赤毛の司祭アントニオ・ヴィヴァルディの、12曲からなる協奏曲集「調和の霊感」を聴いています。手元にあるのは、イタリア合奏団による全曲版、2枚組CD(DENON COCO-70510~1)と、もう一つ、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団による抜粋盤(F00L-23004)です。抜粋盤の方は、第6番、第8番、第10番の3曲だけを収録したもので、London Best 100というシリーズの目玉の一つであったろう「四季」のおまけみたいなものですが、好感の持てる立派な演奏であることに間違いはありません。
この曲集は、ヴィヴァルディの作品のうち、Op.1(二つのヴァイオリンのためのソナタ集)とOp.2(ヴァイオリンソナタ集)に続いて三番目に発表された曲集であると同時に、協奏曲集としては初、しかもイタリア国外で出版された最初の曲集としても重要なものだそうです。合奏協奏曲から一歩進み、独奏楽器を加えた協奏曲のスタイルを確立したという意味でも重要なもので、大バッハがこの曲集から5曲を鍵盤楽器のために編曲しているとか。
この協奏曲集は、かなり長い期間にわたって作曲されたものらしく、たぶん「ピエタ」と呼ばれた女子救貧院に付設の合奏団で、少女たちによって演奏されたものなのでしょう。優れた演奏表現技術を身につけた幾人かを独奏者に選び、独奏者を交代させることで少女たちの嫉妬を分散させ、華やかさと情熱の振幅を高めたのではないかと思います。
殺風景な単身赴任のアパートで、ノートパソコンに接続した小型のスピーカから、美しい弦楽合奏の響きが聞こえてくると、室内がぱっと明るくなるようです。ノートパソコンに接続した小型のスピーカでは、音を云々できるものではありませんが、それでもイタリア合奏団の演奏の特徴、高音がふわっとやわらかで華やかなところや、落ち着いたテンポでよく歌うところなどは、楽しく聞き取ることができます。それに対して、アカデミー室内管弦楽団の演奏のほうは、より重心の低い、相対的に中低音がしっかりした音で、テンポが速くシャープな演奏のように感じられます。
参考までに、ヴァイオリン学習者のための教材としても名高いという、協奏曲第6番(独奏ヴァイオリンのための)の演奏データを示します。
■イタリア合奏団
I=3'13" II=2'38" III=2'28" total=8'19"
■マリナー指揮アカデミー室内管
I=2'52" II=1'59" III=2'31" total=7'22"
この曲集は、ヴィヴァルディの作品のうち、Op.1(二つのヴァイオリンのためのソナタ集)とOp.2(ヴァイオリンソナタ集)に続いて三番目に発表された曲集であると同時に、協奏曲集としては初、しかもイタリア国外で出版された最初の曲集としても重要なものだそうです。合奏協奏曲から一歩進み、独奏楽器を加えた協奏曲のスタイルを確立したという意味でも重要なもので、大バッハがこの曲集から5曲を鍵盤楽器のために編曲しているとか。
この協奏曲集は、かなり長い期間にわたって作曲されたものらしく、たぶん「ピエタ」と呼ばれた女子救貧院に付設の合奏団で、少女たちによって演奏されたものなのでしょう。優れた演奏表現技術を身につけた幾人かを独奏者に選び、独奏者を交代させることで少女たちの嫉妬を分散させ、華やかさと情熱の振幅を高めたのではないかと思います。
殺風景な単身赴任のアパートで、ノートパソコンに接続した小型のスピーカから、美しい弦楽合奏の響きが聞こえてくると、室内がぱっと明るくなるようです。ノートパソコンに接続した小型のスピーカでは、音を云々できるものではありませんが、それでもイタリア合奏団の演奏の特徴、高音がふわっとやわらかで華やかなところや、落ち着いたテンポでよく歌うところなどは、楽しく聞き取ることができます。それに対して、アカデミー室内管弦楽団の演奏のほうは、より重心の低い、相対的に中低音がしっかりした音で、テンポが速くシャープな演奏のように感じられます。
参考までに、ヴァイオリン学習者のための教材としても名高いという、協奏曲第6番(独奏ヴァイオリンのための)の演奏データを示します。
■イタリア合奏団
I=3'13" II=2'38" III=2'28" total=8'19"
■マリナー指揮アカデミー室内管
I=2'52" II=1'59" III=2'31" total=7'22"