中学や高校の、たぶん地理の時間に、「フォッサマグナ」というのを習いました。日本列島のうち、本州を東西に分ける大地溝帯で、糸魚川〜静岡構造線を含み、南北に走るベルト地帯です。50年前の中高生時代は、プレートテクトニクスなどという学説も習わず、「そこにそういうものがあるのだ、覚えろ」と言われて、存在を不思議に思いながらも「そういうものか」と思っただけでした。
近年、テレビ等でもプレートテクトニクスの解説が頻繁に登場します。太平洋の海底には南北に連なる東太平洋海嶺というものがあり、これを境に東西に海底がゆっくりと移動しており、その片方が太平洋プレートとなって日本列島の東日本の下に沈み込んでいる。これが東日本大震災を引き起こす原因となった、という説明に、なるほどと思ったものでした。同様に、西日本にはフィリピン海プレートが北上し、南海トラフを中心として大きな地震の発生が予想されているとのことです。
一方で、日本海で発生する地震については、あまり明快な解説を耳にすることもなく、新潟地震や日本海中部地震、北海道南西沖地震、さらに今年の庄内地方の地震についても、原因は何なのだろうと不思議に思っていました。太平洋プレートの沈み込みによる影響と言うには、太平洋側を震源とする地震の震度分布から見ても距離が離れるほど影響はずっと小さくなっているではないか、何か、日本海側に独自の理由があるはずだ、というわけです。
最近、プレートテクトニクスに関する解説を調べながら、通販で購入した白地球儀(*1)に概略を書き込んでみて、はたと気が付きました。北海道・東北地方は北米プレートの西端の上にあり、日本海においてユーラシア・プレートに接触ないしは乗り上げている。そのために日本海側は隆起傾向にあるようだ(*2)。サハリンと大陸の間にある間宮海峡は、北米プレートとユーラシア・プレートの境界を示しており、シベリア最東部はユーラシア・プレートと北米プレートがぶつかり、おそらくはこのために、シベリア東部の河川は南北に流れているのだ、と。
(Wikipediaより)
そうすると、日本列島は北米プレートとフィリピン海プレートが南北にぶつかり、太平洋プレートとユーラシア・プレートが東西からぶつかっている「しわ寄せ列島」だということになります。そこで、はたと気が付きました。「フォッサマグナ」は、北米プレートとユーラシア・プレートの境界なのだ。なるほど、そうだったのか。それで「フォッサマグナ」などというものが存在するのか!
では、ユーラシア・プレートが西から日本列島を圧迫しているのはなぜなのか? 白地球儀を北極側から眺めて、理解しました。要するに、大西洋中央海嶺から東西に移動しているプレートの動きが、まわりまわってユーラシア・プレートを圧迫する力になっており、東太平洋海嶺から東西に移動するプレートの動きが太平洋プレートになっている、ということなのでしょう。このあたり、平面の地図では生まれにくい、全体的な認識かと思います。
日本海の地震から始まり、現代のプレートテクトニクスも北極海の下やアフリカから南極あたりの状況がよくわからない面があるらしいとか、「フォッサマグナ」の存在は日本海東縁変動帯(*3)に位置づけるとよく理解できるとか、思わず「わーお!」と叫びたいほどよくわかった出来事でした。
(*1):白地図があるなら白地球儀はあるか?あった!〜「電網郊外散歩道」2019年12月
(*2):松尾芭蕉が奥の細道で「松島は笑うがごとく象潟は憾むがごとく」と読んだ象潟海岸が今は隆起して陸地になっているように、東日本の太平洋岸は沈降傾向ですが、日本海側は隆起傾向だそうです。
(*3):日本海東縁変動帯〜Wikipediaの解説
近年、テレビ等でもプレートテクトニクスの解説が頻繁に登場します。太平洋の海底には南北に連なる東太平洋海嶺というものがあり、これを境に東西に海底がゆっくりと移動しており、その片方が太平洋プレートとなって日本列島の東日本の下に沈み込んでいる。これが東日本大震災を引き起こす原因となった、という説明に、なるほどと思ったものでした。同様に、西日本にはフィリピン海プレートが北上し、南海トラフを中心として大きな地震の発生が予想されているとのことです。
一方で、日本海で発生する地震については、あまり明快な解説を耳にすることもなく、新潟地震や日本海中部地震、北海道南西沖地震、さらに今年の庄内地方の地震についても、原因は何なのだろうと不思議に思っていました。太平洋プレートの沈み込みによる影響と言うには、太平洋側を震源とする地震の震度分布から見ても距離が離れるほど影響はずっと小さくなっているではないか、何か、日本海側に独自の理由があるはずだ、というわけです。
最近、プレートテクトニクスに関する解説を調べながら、通販で購入した白地球儀(*1)に概略を書き込んでみて、はたと気が付きました。北海道・東北地方は北米プレートの西端の上にあり、日本海においてユーラシア・プレートに接触ないしは乗り上げている。そのために日本海側は隆起傾向にあるようだ(*2)。サハリンと大陸の間にある間宮海峡は、北米プレートとユーラシア・プレートの境界を示しており、シベリア最東部はユーラシア・プレートと北米プレートがぶつかり、おそらくはこのために、シベリア東部の河川は南北に流れているのだ、と。
(Wikipediaより)
そうすると、日本列島は北米プレートとフィリピン海プレートが南北にぶつかり、太平洋プレートとユーラシア・プレートが東西からぶつかっている「しわ寄せ列島」だということになります。そこで、はたと気が付きました。「フォッサマグナ」は、北米プレートとユーラシア・プレートの境界なのだ。なるほど、そうだったのか。それで「フォッサマグナ」などというものが存在するのか!
では、ユーラシア・プレートが西から日本列島を圧迫しているのはなぜなのか? 白地球儀を北極側から眺めて、理解しました。要するに、大西洋中央海嶺から東西に移動しているプレートの動きが、まわりまわってユーラシア・プレートを圧迫する力になっており、東太平洋海嶺から東西に移動するプレートの動きが太平洋プレートになっている、ということなのでしょう。このあたり、平面の地図では生まれにくい、全体的な認識かと思います。
日本海の地震から始まり、現代のプレートテクトニクスも北極海の下やアフリカから南極あたりの状況がよくわからない面があるらしいとか、「フォッサマグナ」の存在は日本海東縁変動帯(*3)に位置づけるとよく理解できるとか、思わず「わーお!」と叫びたいほどよくわかった出来事でした。
(*1):白地図があるなら白地球儀はあるか?あった!〜「電網郊外散歩道」2019年12月
(*2):松尾芭蕉が奥の細道で「松島は笑うがごとく象潟は憾むがごとく」と読んだ象潟海岸が今は隆起して陸地になっているように、東日本の太平洋岸は沈降傾向ですが、日本海側は隆起傾向だそうです。
(*3):日本海東縁変動帯〜Wikipediaの解説
日本列島内部の地震は、活断層によるもので、直下型地震はマグニチュード値以上に被害が大きくなるため、コワイですね。
沖縄と九州と、飛行機をタクシー代わりにする生活の様子、どうぞ健康でますますご活躍下さい。当方、もう少しすると晴耕雨読の生活にしばし別れを告げ、晴れたら雪かき、降ったらアホ猫とたわむれる生活となりそうです(^o^)/
・白地球儀うらやましいです。(アマゾンは何でも売っている!)
・ユーラシアプレートの動きについては、地図帳では、地球の裏は見えませんので、白地球儀の面目躍如です。
・「シベリア東部の河川は、(プレートのしわ寄せにより)南北に流れている。」は卓見です。このことは、子供の時から不思議でした。
・日本列島内陸部の地震のエネルギー源は、プレートのエネルギーに起因していると考えられます。断層(ひび割れ・クラック)に長い年月をかけて、エネルギーが蓄積され、母材(傷のないフレッシュな地盤)に先駆けて、断層部が壊れるのが地震であると考えています。いかがでしょうか?
・本年6月より、沖縄営業所の支店昇格に伴い、九州支店と兼務辞令となりました。月10回ほど飛行機に乗る日々ですが、ブログは欠かさず拝見しています。今年は草刈り機の話題が特にうらやましかったです。ネタ拾いも大変と思いますが、頑張ってください。
・もうしばらく、東奔西走の日々です。晴耕雨読はまだお預けのようです。
・メリークリスマス、そして、よいお年をお迎えください。