大寒を過ぎたのに全く雪がない冬の夜、山Qこと山形弦楽四重奏団の第90回定期演奏会に出かけました。会場はいつもの文翔館議場ホールではなく、前回同様にやまぎん県民ホールのスタジオ1です。プログラムは、
という内容です。クラリネットは、山形交響楽団の首席クラリネット奏者の川上一道さん。
長方形のスタジオの短辺側に設けられたステージ上の配置は、左からヴァイオリン:中島光之、ヴィオラ:倉田譲、チェロ」茂木明人となっています。例によって、皆さん黒を貴重としたシャツで茂木さんの明るいネクタイがワンポイントになっています。
第1曲、シューベルトの弦楽三重奏曲第1番は、作曲者19歳頃の1816年9月に作られた曲だそうですが、歌、旋律を器楽曲の枠組みに落とし込むのがうまくいかないと中断放棄してしまうクセがあった例にもれず、第1楽章だけが完成し第2楽章の途中で中断、結局は未完に終わってしまいます。私も聴くのは初めてですが、曲自体はシューベルトらしいやわらかな旋律が特徴的なチャーミングなものでした。
第2曲、イヴァン・ミュラーのクラリネット四重奏曲。ステージ上は左からクラリネット:川上一道、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという配置。プログラムノートによれば、ミュラーという人は1786年生まれ、1854年に没した「エストニア生まれのドイツのクラリネット奏者、バセットホルン奏者、発明家」として活躍した人だそうで、バセットホルンやクラリネットの孔をふさぐタンポを発明したとのことです。ベートーヴェンより一回りと少し若く、シューベルトやシューマンらと同時代の人のようです。演奏家として楽器の不満点があると自分で工夫改善、発明してしまうというタイプだったのかな。
第1楽章:アレグロ・モデラート・マ・コン・スピリト、鋭いクラリネットの音で開始します。管楽器の音と弦楽器の音の違いを感じながら、クラリネットの魅力的な低音から高音まで駆け上がるようなパッセージなどに、改良されていった楽器の特徴があらわれているのかもしれません。第2楽章:アンダンテ・主題と変奏。短調の緩徐楽章から長調に戻ってテンポアップし、先の主題に回帰し下降する音、響きが実に魅力的です。
ここで15分の休憩が入りました。
後半のプログラムは、シューベルトの弦楽三重奏曲第2番から。第1楽章:アレグロ・モデラート。やっぱり実演ならではの響きです。レアな曲目でも、今は YouTube 等で接することはできるわけですが、当然ながら生の響きには負けます。第2楽章:アンダンテ、第3楽章:メヌエット、アレグレット。弦楽四重奏と比べると、やっぱりヴァイオリンの負担が大きいように感じます。第1と第2とヴァイオリンが二人になることで、響きの面でも動きの面でも、多彩な展開ができるのかもしれません。わずか2曲で終わったシューベルトの弦楽三重奏曲、案外そのへんに理由があったのかも。第4楽章:若いシューベルトが室内楽の形式にまとめた音楽、それぞれの楽器に出番というか見せ場を作っているようです。軽やかに主題に戻ります。
最後の曲目は、ミュラーのクラリネット四重奏曲第1番です。黒と緑の模様のシャツ姿でクラリネットを手に川上さんが登場、ステージ上は左から順にクラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという配置です。第1楽章:アレグロ。クラリネットがたいへん見事な活躍を見せます。弦三人に音量面でも負けないくらいで、たぶんクラリネット奏者だった作曲家は自分の楽器を目立たせるためにわざわざそのように書いたのだな(^o^)/ 第2楽章:アダージョ・コン・エスプレッシオーネ。ここではクラリネットは抑制気味に、弦の叙情的なところがいいなあ。第3楽章:ポロネーズ。再び活発なクラリネット、弦のポロネーズのリズムがおもしろい!弓が弦の上で飛び跳ねるようにリズムを刻むかと思えばピツィカートで軽やかに。クラリネットの妙技がすごい、スゴイ! イヴァン・ミュラーのクラリネット四重奏曲第1番、こんな作曲家、こんな曲もあったんだなあ。あらためて魅力を再認識しました。これはぜひCDを探して買いたいものです。
◯
次回は4月26日(金)、18:45〜、文翔館議場ホールにて、犬伏亜里(Vn)さん、田中知子(Vla)さんを迎えて、モーツァルトの弦楽五重奏曲第1番、弦楽四重奏曲第2番、シューベルトの弦楽四重奏曲第2番を予定とのこと。これは楽しみです。手帳のスケジュールににしっかり転記しました。世の中、原則は先約優先です(^o^)/
- シューベルト 弦楽三重奏曲第1番 変ロ長調 D.471
- ミュラー クラリネット四重奏曲第2番 ホ短調
- シューベルト 弦楽三重奏曲第2番 変ロ長調 D.581 (第1稿)
- ミュラー クラリネット四重奏曲第1番 変ロ長調
という内容です。クラリネットは、山形交響楽団の首席クラリネット奏者の川上一道さん。
長方形のスタジオの短辺側に設けられたステージ上の配置は、左からヴァイオリン:中島光之、ヴィオラ:倉田譲、チェロ」茂木明人となっています。例によって、皆さん黒を貴重としたシャツで茂木さんの明るいネクタイがワンポイントになっています。
第1曲、シューベルトの弦楽三重奏曲第1番は、作曲者19歳頃の1816年9月に作られた曲だそうですが、歌、旋律を器楽曲の枠組みに落とし込むのがうまくいかないと中断放棄してしまうクセがあった例にもれず、第1楽章だけが完成し第2楽章の途中で中断、結局は未完に終わってしまいます。私も聴くのは初めてですが、曲自体はシューベルトらしいやわらかな旋律が特徴的なチャーミングなものでした。
第2曲、イヴァン・ミュラーのクラリネット四重奏曲。ステージ上は左からクラリネット:川上一道、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという配置。プログラムノートによれば、ミュラーという人は1786年生まれ、1854年に没した「エストニア生まれのドイツのクラリネット奏者、バセットホルン奏者、発明家」として活躍した人だそうで、バセットホルンやクラリネットの孔をふさぐタンポを発明したとのことです。ベートーヴェンより一回りと少し若く、シューベルトやシューマンらと同時代の人のようです。演奏家として楽器の不満点があると自分で工夫改善、発明してしまうというタイプだったのかな。
第1楽章:アレグロ・モデラート・マ・コン・スピリト、鋭いクラリネットの音で開始します。管楽器の音と弦楽器の音の違いを感じながら、クラリネットの魅力的な低音から高音まで駆け上がるようなパッセージなどに、改良されていった楽器の特徴があらわれているのかもしれません。第2楽章:アンダンテ・主題と変奏。短調の緩徐楽章から長調に戻ってテンポアップし、先の主題に回帰し下降する音、響きが実に魅力的です。
ここで15分の休憩が入りました。
後半のプログラムは、シューベルトの弦楽三重奏曲第2番から。第1楽章:アレグロ・モデラート。やっぱり実演ならではの響きです。レアな曲目でも、今は YouTube 等で接することはできるわけですが、当然ながら生の響きには負けます。第2楽章:アンダンテ、第3楽章:メヌエット、アレグレット。弦楽四重奏と比べると、やっぱりヴァイオリンの負担が大きいように感じます。第1と第2とヴァイオリンが二人になることで、響きの面でも動きの面でも、多彩な展開ができるのかもしれません。わずか2曲で終わったシューベルトの弦楽三重奏曲、案外そのへんに理由があったのかも。第4楽章:若いシューベルトが室内楽の形式にまとめた音楽、それぞれの楽器に出番というか見せ場を作っているようです。軽やかに主題に戻ります。
最後の曲目は、ミュラーのクラリネット四重奏曲第1番です。黒と緑の模様のシャツ姿でクラリネットを手に川上さんが登場、ステージ上は左から順にクラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという配置です。第1楽章:アレグロ。クラリネットがたいへん見事な活躍を見せます。弦三人に音量面でも負けないくらいで、たぶんクラリネット奏者だった作曲家は自分の楽器を目立たせるためにわざわざそのように書いたのだな(^o^)/ 第2楽章:アダージョ・コン・エスプレッシオーネ。ここではクラリネットは抑制気味に、弦の叙情的なところがいいなあ。第3楽章:ポロネーズ。再び活発なクラリネット、弦のポロネーズのリズムがおもしろい!弓が弦の上で飛び跳ねるようにリズムを刻むかと思えばピツィカートで軽やかに。クラリネットの妙技がすごい、スゴイ! イヴァン・ミュラーのクラリネット四重奏曲第1番、こんな作曲家、こんな曲もあったんだなあ。あらためて魅力を再認識しました。これはぜひCDを探して買いたいものです。
◯
次回は4月26日(金)、18:45〜、文翔館議場ホールにて、犬伏亜里(Vn)さん、田中知子(Vla)さんを迎えて、モーツァルトの弦楽五重奏曲第1番、弦楽四重奏曲第2番、シューベルトの弦楽四重奏曲第2番を予定とのこと。これは楽しみです。手帳のスケジュールににしっかり転記しました。世の中、原則は先約優先です(^o^)/
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