙に違う 読書がとても贅沢な時間の使い方かもしれない。薄っぺらさが露呈しまくってる新聞や映像世界に身を置かざるを得ない中で前回の続きを書こうと思ったが、読書交流の熱が未だ残っているうちに掲載しとくか、の気分。