(白と黄金の蛇ですね。学生の頃奥の山荘近くで番のハブのダンスを見たことを思い出しました!)
実はキャップのないメモリーがデスクの上にあり、前から気になっていたのですが、今日その中身を開いてみてびっくりしました。いつこのメモリーが手元に?全然、覚えがないので、しかも今まで開いていないので、この中身を島元さんや島元さんをサポートしている方々の思いを多くの方々に伝える義務があるのだと思ってUPします。順序があべこべになるかもしれないのですが、関心のあるかたがたはプリントしてその整合性を判断してくださることでしょう。不思議なことが起こります。いつからこのメモリーがあったのか、よくわかりません。キャップがついていないので欠陥品かと思って見過ごしていました。)
島元要先生の直訴状。県教育長あて。琉球舞踊問題。(1)
匿名天使
匿名御免さんに続いて、情報提供です。
琉球舞踊保持者候補選考問題。県教育庁内で動きがありました。
同問題について、この3月30日(金)に、元文化財課芸能担当の島元要指導主事が、県教育長あてに、メールを送っておられます。
この日は前年度平成29年度の最終日です。
島元先生は、前年度平成29年度の1年間休職をして、今年度4月から学校現場に戻っておられるようです。同メールによると、休職に至った原因は、同問題により庁内で孤立し鬱を発症したこと。
添付された資料が膨大なためか、2回に分けて送っておられます。内容は、同問題について庁内で「臆測に基づいて発言する要注意人物」とされていることに対する抗議と、問題解決のための提言。
直訴状といってもいい内容です。教育長だけでなく、同時に庁内関係者50数人にも送っています。
メール2回の内の1回目の内容は、昨年11月28日に教育長あてに送ったメールの訂正版です。2回目はその続き。
ピンときました!去年の12月25日に、教育長との直接の面談が実現しています。
(https://blog.goo.ne.jp/nasaki78/e/a5fd5afbf6d2e22caabfe6b3374f0144)これは、このメールの成果だったんですね。50数人の関係者に情報提供したことで、本件が握りつぶされないようにしたのか。
本ブログでも沸騰した同問題について、丁寧に根拠資料を踏まえて説明していて説得力があります。疑惑として取り上げられたことの真偽がかなり明白になっています。
保存会も、県教育庁も完全にクロじゃん!
実は、一番驚いたのは、琉球舞踊問題(これは予想通り)以上に、平成24年の組踊保存会の補助金不正流用問題!会計検査院や文化庁の指導を受けて数百万円単位の返還をしていたという事実。マスコミ種になってたら、重要無形文化財における大不祥事として大騒ぎになったのでは?
来年は組踊生誕300周年!なんてことでしょう!
このメールによると、琉球舞踊保持者32名(昨年追加認定された方はのぞいて)のうち20名が組踊の保持者と重なる。ああ!懲りない人たちだったわけね!これが、同問題の温床か?
それにしても、昼間、県庁に行くことすら出来ない島元さんが、深夜課内を訪れ、課内のpcから関係者あて送信している姿を想像すると胸が苦しくなります。情報が外部に漏れないように、庁内のpcからpcへと送っています。
だから、私がこれからすることは、島元先生の意に背くことになるかもしれない。
でも不正は暴かれるべきです。
メール本文をコピペして、情報として提供します。2回に分けます。(以下、島元先生のメール本文)
2017年11月28日に「情報提供:琉球舞踊保持者認定問題」というタイトルでお送りしたメールについて、確認したところ何カ所か脱落した部分がありました。下記の通り追記し、訂正箇所を含めて再送申しあげます。追記と訂正箇所は赤字で示しております。ご査収願います。
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沖縄県教育長 平敷 昭人 殿
cc教育委員会3役 各課長 文化財課職員
県教育庁文化財課文化財班の島元要(指導主事)です。
恐れ入りますが、見出しのことについて緊急に情報提供を申しあげます。
本来なら、まず課内で担当者及び上司と共有すべき情報(この中の極めて重要な情報については以前に上司に報告しました)ではありますが、課内において私は「憶測で私見を述べる人物」(これは事実に反します)という評価により、その見解も根拠となる資料も適正な扱いを受けておりません。
現在私は、鬱を発症して休職していることもあり、職場復帰するまでに上記の誤解を解くこともままならない状況です。また、去年12月から書き進めている上申書が、大きなストレスゆえ未だに思うようにまとめられません。
現在は、勤務をしていて1枚の文書も読めない打てない状況になった3月当時と比べると、だいぶ復調しています。それでも、この文書の作成にすら六ヶ月以上かかっています。元気な頃なら数日で仕上げていたと思います。
しかし、巷間取りざたされ県議会でも質問のあった「国指定重要無形文化財琉球舞踊の保持者候補者選考問題」については、上申書の完成や職場復帰を待っていては手遅れになりそうな危惧があり、今緊急に必要な「情報」の提供を申しあげたく存じます。
提供にあたって、まず結論を示し、その根拠を下記の別添の資料に基づいてご説明申しあげます。
添付資料
①重要無形文化財伝承事業費国庫補助要項
②平成28年度国宝重要無形文化財等保存整備費補助金実績報告書(琉球舞踊保存会)
➂会議資料
④文化庁吉田調査官派遣依頼資料
⑤h28琉舞実績(流用分)
⑥琉球舞踊保存会研修修了生資料
⑦報道資料(琉球舞踊の文化財指定・認定関連 h21~h29)
⑧班員への手紙(2016/12/20)
私は、平成20年度から平成26年度まで、7年間当課で無形文化財(芸能)を担当しておりました。平成21年9月に国指定重要無形文化財となった「琉球舞踊」についても担当し、「琉球舞踊」の指定とともに認定された保持者による団体「琉球舞踊保存会」の立ち上げから運営、そして指定の条件となっている伝承者養成事業の策定と実施に関わってきました。
平成27年度から正担当を外れた以降も、文化財班の前班長である濱口寿夫氏の意向により、副担当として新担当をサポートして1年間かけて引き継ぐ予定でありました。通常、旧担当と新担当の事務引き継ぎは、文書の引き継ぎで完了しますが、様々な複雑な問題を抱える芸能界について、この引き継ぎの在り方は適切であったと考えます。
しかし、ある時期から、適切な引き継ぎが行えない状況になりました。現在の上司の意向により、重要な会議や情報から、私が意図的に排除されるようになったからです。(その詳細については、次回メールにてご説明申しあげます。)
今回問題にしている情報とは、県議会でも取り上げられた国指定重要無形文化財琉球舞踊の保持者候補者選考問題に係る情報です。
結論を申しあげます。
今回の国指定重要無形文化財「琉球舞踊」保持者の追加認定に係る、琉球舞踊保存会による「次期保持者候補推薦事業」は、一部の芸能家が琉球舞踊を私物化し、恣意的な事業の運営を行い、一部の舞踊家へ優先して利益の供与を行ったもので、文化財保護法の理念と目的に著しく反するものです。
特定の舞踊家を恣意的に選考するために、全国的にも異例なコンクール形式の審査(実技発表)も不適切な方法で行われました。しかも、この審査を含め保持者候補者選考には国庫補助による伝承者養成事業の研修費用が活用できないのにもかかわらず、流用されました。このことは、許されざる「補助金の不正流用」にあたります。
本来、こうした補助金の使い方について行政が指導を適切に行うべきものですが、不正流用の事実を知りながら、県文化財課の担当者は指導を適切に行わず、むしろこの不正行為に積極的に関与した疑いがあります。
このことは、芸能の本質をも変容させ、伝統文化の未来への正しい継承を妨げる点で沖縄へ与える文化的損失は計り知れません。
そこで、次の二つの観点から、二回に分けてご説明申しあげます。
(1)補助金不正流用問題 (2)文化財保護の本質に係る問題
(1)補助金不正流用問題
伝承者養成事業への国庫補助は、あくまでも事業に対する補助であり、事業を実施する団体の運営への補助ではありません。これは文化庁のHPに掲載されている国庫補助要綱(別添の資料①重要無形文化財伝承事業費国庫補助要項。以下資料①と略)に明らかです。
琉球舞踊保存会(以下、同保存会と略)の場合、補助対象となる事業は、(1)伝承者の養成 伝承者の養成を目的とする研修会、講習会の開催及び実技指導(2)研修発表会 伝承者の養成事業による研修等の成果の発表会(3)資料の収集整理 (文化財保護法第71条の重要無形文化財に限る。)の3点です。
同保存会の「保持者候補者選考」は、内容から(1)(2)(3)のどれにも該当しません。
(1)(2)(3)の具体的な内容については、同保存会の事業実績報告書(別添の資料②平成28年度国宝重要無形文化財等保存整備費補助金実績報告書。以下資料②と略)で確認できます。
同保存会の(1)伝承者養成のための研修には、保持者による「指導」があり、(2)の研修発表会はその研修の成果を評価するためのものです(資料②17頁~22頁参照)。(3)の資料収集はもちろんですが、何の指導も行わない「保持者候補者選考」は、「研修」でも「研修発表会」でもありません。
国の直接の担当者である文化庁伝統文化課調査官吉田純子氏は、文化庁の方針として「伝承者と保持者候補者をリンクさせない」と明言しています。(資料➂会議資料。以下資料➂と略。2頁参照)
また、平成24年7月19日同保存会常任理事会において氏は「文化庁が行っている養成事業は、20代から30代の若手を鍛えるもので、次期保持者を伝承者としているわけではない」と発言しておられます。(資料➂4頁参照)
また平成26年2月10日同保存会執行部会において、前回平成26年1月27日同保存会執行部会で提案のあった「平成26年度の研修の内容は、次の保持者候補を選ぶことを目的とする」という文言に、「保持者の内々の心情としては理解できるが、明文化するのは適切でない」と指摘されました。(資料➂6頁)
誤解されることが多いのですが、国庫補助による伝統芸能の伝承者養成事業とは、不足しがちな伝統芸能の実演家を養成する事業であり、その実演家とは保持者を指しません。
保持者の追加認定は、その保持団体(保存会)の構成員である保持者を補充することです。保持者の認定作業は国(文化庁)が行いますが、その際、国は保持者の「候補者」についての情報提供を保存会に求めます。これを、同保存会では「推薦事業」と言っていますが、叙勲等の推薦と異なり、国から必ずしも県を経由すること(進達)を求められませんので、実質的には「情報提供」です。
その「情報提供」のための候補者選びは保存会の仕事です。これは組織の構成員の補充という運営に係る作業なので、伝承者養成事業の補助金ではなく、一般会計で賄わなければなりません。
伝承者養成事業とは、保持者養成事業ではないからです。
県外の重要無形文化財の保持団体の人が、「伝承者養成事業で保持者候補選考をする」という話を聞けば驚かれると思います。
琉球舞踊保存会の母胎となった県指定沖縄伝統舞踊保存会の伝承者養成事業では、伝承者を保持者に次ぐ地位という誤った認識が広くあり、そのため国指定重要無形文化財の伝承者養成事業についても同様な誤解が引き継がれる心配があり、吉田氏は絶えず伝承者と保持者候補者を混同しないよう保存会と文化財課に注意されておりました。
平成26年3月22日同保存会と顧問の協議会における「国の伝承者養成事業と次期保持者推薦事業を同時進行してほしい」という発言に、両事業を別事業と認識していたことが分かります。(資料➂8頁)
また、同保存会より平成28年12月6日付け琉球舞踊保存会 研修修了生あて通知文「琉球舞踊保存会 研修修了性 実技発表」の見出しには、(次期保持者候補推薦事業 実技審査)という添え書きがあり、本文でも、「当催しは、次期保持者候補推薦に関しての実技審査です」と明記されています(資料➂9頁)。注目すべきは、「研修」ではなく「当催し」という文言が用いられていることです。
この実技発表に関して、以前に出された(平成28年10月22日付け)通知文にも、通知文に添付されている実施要項にも、これまでの研修通知に必ず明記されていた「研修」という文言はありません。
保存会においても、この実技発表が、伝承者養成事業の研修にあたらないという認識であったことが分かります。
これらの保存会作成資料は、私が担当であった平成26年度までは、保存会内だけでなく、私と文化庁伝統文化課吉田純子調査官、保存会文書担当(田幸亜季子氏)の間でメールのやりとりを通して不備や誤謬があれば訂正された上で共有されていました。
同保存会の伝承者養成事業では、調査官に年に二回事業についての指導を受けるための旅費を組んでいます。その派遣依頼についても、吉田純子調査官と同保存会文書担当田幸亜季子氏と県担当の私との間でメールのやり取りをして作成し、同保存会から県教委文化財課を経て文化庁に進達していました。
平成27年2月27日から29日にかけての研修の視察と打ち合わせの際、派遣依頼の項目「指導を受けたい事項」について原案の段階では存在した「伝承者研修及び保持者の選考について」から「保持者の選考」という文言が吉田調査官の指導で削除され、最終的に「伝承者研修について」になりました。(資料④文化庁吉田調査官派遣依頼 以下資料④と略)
もし、同保存会の「次期保持者候補推薦事業」が、伝承者養成事業の取り組みの中で行われているのなら、この派遣依頼から「保持者選考」という文言を削る理由はありません。むしろ明記すべきです。
また、「保持者選考」が、この伝承者養成事業の目的なら、同保存会による文化庁への情報提供(次期保持者候補)は、研修の大きな成果です。その年度の研修の結果や収支精算書と同様に、事業成果の実績報告として、県教委を経由するべきです。前述したような、保存会から県教委を飛び越えて直接文化庁への情報提供という訳にはいきません。国費だけでなく県費も投入している事業です。事業成果に県も責任を負います。ですから、伝承者養成事業に関する重要な事項は全て、研修の内容や、その相談のための文化庁担当官の派遣依頼に至るまで県教委を経由して(進達)してきました。進達を行う必要がないなら、この「次期保持者候補推薦事業」が国庫補助による「伝承者養成事業」に該当しないことになります。
これが、前述の派遣依頼(資料④)の依頼項目から「保持者選考」という文言が削られた理由です。
伝承者養成事業は、要項(資料➁18~19頁)に基づき実施され、最終的に変更点(研修日時、場所、研修の追加等)あれば、その旨が実績報告書の仕様書(資料➁17頁)に記載されます。仕様書の文体をご覧になればおわかりになるかと思いますが、「~した」と過去形になっています。仕様書には研修結果が記載されているわけです。
もし、国庫補助要綱(資料①)、同保存会の伝承者養成事業の事業要項(資料②)や仕様書(資料②)にないものに支出があれば問題です。
研修とは言えない実技発表の経費(会場使用料、審査員旅費等)はもちろん、実技発表以外の保持者候補選考にかかる事務経費について、伝承者養成事業の予算を使う事は出来ません。
「伝承者養成事業」の「成果」を、「保持者候補者推薦事業」の保持者候補選考について、技量や現役性が確認できる「資料」として活用することは問題ありません。しかしの「伝承者養成事業」の「予算」を、「保持者候補者推薦事業」の「予算」として活用することは、紛れもない不正行為です。
この点、平成28年11月26日(土)長崎県長崎市民会館にて行われた第五八回九州地区民俗芸能大会実行委員会の直前に当時の担当(島元)が、文化庁伝統文化課の金子健調査官にも確認しております。(当日持参した会議用レコーダーに録音もあります)
もし、文化庁の方針が変わりこれらの支出が認められるようになったとしたら、この11月26日以降となりますが、何時変わったのか。なぜ変わったのか。確認が必要です。これまで、県教育庁文化財課が同保存会に行ってきた指導に著しく反するからです。
文化庁の方針が変わったとして、他の芸能や工芸の重要無形文化財保持団体の伝承者養成事業に対するこれまでの文化庁の指導と整合性があるのか。確認が必要です。
伝承者養成事業を行う他の団体に、本補助金で追加認定にかかる事業を行うことはあるか、確認を行いましたが、要綱により行うことは出来ないとの回答をもらいました。(仮定の話としての確認で琉球舞踊保存会の実態とは切り離して確認しています)
旧知の公認会計士にも、琉球舞踊保存会の事例であることを伏せた仮定の話として確認をとりましたが「ありえない。論外である」との回答でした。
文化庁だけでなく、会計検査院への確認も必要です。
言うまでもないことですが、国庫補助要綱は、文化庁単独で策定するものではありません。関係省庁と調整の上で決定するものです。補助金の執行に、ここまでの拡大解釈による流用が可能なのか、文化庁の担当レベルの確認ではなく、文化財部伝統文化課課長レベルの確認も必要です。
11月26日以降、この補助金不正流用については、私の後任である文化財課の現担当者に何度も注意を促してきました。3月時点では同担当から「大丈夫である」という返事を聞いて、「別の財源を確保して、補助金の流用は行われていない」と解釈して安堵しておりました。しかし6月以降、同保存会より提出された実績報告書を確認したところ、この現担当の発言が事実と異なることを知りました。
補助金の不正流用は行われていました。
それでは、具体的にどのように流用が行われたか、実績報告書(資料②)に基づいて、データを整理し試算してみました(資料⑤h28琉舞実績(流用分) 以下資料⑤と略)。
データの整理にあたって、報告書の明細に記載がない数字については、報告書に添付されていた領収書で確認しました。報告書の明細と領収書の数字が異なる場合は、領収書の数字を尊重しました。
同保存会の国庫補助による「伝承者養成事業」は、総事業費7,379,857円(国7,000,000円 県130,000円 保存会249,857円)の事業です。
この中から、「次期保持者候補推薦事業」に、1,454,812円(賃金111,755円 報償費160,000円 旅費594,982円 使用料及び賃借料426,075円 その他経費172,000円)の流用が行われています。
それだけではありません。
これ以外にも、総会、定例の理事会、常任理事会、執行部会、監査といった「一般会計」で賄われるべき行事に、159,380円(賃金3347円 旅費86,020円 使用料及び賃借料29,885円)の流用が行われています。
少なくとも全部で1,614,192円の流用が行われています。
これは、伝承事業の総事業費7,379,857円の内、「1/4」近い金額です。これが、当該年度に同事業で行っている研修とは関係の無い、保持者候補者選考基準の策定や審査や日常の運営費に充てられています。
予定外(資料➁仕様書、事業要項に記載が無い。17~19頁)のこれだけの出費があって、予定されていた研修に影響しないか疑問です。これらは、本来当該年度の研修の充実にあてられるべき予算です。影響しないとすると、従来行っている事業自体の内容や経費の計上が適切かどうかも見直しが必要です。
資料⑤に沿って説明しましょう。
同保存会の平成28年度全取り組み(資料②11~14頁)年間50回について日付と会議名称等が明示されていますが、これらの大半を占める理事会、常任理事会、総会、監査等は、会の運営のための集会なので、伝承事業の補助金を用いることは出来ません。
特にこのうち26回が、次期保持者候補選考に関する会議や調整、審査にあてられています。これは、同保存会の事業経過報告(資料➂11頁~12頁)で確認できます。これらはもちろん一般会計で行うべき取り組みです。
旅費の流用は額が大きいです。578,702円の流用があります。
それ以外で特に留意したいのは2点。「賃金」と「使用料及び賃借料」。
まずは賃金。(資料➁4頁も参照)
「次期保持者候補選考に係る事務」ということで、時給単価1,030円の64回分の支出がありますが、これは、文書(作成)担当者が、会議や選考会の当日拘束されている時間で試算したものです。
この文書担当の労働時間数全体は把握が困難です。事務の仕事の大半を占めるのは、会議や調整に必要な資料(議案書、議事録等)の作成ですが、かかった時間が判然としないため、この時間を試算に反映させることができません。この時間を入れると、また数字が大きく動きます。
次に使用料及び賃借料。
資料➁9頁に、要項にも仕様書にもない「実技発表」について、「12月審査(予約保証金)」32,400円」「12月審査(精算分)336,240円」。計368,640円の流用があります。
「実技発表」が、要項(資料①)の(3)研修発表会に該当するなら、予算を執行可能ですが、そうではありません。そもそも今回(28年度に行われた)実技発表の審査対象になった研修修了生(県の舞踊保持者)は、25年度をもって「研修修了」をした方々なので、今回(28年度)の研修に参加する理由自体がありません。
なぜ、彼らが平成25年度をもって研修修了という待遇になったかと言いますと、同保存会が3年間試行錯誤しながら研修を実施してきたものの、県の保持者(現研修修了生)に関しては研修が成立しなくなってきたからです。もともと国の保持者と研修修了生(県の舞踊保持者)は同じ県の保持者であり言わば元同僚です。琉球舞踊が国指定になった結果、「保持者」と「伝承者(研修生)」に別れることになりました。県の保持者は、特別研修生という名称の特別枠で他の研修生とは別格扱いされ、成果発表会でもソロの踊りを踊って貰う等配慮をされてきましたが、もとは同じようなキャリアである国の保持者から指導を受けるという研修に、プライドを傷つけられ、精神的な苦痛を蒙ってきました。そのため、研修が進むにつれて、県の保持者の反発は強くなり、国の保持者が指導を行うことに困難をきたしてきました。平 成25年度にはこれまでの「研修の成果」や県の保持者としての「実績」を考慮して、「今後研修の場で踊ることを強要しない」という約束のもと研修を修了(資料⑥琉球舞踊保存会研修修了生資料 以下資料⑥と略 1頁)しました。また、本来、国庫補助によるこの伝承者養成事業の研修は若手から中堅を対象としたもので、沖縄のように大御所の芸能家が対象となるのは極めて異例です。そういった特殊事情の中で、困難をきたした研修は今後も実施することができません。以上のことから、研修終了と共に「実技研修を行わない」約束をしたので実技発表の通知文や要項にも「研修」の文字は見えません。
また、重要無形文化財伝承事業は、1年単位の事業です。前述の約束がなくても、当該年度である平成28年度に研修が行われず、過去に実施し成果発表を終えた研修について、今回の実技発表をもって「(研修の成果を発表する)研修発表会」とし、この予算を執行することはできません。
平成25年度をもって成果発表を終え「研修修了」をした方々に対して、2年以上経過して、約束を反故にした上で実技発表会をする理由は何でしょう。(実は研修修了後の翌平成26年度に「文化庁の意向」という誤解から、同保存会はこの研修修了生による実技研修を不本意ながら実施しかけたことがあります。その際顧問の田中英機先生の「研修修了生のプライドを傷つける研修は必要有りません」という意見と文化庁の助言により、研修修了生対象の研修は廃案になりました。(資料⑥7・8頁参照)
予算は無尽蔵ではありません。現在、同保存会は約500人もの研修生を抱え、現在の予算では充分な指導が行えないため、1年単位で約100人ずつローテーションにより実技指導を行っています。
本事業の意義から言って、「現在の研修生」への指導を犠牲にして(実施のための準備や調整の費用を含め)予算の四分の一近い費用をかけて、「研修を修了した方々」に2年以上前に修了した「研修の成果」を問うことは出来ません。
ですから、これらの実技発表に係る支出については、再三繰り返しますが、一般会計で行われるべきものです。また、前述のとおり実技発表以外の保持者候補選考のための会議や調整の会場使用料への流用もあります。これも当然、一般会計で行われるべきものです。しかし、同保存会の一般会計の収支決算書(資料➂12頁)には見えません。
同保存会は、伝承事業の国庫補助金を不正に流用し、それに対して県教育庁文化財課は適正な指導を行っていないと結論づけるしかありません。
それでは、なぜ県教育庁文化財課の担当者による適正な指導は行われなかったのか。同保存会の動向を充分に把握出来なかったとは考えられません。
なぜなら、平成26年度までは、私一人であった担当を、現在二人で行っています。さらには、同保存会の会議等には班長を含めて3人で対応しています。中でも、重要な会議や打ち合わせに担当ではなく、班長が参加していることは異例な事態です。(班長の会議参加の回数や概要は正確には把握できません。平成27年度以降、同保存会は、会議の度に資料を回収し、議事録も作成していません。幾つかの会議については班長作成のメモ(議事録)が存在しますが、会議参加者以外で、会議内容を把握できる者は、課内におりません。これは、異常な事態です。課内で透明性を持って情報を共有することが困難です。)
現在の3人体制で対応していて、一人体制の頃より手薄になるとは考えにくいです。
異例な事態と言えば、文化財課の担当が、所管する文化財の保持団体の通常の会議に参加すること自体がそもそも異例です。私の担当当時、そのような対応をしていたのは、県教育庁が所管する無形文化財(芸能)11団体の内、国指定の保持団体では伝統組踊保存会と琉球舞踊保存会、県指定では歌劇保存会の3団体だけで、それも重要な課題が多いときのみでした(琉球舞踊保存会については常時重要な課題を抱えておりました)。それ以外の団体については、団体の事務局長、会計とは頻繁に連絡をとるものの、会議参加は年に一回の定期総会に来賓として呼ばれるのが常でした。このように通常の会議参加は、担当一人で対応していて、班長、課長が参加するのは、定期総会のみでした。
資料➂11頁(同保存会の事業経過報告:平成29年度琉球舞踊保存会定期総会議案書所収)によると、本年2月1日に同保存会が文課長訪問と同保存会顧問会議に、野原格文化財班長が、インフルエンザに罹患した同保存会の宇座嘉憲事務局長の「代理」として上京し、出席しています。県の担当者ではなく同保存会の「事務局長代理」としての参加です。
この上京の目的は、形式的な訪問や会議参加ではなく、同保存会の保持者の追加認定に係る情報提供という保存会内部の重要課題についての相談なので、班長はその内容を事務局長同様に熟知しています。これは、同班長が本事業に深く関与していることを示しています。
言うまでも無く、補助金を出す側の行政が、受け取る側の一任意団体の運営にここまで深く関与していることは大きな問題です。行政の仕事は、指導助言の領域を越えてはいけないからです。
同保存会の不正行為は、文化財課の指導不足の結果ではなく、文化財課の十分な指導により起こった不正行為と考えられます。
それでは、このような不正行為がなぜ起こったか。引き続き(2)文化財保護の本質に係る問題にて検証いたします。
添付したデータについては取扱注意でお願い致します。
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追記
この舞踊の問題が、新聞報道、県議会で問題として取り上げられたのは、私が沖縄タイムス(昨年2016年12月13日付)に寄稿した『琉球舞踊「国保持者」選考へ』〈資料⑦報道資料(琉球舞踊の文化財指定・認定関連) 以下、資料⑦と略 10頁〉という一文が発端と言われているようです。
その半年前まで琉球新報の随想欄「落ち穂」(2016年1月~6月)に伝統芸能の世界の魅力について紹介し、琉球舞踊界についても肯定的に書いていた(資料⑦7~9頁)筆者が一転してなぜ保持者認定をめぐる舞踊界の深刻な問題について寄稿するに至ったか。
それまでは舞踊界の問題は舞踊界内で解決するべきだと考え行動したものの万策尽きた結果です。これは現在作成中の上申書においても重要な部分ですが、大きなストレスを感じ作成が遅々として進みません。同僚である文化財班員と問題の共有を図ろうと手紙(資料⑧班員への手紙)メロを書きましたが、核心部分についてはまだ触れていません。
手紙から引用します。
「私は、野原班長のいる文化財課が辛いのです。
現在やっている仕事の「10年後20年後に責任はない」と明言する人物を、どう信頼して働けばいいのでしょうか。これは、価値観の相違ですまされる問題ではありません。文化行政に携わる者として資質を問われる耳を疑う発言です。いいえ、文化財行政に限ってのことではありません。「10年後20年後に責任はない」という教師、医師を私達は信頼して大事な子どもや命をあずけることができるでしょうか。
目に見えないところではぐれる、死んでいく文化を守るのが、我々の仕事です。胸襟を開いて仕えることができない上司に対して、どう対応していいか。私は困惑し、口ごもり立ち往生しています。だから、手紙という方法でお伝えしたいと思いました。
私達は10年後20年後に「責任はない」のではなく、「責任の所在が分かりにくくなる」のです。文化財課が取り組んでいるのは、有史以前からの自然や文化そして伝統文化の保存と継承です。10年どころか100年200年いやいや1000年先それ以上への影響を考えながら仕事をしなければ重大なことを見誤ります。むろん直接の担当者としての責任は、一定期間が過ぎればなくなるでしょう。しかし、担当時代に積み残したこと、解決できなかったこと、気づかなかったことは、次の担当者に引き継がれます。担当者としての責任は終わっても「関係者であった」責任は残ります。私の乏しい人生経験からいっても、現在行っていることの結果、特に深刻な結果が現れるのは、かなり時間がたってからのことが多いです。様々な問題に対して、担当者としての数年の期間をやり過ごすことで済ませようとすることは犯罪に等しい。
現在、私の新聞への寄稿により、文化財課周辺で起こっている問題についても、表面を繕うような対処法ではなく、本質的な解決を模索する人物でなければ、対応できないと考えます。」
先程「引き続き(2)文化財保護の本質に係る問題にて検証いたします。」と書いたものの文章として纏めることに正直難渋しております。
上司の許可を得ず新聞に寄稿した(資料⑦10頁)ことについては、深く反省しています。しかし寄稿の発言内容の真偽を、調査も確認もなく文化財課が「憶測に基づいた根拠のない誹謗中傷」と断定し、琉球舞踊保存会に公式に教育長名で謝罪したことには納得がいきません。行政の責任において、問題の解決を妨げ、悪しき傾向が助長されることを深く懸念します。
恐れ入りますが、この件について、私の上司である文化財課萩尾俊章課長と文化財課文化財班野原格班長同席の上で、教育長に直接ご説明申しあげたく存じます。
このメール冒頭でお伝えしたように、現在私は鬱を発症して日中はストレスから本庁13階の教育庁までたどり着けない状況が続いています。(人気がない深夜や早朝に大事な捜し物があって何度か来課したことがあります。病休中に班長により机の上の書類を無断で廃棄されたからです。引き継ぎも出来ないまま放置した状態は気になっていましたので、事前にご連絡があれば何らかの方法で対処するつもりでした)。
9月になった頃、日常生活には何の支障もないまで回復したので、復帰に向けての通勤訓練として、勤務時間帯に県庁に足を踏み入れてみました。
一階フロアーに立つと冷や汗が出て、フロアーで開催されているイベントの展示の説明を読もうとしても内容が頭に入りません。試しにエレベーターに乗って13階教育庁フロアーまで行くことを試みましたが途中吐き気がしてエレベーターを降りトイレでもどしました。
それ以来この二ヶ月余り、幾度となく階段を利用して13階まで上がることを試みていますが体が鉛のように重くかんじられます。それでも最近は2階の情報センターまではたどり着けるようになりました。そういう状態ではありますが、この問題についてご説明申しあげる機会を戴けるようでしたら、主治医に強い安定剤を処方してもらって(医師に相談済みです)這ってでも、家内に付き添って貰ってでも、13階の教育長室まで伺う所存です。
ご検討願います。
沖縄県教育庁文化財課 指導主事 島元 要
実はキャップのないメモリーがデスクの上にあり、前から気になっていたのですが、今日その中身を開いてみてびっくりしました。いつこのメモリーが手元に?全然、覚えがないので、しかも今まで開いていないので、この中身を島元さんや島元さんをサポートしている方々の思いを多くの方々に伝える義務があるのだと思ってUPします。順序があべこべになるかもしれないのですが、関心のあるかたがたはプリントしてその整合性を判断してくださることでしょう。不思議なことが起こります。いつからこのメモリーがあったのか、よくわかりません。キャップがついていないので欠陥品かと思って見過ごしていました。)
島元要先生の直訴状。県教育長あて。琉球舞踊問題。(1)
匿名天使
匿名御免さんに続いて、情報提供です。
琉球舞踊保持者候補選考問題。県教育庁内で動きがありました。
同問題について、この3月30日(金)に、元文化財課芸能担当の島元要指導主事が、県教育長あてに、メールを送っておられます。
この日は前年度平成29年度の最終日です。
島元先生は、前年度平成29年度の1年間休職をして、今年度4月から学校現場に戻っておられるようです。同メールによると、休職に至った原因は、同問題により庁内で孤立し鬱を発症したこと。
添付された資料が膨大なためか、2回に分けて送っておられます。内容は、同問題について庁内で「臆測に基づいて発言する要注意人物」とされていることに対する抗議と、問題解決のための提言。
直訴状といってもいい内容です。教育長だけでなく、同時に庁内関係者50数人にも送っています。
メール2回の内の1回目の内容は、昨年11月28日に教育長あてに送ったメールの訂正版です。2回目はその続き。
ピンときました!去年の12月25日に、教育長との直接の面談が実現しています。
(https://blog.goo.ne.jp/nasaki78/e/a5fd5afbf6d2e22caabfe6b3374f0144)これは、このメールの成果だったんですね。50数人の関係者に情報提供したことで、本件が握りつぶされないようにしたのか。
本ブログでも沸騰した同問題について、丁寧に根拠資料を踏まえて説明していて説得力があります。疑惑として取り上げられたことの真偽がかなり明白になっています。
保存会も、県教育庁も完全にクロじゃん!
実は、一番驚いたのは、琉球舞踊問題(これは予想通り)以上に、平成24年の組踊保存会の補助金不正流用問題!会計検査院や文化庁の指導を受けて数百万円単位の返還をしていたという事実。マスコミ種になってたら、重要無形文化財における大不祥事として大騒ぎになったのでは?
来年は組踊生誕300周年!なんてことでしょう!
このメールによると、琉球舞踊保持者32名(昨年追加認定された方はのぞいて)のうち20名が組踊の保持者と重なる。ああ!懲りない人たちだったわけね!これが、同問題の温床か?
それにしても、昼間、県庁に行くことすら出来ない島元さんが、深夜課内を訪れ、課内のpcから関係者あて送信している姿を想像すると胸が苦しくなります。情報が外部に漏れないように、庁内のpcからpcへと送っています。
だから、私がこれからすることは、島元先生の意に背くことになるかもしれない。
でも不正は暴かれるべきです。
メール本文をコピペして、情報として提供します。2回に分けます。(以下、島元先生のメール本文)
2017年11月28日に「情報提供:琉球舞踊保持者認定問題」というタイトルでお送りしたメールについて、確認したところ何カ所か脱落した部分がありました。下記の通り追記し、訂正箇所を含めて再送申しあげます。追記と訂正箇所は赤字で示しております。ご査収願います。
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沖縄県教育長 平敷 昭人 殿
cc教育委員会3役 各課長 文化財課職員
県教育庁文化財課文化財班の島元要(指導主事)です。
恐れ入りますが、見出しのことについて緊急に情報提供を申しあげます。
本来なら、まず課内で担当者及び上司と共有すべき情報(この中の極めて重要な情報については以前に上司に報告しました)ではありますが、課内において私は「憶測で私見を述べる人物」(これは事実に反します)という評価により、その見解も根拠となる資料も適正な扱いを受けておりません。
現在私は、鬱を発症して休職していることもあり、職場復帰するまでに上記の誤解を解くこともままならない状況です。また、去年12月から書き進めている上申書が、大きなストレスゆえ未だに思うようにまとめられません。
現在は、勤務をしていて1枚の文書も読めない打てない状況になった3月当時と比べると、だいぶ復調しています。それでも、この文書の作成にすら六ヶ月以上かかっています。元気な頃なら数日で仕上げていたと思います。
しかし、巷間取りざたされ県議会でも質問のあった「国指定重要無形文化財琉球舞踊の保持者候補者選考問題」については、上申書の完成や職場復帰を待っていては手遅れになりそうな危惧があり、今緊急に必要な「情報」の提供を申しあげたく存じます。
提供にあたって、まず結論を示し、その根拠を下記の別添の資料に基づいてご説明申しあげます。
添付資料
①重要無形文化財伝承事業費国庫補助要項
②平成28年度国宝重要無形文化財等保存整備費補助金実績報告書(琉球舞踊保存会)
➂会議資料
④文化庁吉田調査官派遣依頼資料
⑤h28琉舞実績(流用分)
⑥琉球舞踊保存会研修修了生資料
⑦報道資料(琉球舞踊の文化財指定・認定関連 h21~h29)
⑧班員への手紙(2016/12/20)
私は、平成20年度から平成26年度まで、7年間当課で無形文化財(芸能)を担当しておりました。平成21年9月に国指定重要無形文化財となった「琉球舞踊」についても担当し、「琉球舞踊」の指定とともに認定された保持者による団体「琉球舞踊保存会」の立ち上げから運営、そして指定の条件となっている伝承者養成事業の策定と実施に関わってきました。
平成27年度から正担当を外れた以降も、文化財班の前班長である濱口寿夫氏の意向により、副担当として新担当をサポートして1年間かけて引き継ぐ予定でありました。通常、旧担当と新担当の事務引き継ぎは、文書の引き継ぎで完了しますが、様々な複雑な問題を抱える芸能界について、この引き継ぎの在り方は適切であったと考えます。
しかし、ある時期から、適切な引き継ぎが行えない状況になりました。現在の上司の意向により、重要な会議や情報から、私が意図的に排除されるようになったからです。(その詳細については、次回メールにてご説明申しあげます。)
今回問題にしている情報とは、県議会でも取り上げられた国指定重要無形文化財琉球舞踊の保持者候補者選考問題に係る情報です。
結論を申しあげます。
今回の国指定重要無形文化財「琉球舞踊」保持者の追加認定に係る、琉球舞踊保存会による「次期保持者候補推薦事業」は、一部の芸能家が琉球舞踊を私物化し、恣意的な事業の運営を行い、一部の舞踊家へ優先して利益の供与を行ったもので、文化財保護法の理念と目的に著しく反するものです。
特定の舞踊家を恣意的に選考するために、全国的にも異例なコンクール形式の審査(実技発表)も不適切な方法で行われました。しかも、この審査を含め保持者候補者選考には国庫補助による伝承者養成事業の研修費用が活用できないのにもかかわらず、流用されました。このことは、許されざる「補助金の不正流用」にあたります。
本来、こうした補助金の使い方について行政が指導を適切に行うべきものですが、不正流用の事実を知りながら、県文化財課の担当者は指導を適切に行わず、むしろこの不正行為に積極的に関与した疑いがあります。
このことは、芸能の本質をも変容させ、伝統文化の未来への正しい継承を妨げる点で沖縄へ与える文化的損失は計り知れません。
そこで、次の二つの観点から、二回に分けてご説明申しあげます。
(1)補助金不正流用問題 (2)文化財保護の本質に係る問題
(1)補助金不正流用問題
伝承者養成事業への国庫補助は、あくまでも事業に対する補助であり、事業を実施する団体の運営への補助ではありません。これは文化庁のHPに掲載されている国庫補助要綱(別添の資料①重要無形文化財伝承事業費国庫補助要項。以下資料①と略)に明らかです。
琉球舞踊保存会(以下、同保存会と略)の場合、補助対象となる事業は、(1)伝承者の養成 伝承者の養成を目的とする研修会、講習会の開催及び実技指導(2)研修発表会 伝承者の養成事業による研修等の成果の発表会(3)資料の収集整理 (文化財保護法第71条の重要無形文化財に限る。)の3点です。
同保存会の「保持者候補者選考」は、内容から(1)(2)(3)のどれにも該当しません。
(1)(2)(3)の具体的な内容については、同保存会の事業実績報告書(別添の資料②平成28年度国宝重要無形文化財等保存整備費補助金実績報告書。以下資料②と略)で確認できます。
同保存会の(1)伝承者養成のための研修には、保持者による「指導」があり、(2)の研修発表会はその研修の成果を評価するためのものです(資料②17頁~22頁参照)。(3)の資料収集はもちろんですが、何の指導も行わない「保持者候補者選考」は、「研修」でも「研修発表会」でもありません。
国の直接の担当者である文化庁伝統文化課調査官吉田純子氏は、文化庁の方針として「伝承者と保持者候補者をリンクさせない」と明言しています。(資料➂会議資料。以下資料➂と略。2頁参照)
また、平成24年7月19日同保存会常任理事会において氏は「文化庁が行っている養成事業は、20代から30代の若手を鍛えるもので、次期保持者を伝承者としているわけではない」と発言しておられます。(資料➂4頁参照)
また平成26年2月10日同保存会執行部会において、前回平成26年1月27日同保存会執行部会で提案のあった「平成26年度の研修の内容は、次の保持者候補を選ぶことを目的とする」という文言に、「保持者の内々の心情としては理解できるが、明文化するのは適切でない」と指摘されました。(資料➂6頁)
誤解されることが多いのですが、国庫補助による伝統芸能の伝承者養成事業とは、不足しがちな伝統芸能の実演家を養成する事業であり、その実演家とは保持者を指しません。
保持者の追加認定は、その保持団体(保存会)の構成員である保持者を補充することです。保持者の認定作業は国(文化庁)が行いますが、その際、国は保持者の「候補者」についての情報提供を保存会に求めます。これを、同保存会では「推薦事業」と言っていますが、叙勲等の推薦と異なり、国から必ずしも県を経由すること(進達)を求められませんので、実質的には「情報提供」です。
その「情報提供」のための候補者選びは保存会の仕事です。これは組織の構成員の補充という運営に係る作業なので、伝承者養成事業の補助金ではなく、一般会計で賄わなければなりません。
伝承者養成事業とは、保持者養成事業ではないからです。
県外の重要無形文化財の保持団体の人が、「伝承者養成事業で保持者候補選考をする」という話を聞けば驚かれると思います。
琉球舞踊保存会の母胎となった県指定沖縄伝統舞踊保存会の伝承者養成事業では、伝承者を保持者に次ぐ地位という誤った認識が広くあり、そのため国指定重要無形文化財の伝承者養成事業についても同様な誤解が引き継がれる心配があり、吉田氏は絶えず伝承者と保持者候補者を混同しないよう保存会と文化財課に注意されておりました。
平成26年3月22日同保存会と顧問の協議会における「国の伝承者養成事業と次期保持者推薦事業を同時進行してほしい」という発言に、両事業を別事業と認識していたことが分かります。(資料➂8頁)
また、同保存会より平成28年12月6日付け琉球舞踊保存会 研修修了生あて通知文「琉球舞踊保存会 研修修了性 実技発表」の見出しには、(次期保持者候補推薦事業 実技審査)という添え書きがあり、本文でも、「当催しは、次期保持者候補推薦に関しての実技審査です」と明記されています(資料➂9頁)。注目すべきは、「研修」ではなく「当催し」という文言が用いられていることです。
この実技発表に関して、以前に出された(平成28年10月22日付け)通知文にも、通知文に添付されている実施要項にも、これまでの研修通知に必ず明記されていた「研修」という文言はありません。
保存会においても、この実技発表が、伝承者養成事業の研修にあたらないという認識であったことが分かります。
これらの保存会作成資料は、私が担当であった平成26年度までは、保存会内だけでなく、私と文化庁伝統文化課吉田純子調査官、保存会文書担当(田幸亜季子氏)の間でメールのやりとりを通して不備や誤謬があれば訂正された上で共有されていました。
同保存会の伝承者養成事業では、調査官に年に二回事業についての指導を受けるための旅費を組んでいます。その派遣依頼についても、吉田純子調査官と同保存会文書担当田幸亜季子氏と県担当の私との間でメールのやり取りをして作成し、同保存会から県教委文化財課を経て文化庁に進達していました。
平成27年2月27日から29日にかけての研修の視察と打ち合わせの際、派遣依頼の項目「指導を受けたい事項」について原案の段階では存在した「伝承者研修及び保持者の選考について」から「保持者の選考」という文言が吉田調査官の指導で削除され、最終的に「伝承者研修について」になりました。(資料④文化庁吉田調査官派遣依頼 以下資料④と略)
もし、同保存会の「次期保持者候補推薦事業」が、伝承者養成事業の取り組みの中で行われているのなら、この派遣依頼から「保持者選考」という文言を削る理由はありません。むしろ明記すべきです。
また、「保持者選考」が、この伝承者養成事業の目的なら、同保存会による文化庁への情報提供(次期保持者候補)は、研修の大きな成果です。その年度の研修の結果や収支精算書と同様に、事業成果の実績報告として、県教委を経由するべきです。前述したような、保存会から県教委を飛び越えて直接文化庁への情報提供という訳にはいきません。国費だけでなく県費も投入している事業です。事業成果に県も責任を負います。ですから、伝承者養成事業に関する重要な事項は全て、研修の内容や、その相談のための文化庁担当官の派遣依頼に至るまで県教委を経由して(進達)してきました。進達を行う必要がないなら、この「次期保持者候補推薦事業」が国庫補助による「伝承者養成事業」に該当しないことになります。
これが、前述の派遣依頼(資料④)の依頼項目から「保持者選考」という文言が削られた理由です。
伝承者養成事業は、要項(資料➁18~19頁)に基づき実施され、最終的に変更点(研修日時、場所、研修の追加等)あれば、その旨が実績報告書の仕様書(資料➁17頁)に記載されます。仕様書の文体をご覧になればおわかりになるかと思いますが、「~した」と過去形になっています。仕様書には研修結果が記載されているわけです。
もし、国庫補助要綱(資料①)、同保存会の伝承者養成事業の事業要項(資料②)や仕様書(資料②)にないものに支出があれば問題です。
研修とは言えない実技発表の経費(会場使用料、審査員旅費等)はもちろん、実技発表以外の保持者候補選考にかかる事務経費について、伝承者養成事業の予算を使う事は出来ません。
「伝承者養成事業」の「成果」を、「保持者候補者推薦事業」の保持者候補選考について、技量や現役性が確認できる「資料」として活用することは問題ありません。しかしの「伝承者養成事業」の「予算」を、「保持者候補者推薦事業」の「予算」として活用することは、紛れもない不正行為です。
この点、平成28年11月26日(土)長崎県長崎市民会館にて行われた第五八回九州地区民俗芸能大会実行委員会の直前に当時の担当(島元)が、文化庁伝統文化課の金子健調査官にも確認しております。(当日持参した会議用レコーダーに録音もあります)
もし、文化庁の方針が変わりこれらの支出が認められるようになったとしたら、この11月26日以降となりますが、何時変わったのか。なぜ変わったのか。確認が必要です。これまで、県教育庁文化財課が同保存会に行ってきた指導に著しく反するからです。
文化庁の方針が変わったとして、他の芸能や工芸の重要無形文化財保持団体の伝承者養成事業に対するこれまでの文化庁の指導と整合性があるのか。確認が必要です。
伝承者養成事業を行う他の団体に、本補助金で追加認定にかかる事業を行うことはあるか、確認を行いましたが、要綱により行うことは出来ないとの回答をもらいました。(仮定の話としての確認で琉球舞踊保存会の実態とは切り離して確認しています)
旧知の公認会計士にも、琉球舞踊保存会の事例であることを伏せた仮定の話として確認をとりましたが「ありえない。論外である」との回答でした。
文化庁だけでなく、会計検査院への確認も必要です。
言うまでもないことですが、国庫補助要綱は、文化庁単独で策定するものではありません。関係省庁と調整の上で決定するものです。補助金の執行に、ここまでの拡大解釈による流用が可能なのか、文化庁の担当レベルの確認ではなく、文化財部伝統文化課課長レベルの確認も必要です。
11月26日以降、この補助金不正流用については、私の後任である文化財課の現担当者に何度も注意を促してきました。3月時点では同担当から「大丈夫である」という返事を聞いて、「別の財源を確保して、補助金の流用は行われていない」と解釈して安堵しておりました。しかし6月以降、同保存会より提出された実績報告書を確認したところ、この現担当の発言が事実と異なることを知りました。
補助金の不正流用は行われていました。
それでは、具体的にどのように流用が行われたか、実績報告書(資料②)に基づいて、データを整理し試算してみました(資料⑤h28琉舞実績(流用分) 以下資料⑤と略)。
データの整理にあたって、報告書の明細に記載がない数字については、報告書に添付されていた領収書で確認しました。報告書の明細と領収書の数字が異なる場合は、領収書の数字を尊重しました。
同保存会の国庫補助による「伝承者養成事業」は、総事業費7,379,857円(国7,000,000円 県130,000円 保存会249,857円)の事業です。
この中から、「次期保持者候補推薦事業」に、1,454,812円(賃金111,755円 報償費160,000円 旅費594,982円 使用料及び賃借料426,075円 その他経費172,000円)の流用が行われています。
それだけではありません。
これ以外にも、総会、定例の理事会、常任理事会、執行部会、監査といった「一般会計」で賄われるべき行事に、159,380円(賃金3347円 旅費86,020円 使用料及び賃借料29,885円)の流用が行われています。
少なくとも全部で1,614,192円の流用が行われています。
これは、伝承事業の総事業費7,379,857円の内、「1/4」近い金額です。これが、当該年度に同事業で行っている研修とは関係の無い、保持者候補者選考基準の策定や審査や日常の運営費に充てられています。
予定外(資料➁仕様書、事業要項に記載が無い。17~19頁)のこれだけの出費があって、予定されていた研修に影響しないか疑問です。これらは、本来当該年度の研修の充実にあてられるべき予算です。影響しないとすると、従来行っている事業自体の内容や経費の計上が適切かどうかも見直しが必要です。
資料⑤に沿って説明しましょう。
同保存会の平成28年度全取り組み(資料②11~14頁)年間50回について日付と会議名称等が明示されていますが、これらの大半を占める理事会、常任理事会、総会、監査等は、会の運営のための集会なので、伝承事業の補助金を用いることは出来ません。
特にこのうち26回が、次期保持者候補選考に関する会議や調整、審査にあてられています。これは、同保存会の事業経過報告(資料➂11頁~12頁)で確認できます。これらはもちろん一般会計で行うべき取り組みです。
旅費の流用は額が大きいです。578,702円の流用があります。
それ以外で特に留意したいのは2点。「賃金」と「使用料及び賃借料」。
まずは賃金。(資料➁4頁も参照)
「次期保持者候補選考に係る事務」ということで、時給単価1,030円の64回分の支出がありますが、これは、文書(作成)担当者が、会議や選考会の当日拘束されている時間で試算したものです。
この文書担当の労働時間数全体は把握が困難です。事務の仕事の大半を占めるのは、会議や調整に必要な資料(議案書、議事録等)の作成ですが、かかった時間が判然としないため、この時間を試算に反映させることができません。この時間を入れると、また数字が大きく動きます。
次に使用料及び賃借料。
資料➁9頁に、要項にも仕様書にもない「実技発表」について、「12月審査(予約保証金)」32,400円」「12月審査(精算分)336,240円」。計368,640円の流用があります。
「実技発表」が、要項(資料①)の(3)研修発表会に該当するなら、予算を執行可能ですが、そうではありません。そもそも今回(28年度に行われた)実技発表の審査対象になった研修修了生(県の舞踊保持者)は、25年度をもって「研修修了」をした方々なので、今回(28年度)の研修に参加する理由自体がありません。
なぜ、彼らが平成25年度をもって研修修了という待遇になったかと言いますと、同保存会が3年間試行錯誤しながら研修を実施してきたものの、県の保持者(現研修修了生)に関しては研修が成立しなくなってきたからです。もともと国の保持者と研修修了生(県の舞踊保持者)は同じ県の保持者であり言わば元同僚です。琉球舞踊が国指定になった結果、「保持者」と「伝承者(研修生)」に別れることになりました。県の保持者は、特別研修生という名称の特別枠で他の研修生とは別格扱いされ、成果発表会でもソロの踊りを踊って貰う等配慮をされてきましたが、もとは同じようなキャリアである国の保持者から指導を受けるという研修に、プライドを傷つけられ、精神的な苦痛を蒙ってきました。そのため、研修が進むにつれて、県の保持者の反発は強くなり、国の保持者が指導を行うことに困難をきたしてきました。平 成25年度にはこれまでの「研修の成果」や県の保持者としての「実績」を考慮して、「今後研修の場で踊ることを強要しない」という約束のもと研修を修了(資料⑥琉球舞踊保存会研修修了生資料 以下資料⑥と略 1頁)しました。また、本来、国庫補助によるこの伝承者養成事業の研修は若手から中堅を対象としたもので、沖縄のように大御所の芸能家が対象となるのは極めて異例です。そういった特殊事情の中で、困難をきたした研修は今後も実施することができません。以上のことから、研修終了と共に「実技研修を行わない」約束をしたので実技発表の通知文や要項にも「研修」の文字は見えません。
また、重要無形文化財伝承事業は、1年単位の事業です。前述の約束がなくても、当該年度である平成28年度に研修が行われず、過去に実施し成果発表を終えた研修について、今回の実技発表をもって「(研修の成果を発表する)研修発表会」とし、この予算を執行することはできません。
平成25年度をもって成果発表を終え「研修修了」をした方々に対して、2年以上経過して、約束を反故にした上で実技発表会をする理由は何でしょう。(実は研修修了後の翌平成26年度に「文化庁の意向」という誤解から、同保存会はこの研修修了生による実技研修を不本意ながら実施しかけたことがあります。その際顧問の田中英機先生の「研修修了生のプライドを傷つける研修は必要有りません」という意見と文化庁の助言により、研修修了生対象の研修は廃案になりました。(資料⑥7・8頁参照)
予算は無尽蔵ではありません。現在、同保存会は約500人もの研修生を抱え、現在の予算では充分な指導が行えないため、1年単位で約100人ずつローテーションにより実技指導を行っています。
本事業の意義から言って、「現在の研修生」への指導を犠牲にして(実施のための準備や調整の費用を含め)予算の四分の一近い費用をかけて、「研修を修了した方々」に2年以上前に修了した「研修の成果」を問うことは出来ません。
ですから、これらの実技発表に係る支出については、再三繰り返しますが、一般会計で行われるべきものです。また、前述のとおり実技発表以外の保持者候補選考のための会議や調整の会場使用料への流用もあります。これも当然、一般会計で行われるべきものです。しかし、同保存会の一般会計の収支決算書(資料➂12頁)には見えません。
同保存会は、伝承事業の国庫補助金を不正に流用し、それに対して県教育庁文化財課は適正な指導を行っていないと結論づけるしかありません。
それでは、なぜ県教育庁文化財課の担当者による適正な指導は行われなかったのか。同保存会の動向を充分に把握出来なかったとは考えられません。
なぜなら、平成26年度までは、私一人であった担当を、現在二人で行っています。さらには、同保存会の会議等には班長を含めて3人で対応しています。中でも、重要な会議や打ち合わせに担当ではなく、班長が参加していることは異例な事態です。(班長の会議参加の回数や概要は正確には把握できません。平成27年度以降、同保存会は、会議の度に資料を回収し、議事録も作成していません。幾つかの会議については班長作成のメモ(議事録)が存在しますが、会議参加者以外で、会議内容を把握できる者は、課内におりません。これは、異常な事態です。課内で透明性を持って情報を共有することが困難です。)
現在の3人体制で対応していて、一人体制の頃より手薄になるとは考えにくいです。
異例な事態と言えば、文化財課の担当が、所管する文化財の保持団体の通常の会議に参加すること自体がそもそも異例です。私の担当当時、そのような対応をしていたのは、県教育庁が所管する無形文化財(芸能)11団体の内、国指定の保持団体では伝統組踊保存会と琉球舞踊保存会、県指定では歌劇保存会の3団体だけで、それも重要な課題が多いときのみでした(琉球舞踊保存会については常時重要な課題を抱えておりました)。それ以外の団体については、団体の事務局長、会計とは頻繁に連絡をとるものの、会議参加は年に一回の定期総会に来賓として呼ばれるのが常でした。このように通常の会議参加は、担当一人で対応していて、班長、課長が参加するのは、定期総会のみでした。
資料➂11頁(同保存会の事業経過報告:平成29年度琉球舞踊保存会定期総会議案書所収)によると、本年2月1日に同保存会が文課長訪問と同保存会顧問会議に、野原格文化財班長が、インフルエンザに罹患した同保存会の宇座嘉憲事務局長の「代理」として上京し、出席しています。県の担当者ではなく同保存会の「事務局長代理」としての参加です。
この上京の目的は、形式的な訪問や会議参加ではなく、同保存会の保持者の追加認定に係る情報提供という保存会内部の重要課題についての相談なので、班長はその内容を事務局長同様に熟知しています。これは、同班長が本事業に深く関与していることを示しています。
言うまでも無く、補助金を出す側の行政が、受け取る側の一任意団体の運営にここまで深く関与していることは大きな問題です。行政の仕事は、指導助言の領域を越えてはいけないからです。
同保存会の不正行為は、文化財課の指導不足の結果ではなく、文化財課の十分な指導により起こった不正行為と考えられます。
それでは、このような不正行為がなぜ起こったか。引き続き(2)文化財保護の本質に係る問題にて検証いたします。
添付したデータについては取扱注意でお願い致します。
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追記
この舞踊の問題が、新聞報道、県議会で問題として取り上げられたのは、私が沖縄タイムス(昨年2016年12月13日付)に寄稿した『琉球舞踊「国保持者」選考へ』〈資料⑦報道資料(琉球舞踊の文化財指定・認定関連) 以下、資料⑦と略 10頁〉という一文が発端と言われているようです。
その半年前まで琉球新報の随想欄「落ち穂」(2016年1月~6月)に伝統芸能の世界の魅力について紹介し、琉球舞踊界についても肯定的に書いていた(資料⑦7~9頁)筆者が一転してなぜ保持者認定をめぐる舞踊界の深刻な問題について寄稿するに至ったか。
それまでは舞踊界の問題は舞踊界内で解決するべきだと考え行動したものの万策尽きた結果です。これは現在作成中の上申書においても重要な部分ですが、大きなストレスを感じ作成が遅々として進みません。同僚である文化財班員と問題の共有を図ろうと手紙(資料⑧班員への手紙)メロを書きましたが、核心部分についてはまだ触れていません。
手紙から引用します。
「私は、野原班長のいる文化財課が辛いのです。
現在やっている仕事の「10年後20年後に責任はない」と明言する人物を、どう信頼して働けばいいのでしょうか。これは、価値観の相違ですまされる問題ではありません。文化行政に携わる者として資質を問われる耳を疑う発言です。いいえ、文化財行政に限ってのことではありません。「10年後20年後に責任はない」という教師、医師を私達は信頼して大事な子どもや命をあずけることができるでしょうか。
目に見えないところではぐれる、死んでいく文化を守るのが、我々の仕事です。胸襟を開いて仕えることができない上司に対して、どう対応していいか。私は困惑し、口ごもり立ち往生しています。だから、手紙という方法でお伝えしたいと思いました。
私達は10年後20年後に「責任はない」のではなく、「責任の所在が分かりにくくなる」のです。文化財課が取り組んでいるのは、有史以前からの自然や文化そして伝統文化の保存と継承です。10年どころか100年200年いやいや1000年先それ以上への影響を考えながら仕事をしなければ重大なことを見誤ります。むろん直接の担当者としての責任は、一定期間が過ぎればなくなるでしょう。しかし、担当時代に積み残したこと、解決できなかったこと、気づかなかったことは、次の担当者に引き継がれます。担当者としての責任は終わっても「関係者であった」責任は残ります。私の乏しい人生経験からいっても、現在行っていることの結果、特に深刻な結果が現れるのは、かなり時間がたってからのことが多いです。様々な問題に対して、担当者としての数年の期間をやり過ごすことで済ませようとすることは犯罪に等しい。
現在、私の新聞への寄稿により、文化財課周辺で起こっている問題についても、表面を繕うような対処法ではなく、本質的な解決を模索する人物でなければ、対応できないと考えます。」
先程「引き続き(2)文化財保護の本質に係る問題にて検証いたします。」と書いたものの文章として纏めることに正直難渋しております。
上司の許可を得ず新聞に寄稿した(資料⑦10頁)ことについては、深く反省しています。しかし寄稿の発言内容の真偽を、調査も確認もなく文化財課が「憶測に基づいた根拠のない誹謗中傷」と断定し、琉球舞踊保存会に公式に教育長名で謝罪したことには納得がいきません。行政の責任において、問題の解決を妨げ、悪しき傾向が助長されることを深く懸念します。
恐れ入りますが、この件について、私の上司である文化財課萩尾俊章課長と文化財課文化財班野原格班長同席の上で、教育長に直接ご説明申しあげたく存じます。
このメール冒頭でお伝えしたように、現在私は鬱を発症して日中はストレスから本庁13階の教育庁までたどり着けない状況が続いています。(人気がない深夜や早朝に大事な捜し物があって何度か来課したことがあります。病休中に班長により机の上の書類を無断で廃棄されたからです。引き継ぎも出来ないまま放置した状態は気になっていましたので、事前にご連絡があれば何らかの方法で対処するつもりでした)。
9月になった頃、日常生活には何の支障もないまで回復したので、復帰に向けての通勤訓練として、勤務時間帯に県庁に足を踏み入れてみました。
一階フロアーに立つと冷や汗が出て、フロアーで開催されているイベントの展示の説明を読もうとしても内容が頭に入りません。試しにエレベーターに乗って13階教育庁フロアーまで行くことを試みましたが途中吐き気がしてエレベーターを降りトイレでもどしました。
それ以来この二ヶ月余り、幾度となく階段を利用して13階まで上がることを試みていますが体が鉛のように重くかんじられます。それでも最近は2階の情報センターまではたどり着けるようになりました。そういう状態ではありますが、この問題についてご説明申しあげる機会を戴けるようでしたら、主治医に強い安定剤を処方してもらって(医師に相談済みです)這ってでも、家内に付き添って貰ってでも、13階の教育長室まで伺う所存です。
ご検討願います。
沖縄県教育庁文化財課 指導主事 島元 要
何事もなかったように萩尾前課長が
文化財課に戻ってきている
隠蔽工作の効果はまだまだ継続中
八百長審査会も補助金の不正流用も闇の中
伝統芸能はこれでいいんだろうか
教育庁内部の闇は明るみに出されているはずなのですがー、裁判で訴訟をする事によって詳細が公に記録され社会的インパクトをもたらすのだろうか⁉️
小さくてもフォーラムなども?
データの開示は来週以降になります。
二人の指導がないと補助金の流用は出来ない。島元先生とのやり取りからも明らかだ。さらに琉球舞踊保存会の歯止めとなっていた島元先生を担当から外し、パワハラで追い詰めた。
結果として萩尾前課長、野原前班長は琉球舞踊保存会に資金的な援助を行い、行政的なお墨付きを与えた。二人がいなければ琉球舞踊保存会は保持者候補者を選ぶのに第三者を排除した歪なコンクールが出来なかっただろう。そして、流儀間の憎しみの炎に油を注ぐこともなかった。
口車に乗った国の保存会の先生方は許されないが、影で指導していた萩尾前課長、野原前班長も決して許してはならない。
補助金の不正流用によって行われた不当なコンクールが、誰の指導によって補助金が流用されて資金源になり、大御所が気に入らない人間を排除するためにどのようなこと行われていたかを、身内の噂話ではなく公にしなければならない。
真実が明らかになることは、憎しみの炎を小さくし、若い世代の希望の灯りとなる。
そして、琉球舞踊の全ての流儀を身を挺して守ろうとした島元先生に報いることだ。
誰でも公に出来るわけではない。舞踊家として真摯に琉球舞踊に向き合いながらも毎回の候補者選定コンクールで不当に排除された人物でなければ、多くの人に共感を与えることは難しいだろう。