15歳の勝昭は護郷隊に入って日本軍将兵の斥候として村に降りて行った。真面目に成果を誇示するように、(その純な心を利用する軍隊)、母親が渡した二人の名前の書いた紙切れを手渡した結果、少年は、戦後村を離れざるを得なかった。勝昭の密告によって日本兵に惨殺されたのは同級生の父親だった。罪悪感を隠し持って戦後を生きた勝昭の心を追った物語になっている。母親の笑いなど、人間の心の奥底に潜んでいる複雑な心の綾がく . . . 本文を読む
両性具有androgynos やアニマ、アニムス、n個の性の概念など、まだひきずっている問がある。以前、ジルドゥルズ/フェリックス・ガタリの『アンチ・オイディプス』を購入したが、n個の性について触れたのは「非人間的な性。ひとつの性でも、二つの性でもなくて、n個の性」の項目で、少し記述されただけである。フロイト主義への否定だということは明らかで、従来の概念を覆す論であるはずが、その言及は少ない。アニ . . . 本文を読む