電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

まだ寒い早春の日、ボッケリーニの室内楽を聴く〜ギター五重奏曲ほか

2025年03月10日 06時00分20秒 | -室内楽
三寒四温を繰り返しながらしだいに春らしさを増してきているこの頃、まだまだ暖房を稼働させながらボッケリーニの室内楽を聴きました。ボッケリーニと言えばハイドンやモーツァルトの時代の作曲家・チェロ奏者で、チェロ協奏曲や弦楽五重奏曲など多くの作品を残した人(*1)という認識ですが、私にとってはワゴンセールで入手(*2)した NAXOS の CD で親しんだギター五重奏曲(*3)がいちばん身近な曲かもしれません。たくさんある同ジャンルの中から YouTube で探してみたところ、たくさんの動画が見つかりました。その中からいくつかをご紹介。もしかして、第1ヴァイオリンは寺神戸亮さん? 冒頭にはフラメンコ風に女性が先導してギター奏者が登場する場面もあり、第4楽章などはまるっきり「ファンダンゴ」の場面です。あっそうか、それで副題が "Fandango" なのか! 演奏中に美女に邪魔されるのが良いのか悪いのか微妙なところですが(^o^)、なかなか楽しいです(^o^)/

Luigi Boccherini: Guitar Quintet No. 4 in D major "Fandango", G.448 – Bremer Barockorchester

続いて、私のお気に入りの曲、第7番(G.451)です。

Luigi Boccherini, Quintet for guitar and strings in E minor G 451. Francesco Romano guitar


Wikipedia のボッケリーニの解説中に、面白い逸話(*4)を見つけました。そのまま引用します。
 ある日のこと、ボッケリーニの新しい室内楽の評判を聞いたカルロス皇子(後のカルロス4世)は、彼を宮廷に招き、自らその曲の演奏に加わる機会を作った。カルロス皇子は第1ヴァイオリンを担当した。途中、第1ヴァイオリンに「ド、シ、ド、シ」を繰り返す場面があり、暫く我慢していた皇子もその長さに痺れを切らしてこう言った。「ド、シ、ド、シ!こりゃひどい、初心者でもこうは書くまい!」ボッケリーニは反論する。「殿下、よくお聴き下さい、第1ヴァイオリンの繰り返しの間に奏でられる第2ヴァイオリンとヴィオラの響き、またチェロによるピチカートを!これらの音の対話が見事になされた時、そのフレーズが単調との思いは失われるでしょう」「ド、シ、ド、シ!半時も!なんと愉快な対話だ。下手な初学者の悪い見本だな」ボッケリーニは引かなかった。「殿下、斯様な判断をされる前に御自身の音楽への理解を御深め下さい」怒った皇子はボッケリーニの脚を掴み、窓から落とさんばかりであった。その後、二度と王家に呼ばれる事は無かった。
いやはや、宮仕えをしようとすると音楽家も大変です。「貴方は高貴な身分に生まれた意外に何事かをなしたのか?」と問うたというベートーヴェンの気持ちがよくわかります(^o^)/



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