波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

『学校』の配分

2017年10月21日 | 新聞感想

職志望の学生に、最初の授業で「学校は誰が何の目的で作ったのか?」を必ず聞いていた。そんなことを思い出した「折々のことば」(10/17朝日朝刊)。答えが出たところで、「では、そういう学校がどうして庶民の子どもたちが通えるようになったのだろう?」が次の質問だ。

ともと『学校』は平等なチャンスを与えるために始まったわけではない。その正反対だ。だが人間は、完全に「チャンスの配分を独占」する出発点から少しづつ少しづつ、行きつ戻りつ、チャンスの平等に近づけてきた。だが完全に平等ではないから、まだ「独占」状態だと言える。「教育を消費サービスと考える趨勢に抗う」はまことに同感。

のコラムを読んでいた朝、前述の授業を目を輝かせて参加し今は臨時教員の学生から教員採用試験合格の報。平等なチャンスを与える学校は、こんな方向からも作られていくのだろう、と明るい気持ちに。


晩秋の晴れ間に、家の周りの片付け。大きく重い柱(もとは水産加工場の梁)、丸太などをブルーシートで被い、もう使えない資材120キロを最終処分場へ捨てに行った。「重たい物は一人で持たない」とママヨサンに叱られるのも少し嬉しい年寄りの冷や水。9時間熟睡留守の間に手作りコンビーフが玄関に。旨そうだがどなたのご親切だろう?  隣人招き「波風食堂」初のお茶会。非日常の空間に身を置く楽しさ。

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『定年』の本、3冊読む。

2017年10月16日 | 読書

年後の常識が特集の『文藝春秋10月号』、ベストセラーらしい『定年後』(楠木新著:中公新書)、『夫の定年』(グループわいふ・佐藤ゆかり著:ミネルヴァ書房)の3冊。前者2つは、定年後の実例集。文春は有名人の「第2の人生」、新書は成功した著者の「50歳からの生き方・終わり方」指南。ちょっと前に読んだばかりだが目次を開いても全く何も思い出せない。中級老人は、他人の自慢話が大嫌いだし、若い頃から定年の準備が必要と言われてもなあ、と思って頁めくっていたからだろう。ただ、『定年後』が出版界でも巨大なマーケットを実感。

後の『夫の定年』は駄目な夫が満載の話(笑)で、妻側からの一方的な指摘が何とも潔い。「『主婦の座』を夫に譲って」、「期待しなければ楽」「夫は夫、妻は妻」、「悪い人ではないがただそれだけ」、「夫といる時の自分が嫌」、「3件の老人ホームを転々と」などの体験話が、中級老人を笑わせ怯えさせながら、老後は人間自立の最終段階であることをストレートに納得させる。

確認したのは、『言葉』が定年後の暮らしを左右すること。老人力は、気力・体力・判断力だが、この根底に豊かな言語力(話す・聞く・書く・読む)があるようだ。自分をあるがままに客観化したり、他から学び悪い癖を直したり、昔の成功体験をいつまでも引き引きずらない、そんな暮らしの必須条件みたいな気がする。


「波風食堂」造作に昼夜分かたず邁進しこのブログ作成も久しぶり。これも暮らしの中の大事な「言葉」。大工仕事の様子は裏ブログ「鬼灯飾る」ピザ作る、ママヨさんが。立男はピザソース。売っているものは作れる、暮らしの中、少しでもでこのことを皮膚感覚で分かりたい。

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『夕焼け』の詩

2017年10月08日 | 日記・エッセイ・コラム

黒雲に被われた雨の中、西に夕陽、東に青空を見ながらの帰り道。「天気雨」が為せる不思議な夕空。ふと、印象深い『夕焼け』の詩があったな、吉野弘の『夕焼け』とは違う趣のやつ、なんて思いながら家で開いた八木重吉詩集。夕陽を詩人という人種はこんなふうに描くのか。ペン軸の端をつまむように持ちインクで書き写す。ちょっとした危うさがこの詩のどこかに隠されているような気がする。

「手をにぎりあわせてふりながら」は誰かと一緒に夕陽を浴びている光景だろう。「手をふり」のリフレインは強調でなくその2人が横に並んで手を振る様子だ。この詩の「有名なエピソード」が詩集の解題に。興味ある方は、八木の妻の登美子、吉野秀雄、小林秀雄で検索を。亡き『八木重吉』が広く読まれるきっかけになった詩がこれとのこと。

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中華ランチ№8

2017年10月02日 | 図工・調理

国人の知人が今回の当番。時計回りに、上が『蒜茸小白菜』(青梗菜の油炒め)、下が『紅焼排骨』(豚スペリブを使った「肉じゃが」)、左が『麻婆豆腐』(汁気が無い)。ごく普通の、四川省家庭料理とのこと。いつも通り辛いが、身体が馴染んできた感じ。豆板醤を使う機会増え、今年半年でそれ以前の全使用量(64年間分)に匹敵するぐらい使ったと思う。今回も美味い。減量中につき注意して食べる。

回№9の「中華ランチは」は波風氏が当番。「とんかつの肉はここ」と決めている肉屋さんに聞いたら冷凍だが丸鶏いつでもある、とのことで、黄金スープ作り、バンバンジーや塩ラーメンにしようかな。それとも、未だ満足のいかない海老焼売にしようかな。


この知人の料理レシピの手書きメモがすべて漢字。当たり前と言えば当たり前だが、いたく感心。小学校で約5千字、小1で5百字も習うとのこと、恐るべし中国。日本の高校生なら3千字で立派「お前の母ちゃん出べそ」レベルの口げんか。あまりの程度の低さに絶句。エスカレートすれば「やれるもんならやってみろ意気地無し」となる 『自分ファースト』が一目瞭然の政治状況。庶民がこんなに馬鹿にされる選挙も珍しい。

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