講談社から2020年7月に刊行されたブルーバックスで、水谷正大著『LaTeX超入門〜ゼロから始める理系の文書作成術』を読みました。たまたま図書館で手にして、ちょうど試そうと思っていた Cloud LaTeX というオンラインサービスについての記載があり、借りて読んでみた次第です。
考えてみれば、LaTeX 本を買わなくなってからしばらくなります。最初に購入したのが奥村晴彦著『美文書作成入門』の初版第1刷(1993年)で、FM-Towns に GNU-2 CD-ROM から高橋忠志版 TeX/LaTeX を導入、この本の記述を手がかりに、便利に使い始めたものでした。以後、改訂されるごとに購入し、便利に使っていました(*1)が、今手元にあるのは2007年の改訂第4版が最新です。その意味では、本書は実に13年ぶりに接する LaTeX 本です。
コンパクトな新書版のサイズではありますが、本書の構成は次のようになっています。
この中で、パラグラフ・ライティングを含む通常の LaTeX 文書の書き表し方については特に変わったところはありませんが、改訂第4版までの奥村本には記載のない、Cloud LaTeX 等のオンラインサービスの使い方やそこでの画像に関するテクニック、縦書き日本語文書クラス jlreq、スライドの作成 beamer パッケージ、高機能な作画法 TikZ/PGF などに関する記述は、初めて知ることが多いです。おそらくは、私が TeX/LaTeX から離れていたこの10年の間に、大きな変化が起こっていたのでしょう。
また、奥村本をはじめ従来の LaTeX 本は分厚く高価なものが多かったうえ、TeX/LaTeX システムのインストールと設定には、細かく気を使うことが多かったので、いざ使い始めるまでの関門が高かったように感じます。Cloud LaTeX のようなオンラインサービスを使えば、環境設定の面倒もありませんし、ブルーバックスのような安価でコンパクトな本があれば、理系の学生さんたちには便利だろうと思います。新型コロナウィルス禍の影響で大学を続けることが困難になっている若い人が多い時代に、これから LaTeX で論文を書こうという学部学生・大学院生にとってはかなりの福音になっているのかもしれません。
(*1):LaTeXで資料を作成〜「電網郊外散歩道」2005年1月
考えてみれば、LaTeX 本を買わなくなってからしばらくなります。最初に購入したのが奥村晴彦著『美文書作成入門』の初版第1刷(1993年)で、FM-Towns に GNU-2 CD-ROM から高橋忠志版 TeX/LaTeX を導入、この本の記述を手がかりに、便利に使い始めたものでした。以後、改訂されるごとに購入し、便利に使っていました(*1)が、今手元にあるのは2007年の改訂第4版が最新です。その意味では、本書は実に13年ぶりに接する LaTeX 本です。
コンパクトな新書版のサイズではありますが、本書の構成は次のようになっています。
第1章 LaTeX にできること
第2章 Cloud LaTeXで始める LaTeX
第3章 LaTeX 文書の書き方
第4章 文書を構成する書式(概要/引用/文章の配置/箇条書き/書体/特殊な記号の表示 など)
第5章 数式を書く
第6章 便利な機能を使いこなす(ハイパーリンク/文字列の変形/ルビ/縦書き など)
第7章 参考文献と索引
第8章 作表
第9章 スライドの作成
第10章 作画
第11章 さらに進んだ使いかたの仕方
この中で、パラグラフ・ライティングを含む通常の LaTeX 文書の書き表し方については特に変わったところはありませんが、改訂第4版までの奥村本には記載のない、Cloud LaTeX 等のオンラインサービスの使い方やそこでの画像に関するテクニック、縦書き日本語文書クラス jlreq、スライドの作成 beamer パッケージ、高機能な作画法 TikZ/PGF などに関する記述は、初めて知ることが多いです。おそらくは、私が TeX/LaTeX から離れていたこの10年の間に、大きな変化が起こっていたのでしょう。
また、奥村本をはじめ従来の LaTeX 本は分厚く高価なものが多かったうえ、TeX/LaTeX システムのインストールと設定には、細かく気を使うことが多かったので、いざ使い始めるまでの関門が高かったように感じます。Cloud LaTeX のようなオンラインサービスを使えば、環境設定の面倒もありませんし、ブルーバックスのような安価でコンパクトな本があれば、理系の学生さんたちには便利だろうと思います。新型コロナウィルス禍の影響で大学を続けることが困難になっている若い人が多い時代に、これから LaTeX で論文を書こうという学部学生・大学院生にとってはかなりの福音になっているのかもしれません。
(*1):LaTeXで資料を作成〜「電網郊外散歩道」2005年1月
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