老人暮らしの指南書『この先をどう生きるか 暴走老人から幸福老人へ』(藤原智美著:文藝春秋)。こんな感じなら面白く、素敵な人生だろうなあと思う道を言葉で示してもらう感じ。この種の本は、功成り遂げた文化老人や趣味老人の押しつけ心得や自嘲的な自慢話多いが、この本は違う。吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』がそうであるように、生き方の方法論でなく、生涯の挑戦課題-人間的自立を考える一冊。
充実した人生を送るために「出した答え」(最終章「暮らしを価値にする」から)は、「『上下の話法』から『対等の話法』への切り替え」、「『目的の価値化』から『行為の価値化』への指向の転換」、『虚栄心を捨てて謙虚な自尊心に立ち返る』、「『書くこと』で自分とのつながりをはかり、持続的な自己対話をはかる」の4つと明快。
その実例と思ったのが、5日のTV『ポツンと一軒家』。和歌山の87歳の男性の話。足の悪い奥さんを麓に移し、20年間一人で住む理由と暮らし方に驚く。「暮らしの価値」を思う。車不可2キロの道の整備、手の行き届いた立派な住居と畑、見事な暮らし方、何とも言えない笑顔。なんて格好いいんだろう。誰もお客さんが来なくてもゴミ一つ無く、花を飾る暮らし。世の中には立派な人がいるものだ。
公式裏ブログを「田舎饅頭をつくる」で更新。連休中は、お客さん2組接待、流木工作、遠足、花壇整備前の準備で日が暮れた。