電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

藤沢周平『風の果て』(上下)を18年ぶりに再読する

2025年01月10日 06時00分25秒 | -藤沢周平
録画DVDでNHK木曜時代劇「風の果て」を観た後、どうしても原作を読みたくなって、文春文庫の上下巻を手に取りました。二日間かけて読了し、あらためて藤沢周平の代表作の一つと実感しました。そういえば、これまで本作品を何回読んでいるのだろう? 読書記録を調べてみると、どうやら次のようになるようです。
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2025/01/08 藤沢周平『風の果て(下)』再読了 文春文庫で藤沢周平著『風の果て』下巻を再読了した。NHK木曜時代劇の第8回は原作にはなく脚本家の創作であることは、野瀬市之丞との果たし合いの後に類がやってくる場面に明らか。そんな場面は原作にはない。脚本家は孤独な市之丞に肩入れして女性を配したかったのだろうが、通俗だった。
2025/01/07 藤沢周平『風の果て(上)』再読了 NHK木曜時代劇のDVDを観て原作を読みたくなり、文春文庫の藤沢周平著『風の果て』上巻を再読了した。テレビの脚本は原作よりだいぶ劣ると痛感。
2007/04/09 藤沢周平『風の果て』下巻の記事を投稿 藤沢周平『風の果て』下巻の記事をブログに投稿した。
2007/04/08 藤沢周平『風の果て』下巻を再読了 文春文庫で、藤沢周平著『風の果て』下巻を再読了した。併せて、上巻の記事をブログに投稿した。
2007/04/07 藤沢周平『風の果て』上巻を再読了 文春文庫で、藤沢周平著『風の果て』上巻を再読了した。
2004/04/29 藤沢周平『風の果て(下)』再読了 文春文庫で、藤沢周平著『風の果て(下)』を再び読了した。
2004/04/28 藤沢周平『風の果て(上)』再読了 文春文庫で、藤沢周平著『風の果て(上)』を再び読了した。
2004/02/26 藤沢周平『風の果て(上)』読了 文春文庫で、藤沢周平著『風の果て(上)』を読了した。
2004/02/26 藤沢周平『風の果て(下)』読了 文春文庫で、藤沢周平著『風の果て(下)』を読了した。充実した好ましい物語性を持った作品だが、『三屋清左衛門残日録』などと比較すると、回想の部分と現在の部分が入り組みすぎ、ややわかりにくい。
2003/12/09 藤沢周平『風の果て(下)』読了 文春文庫で、藤沢周平著『風の果て(下)』を読了した。『蝉しぐれ』『三屋清左衛門残日録』『用心棒日月抄』などと並ぶ良い作品だと思う。
2003/12/08 藤沢周平『風の果て(上)』読了 文春文庫で、藤沢周平著『風の果て(上)』を読了した。
なるほど、2003年、2004年2月、同4月、2007年、そして2025年の計5回、18年ぶりの読了ということになります。当初は主として上村隼太の成長を主題とした物語としてとらえ、山本周五郎『ながい坂』との構造的類似性(*1)などを感じていました。しかし、主人公をはじめ若者たちが成長する様々な人生を縦糸に描きながら、現在という断面には桑山孫左衛門と野瀬市之丞の果たし合いにまつわるミステリーの要素を加えて織り上げた良質な長編作だと感じます。過去を丹念に描く中で章の冒頭には現在が語られる物語の構造は、『ながい坂』にはない工夫でしょう。この作品が、中高年の読書好きを魅了する理由は、そのあたりにも理由がありそうな気がします。


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